旧車の傷んだレザーシートを「リペア」する選択肢…レザーリペア職人が在籍するカーメイクアートプロ | CAR CARE PLUS

旧車の傷んだレザーシートを「リペア」する選択肢…レザーリペア職人が在籍するカーメイクアートプロ

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旧車の傷んだレザーシートを「リペア」する選択肢…レザーリペア職人が在籍するカーメイクアートプロ
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さまざまな内装パーツがある中で、シートの役割や存在感は大きい。シートの表皮素材は、大きく分けて、ファブリック(布)、レザー(本革)、ビニールの3種があるが、乗り心地や風合い、肌触りにこだわって、あえてレザーシートを選ぶユーザーもいるだろう。

レザーシートは高級感があり魅力的だが、ファブリック(布)やビニールと比べてとてもデリケート。乗降時の摩擦によるデニムの色移りや表皮の擦れ、ヒビ割れといったダメージを受けやすい。特にホワイト系レザーシートの場合、乗車のたびに汚れや痛みが目立つ。

純正レザーシートにこだわる旧車オーナーなどは、張替えではなくリペア(補修)して乗り続けたい意向もあることだろう。1台のクルマに長く乗り続ける長期保有化や中古車購入が増える背景の中で、内装ケアとしてレザーシートのメンテナンスやリペア、張替えは、注目のサービスといえる。

そこで、30年近く前から、レザーシートリペアを含む、カーディテイリングサービスを展開する、大阪のプロショップ「カーメイクアートプロ」の取締役であり、内装ケア関連サービス担当の熊取祐浩氏に、同社の取り組みについて話を聞いた。

創業当初から「内装補修」需要に着目

同社の創業は1993年。車関係の仕事に携わりたい気持ちが強かった丸山義昭社長は、家業の電気工事会社を退職し、全国のカーディテイリングショップを回って修行期間を経て、22歳で起業。当時の主要サービスは、ボディコーティング、カーフィルム、クリーニングだった。全国にボディ外装の補修を主業とする鈑金塗装事業者が多数存在しているのだから、カーディテイリングのひとつとして、内装補修のレザーメンテナンスやリペアの需要も必ず増えていくだろう、との考えがあったという。

サービス開始当時の状況について、熊取氏は「国産車のシートはレザータイプが非常に少なかったため、レザーシートに替えたいニーズがありました。古い輸入車などはレザーシートが多いものの、そのほとんどはダメージが深刻だったので張替えを提案する中で、オリジナルのレザーにこだわる方も多く、それがきっかけで、レザーメンテナンスやリペアを行うようになりました」と話す。

しかしながら、ユーザーは限定的でレザーメンテナンスやリペアの認知度は低かった。地道に雑誌などに取材を申込み、取り上げてもらうことで認知拡大を図ったという。

レザーリペアシステム「COLOURLOCK」

カーメイクアートプロでは、10年ほど前から、レザーの本場であるドイツ・レザーゼントラム社のレザーリペアシステム『COLOURLOCK(カラーロック)』を導入。革を熟知したドイツのリペア職人が、革なめし由来の独自技術で作ったシステムで、様々なリペアツールが揃い、リペア職人から伝授された優れた技術を駆使してレザーのクリーニング、メンテナンス、リペアに対応。レザーの素材感を損なわず補修でき、キーやベルトなどで引っ掻いたキズや、シートが破れてしまった場合もリペア可能。また、シートの色や特性に合わせて、専用に開発されたシステム「COLOURLOCK COLOUR SCANNER PRO」で、簡単かつ正確に色合わせを行っており、自然なリペアを実現しているという。

「弊社はメルセデス・ベンツやロールスロイス、ランボルギーニなどにお乗りのお客様が多いのですが、カラーロックはそういった欧州の高級車メーカーで純正採用されており、安心感があります。さまざまなレザーに対応するメンテナンス剤が豊富で、レザーリペイント後の質感が良く、簡易補修から本格リペアまで可能で、メンテナンス剤の取り扱いが難しくない点も、施工事業者として大きなポイントです」と熊取氏は導入理由を話す。

またカーメイクアートプロは、レザーゼントラム社の日本総代理店でもあり、同システムを導入したい自動車アフターマーケット事業者向けに、以前から無料のワークショップや見学会、有料の技術講習も行っている。熊取氏は「レザーリペアは鈑金塗装と同じような工程のため、鈑金塗装事業者であれば、比較的スムーズに施工方法を理解できる」と話していた。

現在、施工台数は年々増加傾向で、約30年前と比べると、レザーメンテナンスやリペアの認知度も上がってきたという。ユーザー層としては旧車オーナーや高級車オーナーが多い傾向で、仕上がった状態をみて「諦めていたものがリペアで修復できて嬉しい」との喜びの声が届いている。

最後に熊取氏は「劣化したレザーシートを綺麗にしたいとき、多くの場合、まずクリーニングの依頼があります。クリーニングである程度は綺麗になりますが、経年劣化で擦れたレザーの傷みはクリーニングでは解決できません。レザーが痛む前のケアと、経年劣化で傷んだ状態を和らげるメンテナンス、レザーが傷んだときの補修、そしてレザーの張替えまで弊社は対応可能です。レザーシートの痛み具合によりますが補修する選択肢があることを知って頂けると嬉しいです」と話していた。

なお、カーメイクアートプロは、3月7日(火)から東京ビッグサイトで開催される『第20回 国際オートアフターマーケットEXPO 2023(IAAE2023)』への出展が決まっており、この場にて、レザーリペアや調色の実演を予定。また、ボディの小キズが消える車用自己修復タイプガラスコーティング「FEYNLAB」の認定施工店も募集するほか、会期中3日間、展示会場内の塗装実演コーナーにて、スプレーで施工する塗装タイプのペイントプロテクションフィルム「Fenix Scratch Guard」の実演も予定している。

《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

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