“そういえばこんな銘柄があったシリーズ”として、今回は今から40年前、1982年に三菱から登場した『トレディア』&『コルディア』を取り上げてみたい。
『ミラージュII』から派生した2モデル
登場前年、1981年の第24回東京モーターショーに参考出品、翌年2月、セダンの『トレディア』と『コルディア』は正式にデビューした。当時の三菱車のラインアップには1978年登場の『ミラージュ』と、そのやや上級でFRの『ランサーEX』があり、『ミラージュ』は1982年に“II”へとマイナーチェンジ、この時にノッチバックの4ドアサルーンとその兄弟車の『ランサー・フィオーレ』を登場させている。
『トレディア』『コルディア』は基本的に『ミラージュII』のコンポーネンツから派生したモデルだったが、『コルディア』『トレディア』はひと回り大きな設定。4ドアセダン同士で比べると、『トレディア』はホイールベースが+65mmの2455mm(4WDは+50mmの2450mm)、トレッドについても前後とも30~45mm拡大したものだった。全長は『ミラージュII』の4ドアサルーンの4105mmに対して『トレディア』は4380mmとやや上級の位置づけだったことがわかる。
“日本初”を謳う1600ターボの搭載
『コルディア』はセダンの『トレディア』と共通の2445mmのホイールベースをもつ、スタイリッシュな2ドアハッチバッククーペに仕立てられていた。そしてこのクルマには、“日本初”を謳う1600ターボの搭載を話題のひとつとしていた。
日本で初めてターボ搭載航空機の飛行を成功させた三菱だけに、純国産の“三菱ターボ”を採用。10モード燃費14.5km/リットルの燃費と115ps/17.0kg-mの高性能を発揮するこのG32B型ターボには、4速×2段のスーパーシフトを組み合わせられていた。ターボの4WD車も設定された。当初はギャラン店用に“XG”、カープラザ店用に“XP”のサブネームが付けられ、フロントまわりなどのデザインが作り分けられていた。
インパクトはあったのか…?
もう1台、サルーンの『トレディア』は、『ミラージュ』の4ドアサルーンより20mm全高が高く、直線的なスタイルを特徴としていた。『コルディア』同様にターボが用意されたほか、マイナーチェンジ(85年)にはパートタイム4WD車も設定された。
写真をご覧いただけばおわかりのとおり、カタログはいずれも正攻法のオーソドックスな造りというべきか。クルマもインパクトがあったほうか?というとそうではなく、1世代限りでモデルチェンジされることはなかった。
ちなみに、1981年の三菱の東京モーターショーのパンフレットでは“フルラインターボ”が打ち出しで、『ミラージュ』(1400)、『ランサーEXターボ』(1800)、『エテルナ&ギャラン・シグマ』『ギャラン&エテルナ・ラムダ』(2000、2300ディーゼル)、『パジェロ』(2300ディーゼル)と揃え、それを“世界初の快挙”とアピールしていた。