【自動車豆知識】ますます難しくなる「ぶつからないクルマ」の修理 | CAR CARE PLUS

【自動車豆知識】ますます難しくなる「ぶつからないクルマ」の修理

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【自動車豆知識】ますます難しくなる「ぶつからないクルマ」の修理
  • 【自動車豆知識】ますます難しくなる「ぶつからないクルマ」の修理
  • 高級車だけでなく軽自動車などにも自動ブレーキが装備されるのが当り前になりました
  • 一口に自動ブレーキと言っても、どんな方法で障害物を検知しているかで性能や作動する条件が異なります
  • カメラの位置がたったの1度半ずれているだけで、80メートル先では2メートルも見るポイントがずれてしまいます
  • カメラやレーダー、車体に取り付けられた各種センサーを正しい位置に調整し直し、設定を行う「エーミング」が不可欠に
  • そもそもクルマが真っ直ぐ走れている必要があるので、エーミングの作業の大前提としてホイールの4輪アライメントが正しく調整されていることなどが求められます
  • テュフではマツダのレストア事業に関連して、日本でも「クラシックカーガレージ」の認証を開始する
  • 国内のBMWグループの鈑金塗装工場52ヶ所が認証を受ける
最近のクルマの進化は目まぐるしく、ここ2~3年ほどの間に、高級車だけでなく軽自動車までも自動ブレーキをはじめとした安全運転支援装置が装備されるようになり、人為的な「うっかりミス」を防ぐ機能が身近なものなりました。しかし、便利で安全になった反面、万が一事故にあった時の修理が難しくなっていることは意外と知られていません。クルマを修理する現場では、いったい何が起きているのでしょうか?

高級車だけでなく軽自動車などにも自動ブレーキが装備されるのが当り前になりました


◆安全装備を正しく作動させるためには

例えば、「ぶつからないクルマ」というフレーズで、最先端の安全装備の代名詞となった自動ブレーキですが、実は車種ごとに性能や作動する条件が異なることをご存知でしょうか?検知できるものや、検知できる場所、止まれる速度など、メーカーや車種によってバラバラです。その違いは、主にどんな方法(カメラ・レーダー・レーザー)で障害物を検知しているかによります。

一口に自動ブレーキと言っても、どんな方法で障害物を検知しているかで性能や作動する条件が異なります
自動ブレーキのような安全支援装置を作動させるためには、今までのクルマには装備されていなかったさまざまな部品を取り付ける必要があり、それらの部品が正常に作動することで、初めて本来の性能を発揮できるのです。

◆誤った修理が事故を引き起こす

今までに無かった部品が装着されるようになったことで、修理の内容によってはさまざまな調整や設定をし直す必要が出てきました。修理をする際には、正しい知識と技術が必要になり、こうしたことを知らずに修理を始めると、元通りに修理することはおろか、逆に誤作動を招いて重大な事故に結び付くことも起こり得ます。

例えば、カメラの位置がたったの1度半ずれているだけで、80メートル先では2メートルも見るポイントがずれてしまいます。実際このようなケースで、カメラが対向車を障害物と認識し、走行中に急ブレーキがかかったという事例もあり、正しい調整や設定がなされていなかったことによる誤作動で、事故が起きている事例も少なくありません。

カメラの位置がたったの1度半ずれているだけで、80メートル先では2メートルも見るポイントがずれてしまいます
また、自動ブレーキが装着されているクルマを運転するとわかることですが、一部のクルマを除いて、ハンドルを切った状態だと作動がキャンセルされる仕組みになっています。ドライバーが「衝突回避の行動を取っている」とクルマが判断するからですが、そもそも事故などでフレームが曲がっていたり、ホイールのアライメントが大きく狂っていて真っ直ぐ走れていない場合でも、正しく作動しない可能性があるのです。

◆繊細できめ細かい作業が求められる

そこで必要になってくるのが「エーミング」という作業です。「キャリブレーション」とも言い、「校正」を意味します。例えるなら、視力に合わせてメガネのレンズを調節するような作業で、カメラやレーダー、車体に取り付けられた各種センサーを正しい位置に調整し直し、設定を行います。ただし、先ほどの話のようにそもそもクルマが真っ直ぐ走れている必要があるので、エーミングの作業の大前提として、ホイールの4輪アライメントが正しく調整されていることや、修理する車両の寸法を正しく計測できていなければなりません。

カメラやレーダー、車体に取り付けられた各種センサーを正しい位置に調整し直し、設定を行う「エーミング」が不可欠に
言葉では簡単に説明できますが、これらの作業を行うためには正しい知識と技術に加えて、作業をするための最新の設備やスキャンツールと呼ばれる故障診断機が必要になります。つまり、そうした全てを兼ね備えた工場でなければ、最近のクルマを正しく修理することができません。

安全装備の普及とともに、事故は格段に減りましたが、万が一の事故の際には、以前にも増して信頼できる修理工場に愛車を預けることが大切になってきています。また、ちょっとした修理だったとしても実はエーミングが必要になる可能性もあり、より繊細で確実な対応が求められます。

◆信頼できる工場はどう選ぶ?

しかし、われわれ一般のユーザーが、数ある工場の中から信頼できる修理工場を選ぶのはなかなか難しい問題と言えます。判断する基準が難しかったり専門的すぎるからです。1つの判断基準として、「損保会社の指定工場」や「ディーラー指定工場」であることなどが挙げられますが、その水準は一定で無いのが現実。最も説得力があり、わかりやすいのは、“利害関係の無い第三者”が一定の判断基準の下、中立の立場で「公平」「公正」な判断をすることです。

世界でもトップクラスの第三者検査機関「テュフ ラインランド」。テュフ認証は信頼の裏付けだ

このような背景があり注目を集めているのが、世界的な第三者認証機関であるテュフ ラインランドの日本法人「テュフ ラインランドジャパン」です。最近では、マツダのレストア事業に関連して、日本でも「クラシックカーガレージ」の認証を開始したり、BMWグループの鈑金塗装工場を皮切りに、自動車の鈑金塗装工場向けの監査や認証を行うなど、自動車に関連する分野でも幅広い展開をしています。

国内のBMWグループの鈑金塗装工場52ヶ所が認証を受ける
テュフの認証を受けるためには、設備やツールなどから法令遵守に至るまで、数多くの厳しい審査基準をクリアしなければなりません。中立的な立場の第三者検査機関による鈑金塗装工場の認証は、鈑金塗装工場の品質を測る上で、ひとつの重要な目安となります。厳しい審査をクリアすることで、品質の高さが証明され、ユーザーに対して信頼の裏付けがある情報を提供できるのです。

かんたんに言い換えると、

「テュフ認証の工場=信頼できる工場」

ということになり、ひとめで見極めができるようになります。

つい先日ですが、SBI損害保険が修理工場の選定の際に、テュフ認証された修理工場を優先的に選択するという発表があり話題になりました。SBI損害保険では、「中立的な第三者機関の監査・認証は、非常に厳しい水準を求めるものであり、『テュフ 認証工場』を選択することで、お客様により安心感を与えることができる」としています。

また、修理する側でも、鈑金塗装のプロショップで組織する「BSサミット事業協同組合」では、このような動きにいち早く対応し、テュフ認証の取得に向けた積極的な取り組みを行っています。しっかりした修理ができる鈑金塗装工場であることを、ユーザーがひとめでわかるようにするためです。


クルマの進化とともに、“直す側”にも進化が求められる時代になりました。大切な愛車を預ける際には、「信頼できるのか」「本当に修理ができるのか」という工場選びを慎重にすることをオススメします。

最近のクルマは、正しい知識と技術に加えて作業をするための最新の設備など、全てを兼ね備えいないと修理ができません




◆テュフ ラインランドとは

140年の歴史を持つ世界でもトップクラスの第三者検査機関。世界中に拠点を持ち、第三者検査のエキスパートとして、産業用装置や製品、サービスの検査だけでなく、プロジェクトの管理や企業のプロセス構築もサポートしている。

自動車の分野では、ドイツで運転免許試験を行い、数カ国で車検サービスを提供しているほか、自動車メーカーや部品メーカー向けの国連および欧州型式認証(ホモロゲーション)の技術機関としても活動している。また、鈑金塗装工場向けの監査・認証サービスに加えて、世界各国でディーラーや一般整備工場向けの監査・認証サービスも提供している。最近では、クラシックカーの評価・査定サービスなども行っている。
《カーケアプラス編集部》

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