高すぎる日本の「自動車税」は、愛車に乗り続けたいカーオーナーの大きな負担 | CAR CARE PLUS

高すぎる日本の「自動車税」は、愛車に乗り続けたいカーオーナーの大きな負担

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高すぎる日本の「自動車税」は、愛車に乗り続けたいカーオーナーの大きな負担
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クルマには、取得・保有・使用の段階でさまざまな税が課せられている。

クルマを購入した段階で「消費税」のほか「自動車税(環境性能割)」が課せられ、さらに購入後には「自動車重量税」と「自動車税(軽自動車は軽自動車税)」が課税されており、日本における車体課税の負担は、アメリカに比べると約30倍! と極めて過重なものとなっている(自動車税制改革フォーラム調べよりJAFがグラフ作成※2020年9月公開)。欧米では、日本のようにクルマに自動車重量税などの税金を課している国は無いのが現状だ。




◆地方での負担が大きくなる現実

特に公共交通機関の整備が十分でない地方では、クルマは生活の足として必需品である。一世帯で複数台のクルマを持たざるを得ない状況の地方においては、クルマに係る税金が大都市圏と比べて大きな負担となっている。

趣味であれば増税に対してある程度は寛容になれるが、経済的理由で維持しなければならないのであれば、状況はより深刻だろう。





◆「環境性能割」とは?

2019年10月1日以後、自動車取得税は廃止。一方で、保有税である「自動車税」と「軽自動車税」に新たに「環境性能割」の課税制度が追加された。これは、クルマの取得時に自動車取得税の場合と同じく取得価額(車両価格)を基準として課税されることから、自動車取得税の「単なる付け替えである」との意見も多い。






◆廃止されない「自動車重量税」の謎

自動車重量税は1971年に、当時、国の道路整備計画の財源不足を補うために創設された税であり、道路がよくなれば自動車の使用者はその便益を受けるとして、その負担を課したことが始まりだった。

しかし、その後かつてのような国の道路整備5箇年計画は策定されなくなり、道路整備の事業は、国、地方ともに縮減され道路整備に振り向ける予算が削減されてきたにもかかわらず、自動車重量税はそのまま維持された。さらにその税収入が2009年に使途の限定されない一般財源となったため、現在ではその課税根拠を失い、「自動車重量税は廃止すべき」という意見もある。



◆愛車を永く大切に乗れない世の中に

自動車の税金には、国の財政が厳しいという理由から本来の税率(本則税率)を上回る税率が「特例税率」として上乗せされたまま維持されているのを知っているだろうか?。



電気自動車をはじめとしたエコカー減税対象車等の一定の燃費性能の基準を満たすものは、原則として新規登録時に限り「当分の間の税率」の上乗せはなく「本来の税率」のみが適用され、さらにその燃費性能により25%から100%の減税となる。



対して、新車新規登録から13年(ディーゼル車は11年)を経過したクルマに対しては、自動車重量税と自動車税・軽自動車税に対して重い税率が課されている。

地球環境を保護する観点から、排出ガスが抑制され、燃費性能の優れた環境にかかる負荷の小さいクルマが優遇され、環境負荷を掛けている古いクルマが苦しむという構図になっている。




◆愛車を大切にする事の意味

走行距離や燃費性能等を考慮することなく単に「車齢」だけで一律に重課が行われている現状では、ますます「愛車に永く大切に乗ること」が難しくなってしまう。本来クルマを大切にしているユーザーこそが優遇されるべきなのだが...。

先人たちが築き上げた文化遺産的なクルマ達も、もはや絶滅危惧種寸前。「末永く大切に愛車に乗る」ことは、果たして本当に「悪」なのだろうか?




◆自動車税の改正に向けた新しい波

JAFの自動車税制に関するアンケート調査(2020年9月)によると、98%のドライバーがクルマに関わる税金を負担と解答しており、自動車税に対する抜本的な改正が求められている時期になったのだろう。

その過重で複雑な自動車税制について広く訴求させるため、さらにJAFではプロモーション動画を公開し、自動車税の改正に向けた活動を展開している。



若者のクルマ離れ・コモディティ化が叫ばれているが、このままでは日本の重たい税金によって、近い将来「古き良き魅力的なクルマ」が本当に無くなってしまうかもしれない。
《カーケアプラス編集部》

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