マツダ×郷田鈑金×RE雨宮…クルマのプロたちが語った旧車レストアへの熱き思いを詳報!IAAE2022 | CAR CARE PLUS

マツダ×郷田鈑金×RE雨宮…クルマのプロたちが語った旧車レストアへの熱き思いを詳報!IAAE2022

レストア コラム
マツダ×郷田鈑金×RE雨宮…クルマのプロたちが語った旧車レストアへの熱き思いを詳報!IAAE2022
  • マツダ×郷田鈑金×RE雨宮…クルマのプロたちが語った旧車レストアへの熱き思いを詳報!IAAE2022
  • マツダ×郷田鈑金×RE雨宮…クルマのプロたちが語った旧車レストアへの熱き思いを詳報!IAAE2022
  • マツダ×郷田鈑金×RE雨宮…クルマのプロたちが語った旧車レストアへの熱き思いを詳報!IAAE2022
  • マツダ×郷田鈑金×RE雨宮…クルマのプロたちが語った旧車レストアへの熱き思いを詳報!IAAE2022
  • マツダ×郷田鈑金×RE雨宮…クルマのプロたちが語った旧車レストアへの熱き思いを詳報!IAAE2022
  • マツダ×郷田鈑金×RE雨宮…クルマのプロたちが語った旧車レストアへの熱き思いを詳報!IAAE2022
  • マツダ×郷田鈑金×RE雨宮…クルマのプロたちが語った旧車レストアへの熱き思いを詳報!IAAE2022
  • マツダ×郷田鈑金×RE雨宮…クルマのプロたちが語った旧車レストアへの熱き思いを詳報!IAAE2022

昨年末、女優の伊藤かずえさんが30年近く乗り続けている、日産・シーマのレストア(復元)が話題となったことは記憶に新しいが、カーオーナーの皆さんの中にはこの事例をきっかけに、初めて「レストア」という言葉を知ったという人も多いのではないだろうか。

実は自動車メーカーではここ数年、旧車パーツの復刻などを事業として始めており、熱を帯びている旧車ブームとも相まってこのレストアが盛り上がりを見せている。

そんな中、3月9日(水)~11日(金)にかけて開催された「第19回国際オートアフターマーケットEXPO2022(IAAE2022)」において“レストア事業の現在と今後に関する展望”と題されたセミナーが行われた。登壇者それぞれの立場から語られたレストアの今後とは…?本稿ではセミナーの模様を詳しくレポートする。

レストアとチューニングに造詣の深い3名が登壇!

今回のセミナーには、自動車メーカーからはマツダ株式会社商品本部ロードスターアンバサダーの山本修弘氏、独立系の鈑金・レストア事業者から株式会社郷田鈑金代表取締役の駒場豊氏、チューニングパーツメーカーからは、有限会社アール・イーアメミヤ代表取締役社長の雨宮勇美氏の3名が登壇。レストアやチューニングに携わる方、また少しでも興味のある方なら名前を知らない人がいないであろう豪華な顔ぶれが揃った。

写真左から、マツダ・山本氏、郷田鈑金・駒場氏、RE雨宮・雨宮氏

まずは山本氏が「ものづくりはそこで働く人が主役。またその地域の風土や歴史も大事になる中で、本拠地の広島は歴史・技術・平和という3つのキーワードが重なる大事な街です」と述べた上で「マツダは“ワクワク”し“運転することが楽しくなる”、そんなクルマ作りをしています。CMなどで皆さんも耳にしたことがある弊社の“走る歓び”というワードは、マツダ車の根幹をなすものです。規模は小さくてもONE&ONLYの存在感と熱烈なファンに強く支持され、お客様に愛され続けるブランドとして、これからも成長していきたいと思っています」と熱い思いを語った。

独立系の鈑金事業者として、NAロードスターを中心に数々のクルマのレストアを手掛けてきた駒場氏は、雨宮氏の声掛けもあり出展できた東京オートサロンについて発表。2020年は郷田鈑金50周年を記念し、レース活動をしていた当時のカラーリングを再現したサバンナRX-3を出展。今年はイエローのボディカラーが特徴的なサバンナスポーツワゴン(通称:サバゴン)を出展した際の様子をスライドで説明しながら紹介。当編集部でも2020年と今年の2度に渡り、現地で出展車両を取材させて頂いているが、会場での注目度が高く、多くの人がシャッターを切る姿が印象的だったことを覚えている。

東京オートサロン2020に出展した「郷田RX-3」
今年の東京オートサロン2022に出展した「サバゴン」

カスタムチューニング界、特にロータリーエンジンのチューニングにおいてカリスマ的な存在の“雨さん”こと、雨宮氏はこれまでの経歴を振り返りながら「もともとは鈑金塗装業でしたが、マツダのロータリーエンジンに憧れ、徐々に鈑金からエンジン、カスタム、ドレスアップへと転向しました。基本的にはマツダ専門ですが、様々なクルマをカスタムしてレースなどにも参戦し、GT300では2006年シリーズで総合クラス1位になることができました」と、変わらぬロータリー愛を語った上で「クルマは早く走らなければダメなのと、カスタムしたクルマはしっかりナンバーを取る(公認車検を通す)ということが大事なのではないでしょうか」と雨さんらしいこだわりも見せた。

東京オートサロン2020のRE雨宮ブースでの駒場氏と雨宮氏。駒場氏のレストアに雨宮氏はエンジン供給という形で協力している

事業者ごとに異なるレストア事業へのアプローチ

セミナーの本題であるレストアの今後については、まず山本氏がマツダの「CLASSIC MAZDA」について紹介。マツダがクルマ作りをする上で、社会にどのような貢献をするのかという社会的意義を示さなければならないという中で、マツダの車を愛するお客様の心に向き合い、新しいクルマだけではなく古いクルマも大切にできる社会を育みたい。ずっと乗り続けていただけるサービスを提供する自動車メーカーとして、NAロードスターについてはレストア、復刻パーツ、パーツ情報サービスの提供、FC/FDのRX-7については復刻パーツの提供を開始したことを述べ、2017年12月から受付を開始したNAロードスターのレストアの実績が現在10台となったことを報告。現在11台目を作業中である旨も併せて説明があった。

以前、編集部が取材したNAレストア7号車 ※画像提供:マツダ広報部

また、復刻パーツの種類については310部品ほどで、ガラスガイドローラー、タイヤ、ブレーキキャリパーピストン、ラベルセット、幌、フロアマットなどが売れ筋だという。この中にはサプライヤーの支援を経て復刻した部品も多くあるとのことで、協力したサプライヤーに山本氏が強く感謝を伝えられていたのが印象的だった。

山本氏はマツダにおけるNAロードスターレストアの志として

・NAに乗り続けるお客様との強い絆の構築

・NAを名車として位置づけ、車文化への貢献、ブランド構築の一環とする

・オリジナル部品でマツダならではの信頼性の高いレストアサービスの提供

・市場のショップとの良好な関係構築

を挙げ、今後も引き続きマツダを愛するお客様へCLASSIC MAZDAの取り組みを進めていくことを明言された。

これに対して、雨宮氏も「外装は正直自分でも出来てしまうが、やはりエンジン関係は部品が滞る。純正部品を使うしかない部分もあり、そこは苦しい。時間が掛かるとお客様に迷惑が掛かってしまうので、早めに復刻パーツは出して頂きたいです」と山本氏にお願いする場面も。

鈑金事業者でもある駒場氏は「郷田鈑金は下請けから仕事を始めましたが、紆余曲折があり、現在は損害保険会社の指定工場をやめ、レストアに本格的に取り組む意味で、TUVのクラシックカーガレージ認証を取得し、舵を切りました」と話し、国内では、自動車メーカーの「マツダ」、輸入車ディーラー・ヤナセのグループ会社「ヤナセオートシステムズ」に次いで3番目、民間の整備工場としては初の取得となったクラシックカーガレージ認証について言及。昨年2021年に1回目の更新を終え、歴代RX-7全車種の追加認証とマツダのクラシックカーガレージ認証の外部パートナーとして名前が入ることとなったことも報告。現在はレストアの設備投資の一環として、ミストブラストの導入や樹脂パーツの修理(ポリバンス窒素プラスチック溶接システムの導入)などさらなる技術のアップデートに力を入れていく旨が示された。

旧車に安心して乗るためには…?

乗用車の平均車齢は伸び続け、現在は約9年と言われている。そんな中、愛着のあるクルマに長く安心して乗るためには、どんなことが必要なのだろうか。セミナー終盤に投げかけられた問いに対して、しっかりした技術、パーツの供給体制、旧車の車両保険、税金面での改善の4点が3人ともほぼ一致した考えとして示された。

山本氏は「日本は長く大切に乗り続けている古い車に対して、保険や税金などを含め厳しい制度になっています。例えば、イギリスでは20年経ったクルマは税金がゼロ。良いものは残していこうという風潮があります。日本でも、もう少しこのような考えが広まってほしいですね」と訴え、雨宮氏も「大切に乗るから走行距離も比較的短い。長く乗りたいから保険には入りたいというニーズ多い」と同調。

山本氏は続けて、CLASSIC MAZDAの今後の方向性についても触れ「NA8のお客様との約束にも応え、パーツ情報サービスを充実させ、復刻パーツのリクエストに応える…。やりたいことはたくさんあります」と言及。

駒場氏も同じく「レストアの情報交換とレストア車両の地位と価値の向上、レストア車両への車両保険は勉強したい。あとはレストア車両の維持がポイントになる。部品がないのでメーカーさんに頑張って欲しいです」とレストア市場の盛り上がりに期待のコメントを寄せ、セミナーを締めくくった。

自動車メーカー、鈑金事業者、チューニングパーツメーカーそれぞれの視点で語られたレストア。市場の盛り上がりと共に日本にも愛車を大切にする文化、風土がより広がっていくことを願いたい。

《カーケアプラス編集部@松岡大輔》

関連ニュース

特集

page top