“業界初”に“認証取得”…IAAE2023で見た気になる新商材 | CAR CARE PLUS

“業界初”に“認証取得”…IAAE2023で見た気になる新商材

イベント イベントレポート
“業界初”に“認証取得”…IAAE2023で見た気になる新商材
  • “業界初”に“認証取得”…IAAE2023で見た気になる新商材
  • “業界初”に“認証取得”…IAAE2023で見た気になる新商材
  • “業界初”に“認証取得”…IAAE2023で見た気になる新商材
  • “業界初”に“認証取得”…IAAE2023で見た気になる新商材
  • “業界初”に“認証取得”…IAAE2023で見た気になる新商材
  • “業界初”に“認証取得”…IAAE2023で見た気になる新商材
  • “業界初”に“認証取得”…IAAE2023で見た気になる新商材
  • “業界初”に“認証取得”…IAAE2023で見た気になる新商材

3月7日(火)~9日(木)に東京ビッグサイトで開催された「第20回 国際オートアフターマーケットEXPO 2023(IAAE2023)」。年に1回、国内唯一の自動車アフターマーケットの国際展示会とあって、今年も多くの新商材が各ブースに並んでいた。その中から「業界初」や「特許取得」など編集部が注目した専門性に特化した製品をいくつかご紹介したい。

塗布するだけで磨き時間を短縮 MAGI-POLY(マジポリ)

株式会社クリスタル光学(本社:滋賀県大津市/桐野茂代表取締役社長)がブースに展示していたのは、研磨助剤の「MAGI-POLY(マジポリ)」だ。同社はもともと半導体のほか、EV用のバッテリーなど製造装置向けの精密部品の製造・加工を主力としている企業で、ここ数年は航空・宇宙産業や光無線通信技術にも関わり、人工衛星などに搭載される精密部品も手掛けている。そんな同社がいわゆる“超精密加工”を応用し、2016年頃から開発に取り組んだのが、研磨用スプレーの「MAGI‐POLY(マジポリ)」である。

MAGI-POLY(マジポリ)は、仕上げ研磨工程で使う研磨パッドの表面に塗布するだけで、研磨能率や仕上げ面の粗さなど研磨性能を向上する研磨助剤である。一般的に研磨パッドは、ウレタンや不織布、スエードなどそれぞれ表面の微細な構造が異なるが、MAGI-POLY(マジポリ)は、これら研磨パッドの表面に研磨液との親和性に優れた樹脂薄膜層を形成。塗布することで研磨パッド表面が親水化処理され、その結果、作用砥粒数が増加し、研磨性能が向上するという。

研磨パッド本来の物理的特性を変えないことが大きな特徴であり、研磨パッドに直接スプレー塗布するだけで研磨性能を向上させる技術は業界では初とのこと。なお国内の第三者機関により効果は実証されており、既に特許も取得済みだという。

なお使用上の注意点として、まずバフを乾燥させ、MAGI-POLY(マジポリ)を塗布してから約1時間の乾燥が必要なことと、磨き作業終了後はバフを水で洗浄することが必要であるが、磨き時間自体の短縮とコンパウンドの使用量の削減により、効率的かつ効果的な研磨作業が実現できると担当者は話す。

研磨工程は多種多様で、様々なや業種・業界で行われる。その中でMAGI-POLY(マジポリ)は、勘や経験に基づくことが多い研磨作業を平準化できることが大きなメリットと言える。実は自動車業界への参入は今回が初めてという同社。MAGI-POLY(マジポリ)の効果は前述の通り、第三者機関により実証されているが、認知や販促活動はこれからとのことで、まずは実績作りを優先していく考えだという。

今後はさらなる市場調査を進め、使用者の声をフィードバックしながら、品質向上、製品ラインアップの拡充も進めていくとのことだ。魔法のような磨きスプレー(=MAGIC POLISH SPRAY)と“マジ?”と驚くような効果が製品名の由来という、ユニークな製品のMAGI-POLY(マジポリ)、今後の展開に注目したい。

タイヤ寿命も延長するパンク防止剤 ドリームシールエコ

ドリームサポート有限会社(本社:広島県広島市安佐北区/藤岡信也代表取締役)のブースには釘が刺さったタイヤが1つ…。実はコレ、同社が展示していたパンク防止剤「ドリームシールエコ」の効果を分かりやすくするために展示されていたものだ。

同社は、国内で25年以上の実績を持つパンク防止剤「ドリームシール」ブランドを展開しているパンク防止剤メーカーで、建設車両や農業機械など、いわゆる“はたらくクルマ”を中心に数多くの採用実績を持っており、乗用草刈機メーカーには純正採用されている。そんな同社が今回展示していたのは乗用車・バイク向けの新製品「ドリームシールエコ」である。

同社製品の特徴は、ゼリー状の溶剤をあらかじめタイヤ内に注入しておくことで「パンク」と「自然空気漏れ」を同時に防止できるという点である。同社では、タイヤが摩耗する理由を独自に調査し、走行時のタイヤ転がり抵抗で発生する「熱」がポイントと突き止め、この熱を下げることでタイヤの寿命を延ばせるという仮説のもと、水溶性ゼリー状の「ドリームシール」を開発。特殊車両を中心に実績を積み重ねてきた。そんな中“乗用車でも使いたい”というユーザーの声を受け、これまでの特殊車両でのノウハウを活かし、乗用車用・バイク用の「ドリームシールエコ」を開発に至ったという。

同製品を注入したタイヤ(後輪)は、未注入のタイヤ(前輪)に比べ約3度も温度が低かったそうで、この「タイヤ熱冷却」と「自然空気漏れ防止」の相乗効果によりタイヤ寿命を大幅に延長することに成功。約5万キロ(5年間)走行後のタイヤ溝計測で、残63%を記録したという(同社調べ)。担当者曰く、パンク防止効果だけではなく、タイヤ寿命自体を延長するパンク防止剤は“業界初”と話す。

使用方法は、タイヤバランスの調整後にバルブコアを取り外し、タイヤの空気をすべて抜いた後に「ドリームシールエコ」の規定量を注入。その後、規定空気圧まで空気を充填すれば良いとのこと。担当者によると、走行時にタイヤの内壁全体に1mmくらいの皮膜ができるイメージで、タイヤサイズによって注入量は異なるとのこと。

ドリームシールエコの使用イメージ

なお、このドリームシールエコ、太さ6.5mmまでのクギ等による突き刺しパンクを防止できるというから驚きだ。そのメカニズムは、パンク時にタイヤ内の「ドリームシールエコ」が空気圧で押し出され、繊維質がパンク孔に詰まって空気漏れを止めるという構造にあるという。ブースに展示されていた釘が刺さったタイヤはこの効果を示すためのものだそうだ。

ちなみに、同製品の注入によるタイヤゴムへの影響や金属の錆や腐食については、アメリカと日本の第三者機関による実験で、問題無いことが確認されているとのこと。ただし、自然空気漏れ防止効果については、タイヤやチューブの状態により100%ではないということは理解しておくべきである。

パンクしてからの補修剤ではなく、パンクしないようにするための防止剤であるという訴求と、あらかじめタイヤ内に注入するだけで効果を発揮するという手軽さから、来場者は興味深そうにタイヤを触ったり、担当者に説明を求めていた。これまで特殊車両などで培ってきたノウハウが、乗用車・バイク向けに活かされ、燃費やタイヤ寿命の向上、パンク関連経費の削減など、様々な波及効果が発揮されることを期待したい。

衛生ニーズの高まりを受け“SEK認証”をダブルで取得 エアコン用クリーンフィルターSタイプ

コロナ禍を背景に、ユーザーの車内における除菌・抗菌ニーズが高まったことは間違いない。そのような中で、自動車部用品専門商社のSPK株式会社は「車内快適空間」を1つのキーワードとしてブースを展開。そのブースの中で“クルマのマスク”として認知が高まっているエアコンフィルターを訴求していたのが、アフターマーケット専業の優良部品フィルターメーカーのパシフィック工業株式会社(本社:大阪府大阪市福島区/長安純代表取締役社長)だ。

同社は、これまでも自動車アフターマーケットにエアコンフィルターを積極的に展開してきたが、今回展示していたのは、5月発売予定の新製品「Sタイプ」。同社の従来の活性炭脱臭タイプ「Cタイプ」の後継商材として、集塵・脱臭・抗菌などの基本性能はそのままに、一般社団法人繊維評価技術協議会が認定する基準に合格した製品に付与される「制菌加工」「抗ウイルス加工」のSEKマーク認証をダブルで取得。PM2.5対応、安定風量と200g/㎡活性炭の強力脱臭、抗菌、防カビ、抗ウイルス、抗アレルゲン対応のシリーズ最高品質を実現したという。ちなみにSEKマーク認証をダブルで取得しているエアコンフィルターは業界初であり、昨今の衛生ニーズの高まりに応える新製品と言える。

一般社団法人繊維評価技術協議会が認定するSEKマーク認証

顧客のニーズは様々だ。特に100年に1度の大変革期と言われる自動車業界において、変化への対応は急務である。それぞれの顧客ニーズに合わせた製品が満載だった今回のIAAE2023は、コロナ禍もようやく収束に向かい始める中で、3日間で1万4155名の来場者を集めた。この盛況ぶりがリアルに勝るものはないと言われる展示会の意義を改めて示しているように感じた。

《カーケアプラス編集部@松岡大輔》

関連ニュース

特集

page top