日本自動車会議所は6月15日、第88回定時総会の報告と2022年度の事業方針についての説明会を開催した。3年ぶりでリアル開催となった総会では、直接顔を見ながら、いろいろな意見交換ができたそうだ。
現在、自動車業界は100年に一度といわれる大変革の中、さまざまな試練が続いている。例えば、半導体などの部品調達の不足、資材・エネルギー価格の高騰、カーボンニュートラルやSDGsの実現等々。さらに、新車販売は昨年の7月以降、11カ月連続して前年を下回っている。
そうした状況を踏まえ、内山田竹志会長は「今こそ、550万人自動車業界の結束が求められているときであり、当会議所は自動車関係の総合団体として、その役割を果たすべく、業界の連携促進と発展・向上に尽力していく」と挨拶したという。
特に、2022年度は車体課税の抜本見直しが本格的に議論されるタイミングなので、活動を前倒しして展開していくことを含め、最大の重点項目として取り組んでいく方針だ。
「カーボンニュートラルを実現する成長戦略が不可欠な中、わが国自動車産業の生産と雇用を守るためには、エネルギー政策を経済成長につなげるグリーンエネルギー戦略の推進が重要で、自動車関係諸税もこうした国家戦略と一体となった骨太の議論の中で、抜本的な見直しを検討すべきであると考えている」と山岡正博専務理事は話し、受益と負担の関係も考慮に入れて大局的な視点から腰の据わった議論をしていくという。
すでに自民党自動車議員連盟などを巻き込んでカーボンニュートラルの勉強会を開催。また、税制改革フォーラムなどとともに、SNSも活用し、自動車ユーザーの負担感・不公平感にもフォーカスし、世論を味方につける世論喚起を図っている。特に今はガソリンが高騰していることもあって、ユーザーの自動車税に対する関心も高くなっているそうだ。
また、昨年に創立75周年の記念事業として行った「クルマ・社会・パートナーシップ大賞」を今後も継続して毎年実施することも決まった。同賞は550万人の自動車関連就業者や自動車ユーザーなど、自動車に関わるすべての人々の地道な活動や貢献に対して感謝を表す賞で、第1回目は茨城県境町の「自動運転バスの社会実装に向けた諸活動」が大賞を受賞した。2回目の22年度は9月に公募を開始し、11~12月の選考を経て、23年2月に表彰される。