中国・北京で開催され、自動車アフターマーケット関連の展示会として定着している中国国際自動車サービス用品設備展示会(以下:CIAACE)が2月21日(金)に開幕した。今回から中国国際展覧中心の新館に会場を移し、約20万平米の規模で、4日間開催される。
中国の自動車アフターマーケット関連展示会では、アウトメカニカ上海が知られているが、CIAACEは自動車メーカーやサプライヤーなどを対象にした展示を含まないため、純粋に自動車アフターマーケットに特化した中国国内の展示会として見応えがある。
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リアルな中国の自動車アフターマーケットを知る貴重な展示会
CIAACEで特徴的なのは、出展者も来場者も圧倒的に中国国内の企業や事業者が多いことだ。中国の展示会なので当たり前と思われるかもしれないが、同展示会を主催する北京雅森国際展覧有限公司(代表:謝宇)は、自動車部品用品の市場を運営していた経験があるほど自動車アフターマーケットに特化した事業展開をし、代表の謝氏は中国国内の自動車アフターマーケット関連団体の要職にも就いていることから、中国国内の自動車アフターマーケットにおけるネットワークが強い。
さらに展示会が開催されている北京は、中国の首都として行政に関わる富裕層も多いことから、自動車関連サービスも普及が早く、中国における自動車アフターマーケットの発信源としても機能している。このような背景からリアルな中国の自動車アフターマーケット事情を知る上で、CIAACEは貴重な場となっている。
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新エネルギー車の影響が顕在化
中国が国を挙げて進めている新エネルギー車の普及は、自動車アフターマーケットにも影響を及ぼしている。CIAACEでもナビやオーディオなどの後付け電子用品が影を潜め、洗車関連の設備・資材が大幅に増えていた。パワートレインの電動化が進んでも、綺麗に保つためのサービスへの需要は大きく、特に省力化の観点から様々なオートメーション機能を備えた洗車機が多く出展されていた。黄砂の影響もあることから、自動車が汚れやすい地域柄、洗車へのニーズは高いことが背景にあると推察される。
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また近年、市場が拡大しているのがボディフィルムであり、関連する出展企業だけで3万平米くらいの展示面積があった。日本でも知名度のあるブランドから、聞いたことが無いブランドまで挙げれば枚挙に暇がないほどの企業が出展していた。中でも日本にリリースされていないフィルムとしてデュポンのブースが目を引いた。
デュポンのフィルムは6年、8年、10年といった耐候性によってランクが分けられていることが特長で、ボディフィルムである「DuPont Paint Protection Film」のラインアップを始め、ウインドウフィルムなどを大きなブースで展開し、注目を集めていた。
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EVのリペア・メンテナンス・カスタマイズも活況
EVが普及している中国では、EVの整備や修理に関わるトレーニング事業を展開する企業も出展していた。天津に本社を構えるTAINJIN JUHONDA GROUPは広いブースを構えて、EVの整備や修理に関わるトレーニングを始め、電装部品の修理など様々なプログラムを紹介していた。
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またパワートレインの電動化を始め、自動車の電子装置の増加に伴い、カスタマイズの領域も変化している。EVメーカーであるシャオミのSU7を、レース仕様にカスタマイズしたデモカーを展示したEV向けのカスタマイズパーツの展示も注目を集めており、様々な展示でEV時代の新しいカスタマイズの潮流を感じることが出来た。
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一方で、日中は普通のウインドウフィルムであるものの、夜になると光彩を放つウインドウフィルムを始め、内装に関わるカスタマイズも多く展示されていた。特にミシュランのブースでは、タイヤの展示が無く、EV充電器や内装のマットなどの展示が行われていたのが驚きだった。
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会場を歩いても、日本からの来場者に会うことは少なかったが、パワートレインの電動化が進む中で、CIAACEは今後の自動車アフターマーケットのトレンドを知る重要な場であると再認識できた、ぜひ業界関係者には注目してもらいたい。