安全性とコストに差が出る! 「ブレーキパッド」交換時の選択肢 | CAR CARE PLUS

安全性とコストに差が出る! 「ブレーキパッド」交換時の選択肢

特集記事 コラム
安全性とコストに差が出る! 「ブレーキパッド」交換時の選択肢
  • 安全性とコストに差が出る! 「ブレーキパッド」交換時の選択肢
  • 安全性とコストに差が出る! 「ブレーキパッド」交換時の選択肢
  • 安全性とコストに差が出る! 「ブレーキパッド」交換時の選択肢
  • 安全性とコストに差が出る! 「ブレーキパッド」交換時の選択肢
  • 安全性とコストに差が出る! 「ブレーキパッド」交換時の選択肢
5年や10年といった長期間、愛車に乗り続けているカーオーナーならば、これまでに『ブレーキパッド交換』を行ったことがある人もいるだろう。

ブレーキパッドは、車のブレーキを構成するとても重要な部品。一般的な車の前輪にはブレーキローター(ディスクローター)、ブレーキキャリパー、ブレーキパッドの3つで構成された「ディスクブレーキ」が採用されている。


ディスクブレーキは、タイヤと一緒に回転しているブレーキローターを、両側からブレーキパッドで挟み込んで車を停止させる仕組みになっている。

このため、下り坂や急カーブでの減速、信号待ちの停車時などにブレーキペダルを踏むたび、ブレーキローターとブレーキパッドの両方が削られ、徐々に厚みが薄くなる。削られた鉄粉(ブレーキダスト)はホイールの周辺に飛び散り、放置するとそのまま固着して水洗いだけでは落ちなくなってしまうので要注意だ。


なお、車の後輪には「ドラムブレーキ」が採用されており、回転するドラム(円筒)をブレーキシュー(ブレーキライニング)と呼ばれる部品でおさえつけて停止させている。ブレーキシューの溝が無くなってきたら、交換が必要になる。


◆「乗り方」で減り方がわかる

ブレーキパッドは、新車(新品)時だと約10mmほどの厚みがある。

走行距離10,000kmで1mmほど摩耗するという説もあるが、重要なのはブレーキの使用頻度。信号や一時停止が多い街中で運転する機会が多ければ、必然的にブレーキを踏む頻度が増え、その度ブレーキパッドが削られる。

一方、高速道路や信号が少ない道ならブレーキの使用回数が少なく、ブレーキパッドは減りくい。乗り方次第で、ブレーキパッドの減り方に差が出るということだ。


◆交換の目安と、車検

交換の目安は、厚みが5~2mmになった時や、ブレーキを踏んだ時に「キィー、キィー」「ゴーゴー」といった異音などが発生したタイミングとされている。


交換せず乗り続けると…。厚みがなくなったブレーキパッドの金属部分とブレーキローターが接触し、ブレーキローターが直接削られて激しい異音が発生する。最終的にはブレーキが効かなくなり、大事故につながる危険な状態に陥る可能性がある。

車検時に、ブレーキパッド交換を行った経験がある人は多いと思うが、実は車検項目(保安基準)にブレーキパッドの厚みの規定はない。規定はないのだが、車検や法定一年点検(法定12ヶ月点検)時の記録簿(定期点検整備記録簿)に『ブレーキ・パッド、ライニングの厚さ』を記入する項目がある。

ここには、前輪のブレーキパッドと、後輪のブレーキシューの残量が記されているので、必ずチェックしよう。厚みがあってもブレーキを多用する乗り方をしている場合は、整備士に相談し、安全性の確保のためにブレーキパッド交換を検討してほしい。



◆純正品と社外品

ブレーキバッドに限らず、車の部品を新品に交換したい時は「純正品」と「社外品」の選択肢がある。どちらを選ぶかで費用に差が出るのだが、そのことを知らない人も多いのではないだろうか。

純正品とは、新車時に装着されている部品と同じもの。生産しているのは部品メーカーで、トヨタやニッサンといった自動車メーカーの看板を掲げる正規ディーラーなどで購入できる。自動車メーカーのロゴマークがあり、メーカー保証も付いている。

社外品とは、純正品を生産している部品メーカーが、自社のオリジナル部品として販売しているもので「優良部品」と呼ばれる場合もある。自動車メーカーのロゴマークがないだけで純正品とほぼ同じ仕様、品質でありながら、純正品よりも安価に購入できる。社外品の中には、車検に適合しない部品や部品メーカーの保証がない場合もあるため、その点は注意が必要だ。



◆どこに依頼するかで、コストに差が出る

ブレーキパッド交換時、特に意識してほしいのは、部品代と交換作業代(工賃)だ。それぞれの値段が、見積書や請求書に記載されている場合もあれば、店舗によっては、部品代と交換作業代がセット価格になっているケースもある。

正規ディーラーで車検や点検を行い、ブレーキパッド交換が必要になったときは「純正品」での対応となるのが一般的。整備工場やカー用品店などでは、主に「社外品」を取り扱っているケースが多いようだ。純正品を指定すれば手配してもらえるが、取り寄せに時間がかかったり、社外品と比べて純正品のほうがやや値段が高くなる。

正規ディーラー、整備工場、カー用品店、車検チェーン店、どこでブレーキパッド交換を依頼するかで、部品代(純正品または社外品)と交換作業代に差が出ることを覚えておけば、コストを抑えることができるだろう。

とにかくリーズナブルに済ませたい、という理由から、ネット通販で購入した安価なブレーキパッドをDIYで交換しようと考える人もいるようだが、それはNG。ブレーキパッドは、車の走る・止まる・曲がるといった基本的な動きに関わる“重要保安部品”のため、分解整備の資格を持つ整備士が在籍する自動車プロショップに依頼するのが鉄則だ。


◆ブレーキパッド「社外品」ブランドについて

整備工場やカー用品店、車検チェーン店で、ブレーキパッド交換を依頼すると「社外品」での対応が基本となっているようだが、車種や目的に合わせて製品の性能や価格に違いがある。


製品タイプとして、軽自動車専用、街乗りが基本の乗用車用、ミニバンやSUV用、スポーツ走行に最適なものなど、いくつか用意されている。このほか、ブレーキダストが少ない製品もあれば、ブレーキパッドとブレーキローターをセットにした安価なものも登場している。

ブレーキパッドを生産・販売している、主要な部品メーカーは、「曙ブレーキ工業」「ディクセル」「エンドレス・アドバンス」「ブレンボ」「プロジェクト・ミュー」「アクレ」など複数社がある。

どのようなブレーキパッドが適しているかは、愛車を預けている自動車プロショップの整備士に相談すれば、最適なものを提案してくれるはずだ。より長く大切な愛車に乗り続けるために、安全性の確保と維持費の削減につながる選択をしてほしい。
《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

関連ニュース

特集

page top