エンジンスワップは、旧車において珍しいモディファイではなくなっているが、それでもベースに選ばれるマシンやエンジンの組み合せは、ある程度パターン化されているものだ。ところがノスタルジック2デイズの会場内に展示された2台の『510ブルーバード』は、ちょっと異色の存在だった。作ったのは神奈川県は平塚のS&Aオートクリエイト。「最初この510のオーナーは『SR』を載せたいと言ったんですが、それでは平凡過ぎて面白くない。どうせなら、どこもやっていないことをやろうということになりました」と同店代表の中戸川悟史さん。そこで白羽の矢が立ったのが「K24A」だったという訳だ。これはホンダ『オデッセイ』のパワーユニットで2.4リットルの直列4気筒エンジン。このエンジンをチョイスした理由を中戸川さんは、こう語る。「1.5tオーバーのオデッセイ、それもフル乗車すれば7人乗っても加速させるエンジンなら、510ブルに載せればそのまんまでもトルク十分で速いんじゃないかと思ったんですよ」。S&Aは日産車をメインにしているショップでもなければ、ましてや510ブルの専門店でもない。幅広くオールジャンルにチューニングを施してくれる店だから、こんな自由な発想ができたのだろう。他の作業の合間に製作したので、製作期間は長いがS&Aにとってはそれほど難しい作業ではなかったようだ。エンジン自体はノーマルのままながら、太いトルクで目論見通りの走りを実現。それは加速感こそ強烈ではないが速度の乗り方が良く、510ブルを実に乗りやすく軽快に走らせるそうだ。「でも、ノーマルエンジンを載せただけで、ここまで走れちゃうと、今まで自分がしてきたエンジンチューンは何だったんだろう? って考えさせられる部分もあるんです」。何しろ、多い時には年間30基もチューニングエンジンを組んできたというから、中戸川さんは根っからのエンジンチューナー。それを制御こそフルコンのハルテックにしているものの、ミニバンのエンジンを搭載しただけで、速いマシンが出来上がってしまったのだから、ジレンマを感じるのも無理はない。もう1台の510は「S13」から「S15」に搭載されているSRを搭載しているが、こちらはノンターボ(!)でフルチューンという、真逆の方向性で仕立てられている。昔のN2マシンやフォーミュラマシン用のパーツを満載して、NAならではのシャープなレスポンスが魅力に仕上げられているのだ。
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