【OBD検査の最新動向】受検車の約25台に1台が不適合あり | CAR CARE PLUS

【OBD検査の最新動向】受検車の約25台に1台が不適合あり

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【OBD検査の最新動向】受検車の約25台に1台が不適合あり
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2024年10月から始まった「OBD検査」は、衝突被害軽減ブレーキをはじめとする先進安全技術が搭載された車の「電子的な健康診断」であり、カーライフの安全に直結する重要な制度である。6月25日、国土交通省はOBD検査の現状や今後の方向性を話し合う「第3回 OBDモニタリング会合」を開催した。そこで議論された内容から、特に自動車ユーザーに関わりの深いポイントを解説する。

OBD検査の現状:順調な滑り出しと効果

OBD検査は、車のコンピューター(ECU)に記録された故障情報を専用の診断機(検査用スキャンツール)で読み出し、安全に関わる装置が正しく機能しているかを確認する検査だ。会合での報告によると、制度開始から約9ヶ月が経過し、これまでに18万台以上の車がOBD検査を受けている。特に、対象となる車種が1000型式を超え、検査を受ける車の数も順調に増えているという。
注目すべきは、不適合となったケースの多くが安全系の不適合で、「カメラ、ミリ波レーダーの故障」や「センサ・システムの通信途絶」など先進運転支援システム(ADAS)に関連するものだった点である。これは、OBD検査が目視では確認しづらい電子制御システムの異常をしっかりと見つけ出し、事故を未然に防ぐという本来の役割を果たしていることを示している。

検査対象のさらなる拡大:3つの安全装置が追加へ

今回の会合で最も注目されたのが、今後のOBD検査の対象となる安全装置の拡充である。現在対象となっている装置に加え、新たに以下の3つの装置が検査対象となることが決定した。

  1. 車線逸脱警報装置

  2. 側方衝突警報装置

  3. ペダル踏み間違い時加速抑制装置(ACPE)

いずれも、安全運転を支える重要な機能である。これらの装置も車検時にしっかりと電子的なチェックが入ることで、より一層の安心につながるだろう。この新しいルールは、まず令和8年9月以降に登場する新型車から適用が始まる(一部装置は令和10年9月以降)。そして、それらの車が最初の車検を迎える3年後から、実際にOBD検査の対象となる。つまり、すぐに車検内容が変わるわけではないが、将来的に車の安全性を担保する体制がさらに強化されていくことになる。

より正確で信頼できる検査へ:システムやアプリも進化中

会合では、整備士が使うシステムやアプリをより使いやすく、間違いが起こりにくいものにするための改善策も数多く議論された。例えば、検査時に使うアプリの画面で、「検査モード」と「確認モード」という似たボタンを誤って押してしまわないよう、ボタンの配置を変えたり、警告メッセージ(ポップアップ)を表示したりする改善が進められている。ユーザーが直接触れる部分ではないが、こうした地道な改善が、より正確で信頼性の高い車検につながっていくのである。

まとめ

今回の会合では、OBD検査が順調に機能し始めていること、そして未来の車の安全に向けてさらなる進化を遂げようとしていることが確認できた。対象装置の拡大は、先進安全技術が正しく機能することを保証し、ドライバーや歩行者の安全を守る上で非常に重要である。車の電子化がますます進む現代において、OBD検査はカーライフに欠かせない存在になっていくことだろう。今後の動向にも注目していきたい。

《カーケアプラス編集部@市川直哉》

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