“カスタムカーのイベント”というと、かつては男臭さとは切っても切り離せないイメージだったが、それも今は昔。昭和らしさ、男臭さが漂う尖ったイベントの傍らで、形を変えつつあるイベントもある。栃木県宇都宮市で2月22日に開催された「トレジャーマーケット」は、今年4年ぶりに復活。以前の屋外開催だった頃と比べて規模こそ縮小したものの、屋外の展示車両はもちろん屋内に軒を連ねた各社出展ブースも彩りに溢れ、老若男女を魅了する新たなカスタムカーイベントの姿に生まれ変わった。◆ゴリゴリのカスタムカーからライフスタイルまでカスタムカーイベントだけあって、やはりイベントで最も注目を浴びたのは、栃木県を中心に集まった多彩なスタイルのカスタムカーたち。国産車、アメ車、欧州車、旧車、スポーツカーと幅広いモデルをベースに、サーキットからストリート、VIP、ピックアップ、ローライダーなど、様々なスタイルで仕上がった車両約100台が集結した。いずれも綺麗に仕上げられたカスタムカーの中から、カスタムカーコンテストでは以下の3台が選出された。・来場者投票「トレジャー賞」:ジープ『ラングラー』・キャンペーンガール選出「ガール部賞」:キャデラック『ブロアム』・総合審査賞「グランプリ賞」:トヨタ『クラウン』車両と合わせて飾られたアメコミマスコット含め、ド派手さで目を奪うラングラーもあれば、アメ車をベースに巧みに日本カルチャーを落とし込んだブロアム、そして半世紀前の個体をディテールに至るまで綺麗に仕上げた1969年式クラウンと、三者三様のスタイルが表彰された。◆洗車にはこだわりの逸品を ライフスタイルブースも見所さらに、こうしたカスタムカーに彩りを添えたのが、ライフスタイルを飾る様々な出展ブースだ。会場と同じ宇都宮市に店舗を構え、その高い品質と設備で業界内でも有名なコーティング専門店「アペックス」は、ボディ、内装からスマホに至るまで幅広いコーティングサービスを紹介。落書きできる車両とともに一般ユーザーがなかなか触れる機会のないポリッシャー体験も実演し、愛車を大切にしたい多くのユーザーを引き寄せた。またこの日は、プロも各々にこだわりをみせる「洗車用スポンジ」の新作も披露。独特の切れ込みが入った形状が特徴で、「一度絶版となり、元の生産事業者も途絶えてしまった製品だが、この形状や弾性、吸水性が忘れられず、製造技術を辿って再現した」(郡司代表)という程のこだわりが詰まった逸品だ。会場には、こうしたクルマに直接関連したアイテムをはじめ、アウトドアやガレージライフ、懐かしのミニ四駆など、見るだけで心くすぐる“トレジャー”が所狭しと並び、大人も子供も楽しめる空間が演出されていた。◆車両だけではなく参画事業者もボーダーレスにまた今回、カスタムカーイベントとして珍しい光景だったのが、嗜好性が高い輸入車はもちろん、国産車ディーラーまで一堂に会した点だ。輸入車系では、ポルシェ『911』『マカン』や、アルファロメオ 『ジュリア』などのスポーティなモデルから、アウディ『Q2』『Q8』やフォルクスワーゲン『Tクロス』といったアウトドアシーンも似合うSUVまで、幅広い最新モデルが陳列。その傍らでは、トヨペットがメーカーオプションを纏った『シエンタ』『ハイエース』を、ネッツトヨタが登場したばかりの新型『ヤリス』を並べ、ディテールにまでこだわった国産新型モデルの魅力を存分にPRしていた。主催者のケアーズ手塚代表取締役は、「かつてはカスタム一辺倒で、出展者も地域のチューニング系ショップが中心だったが、それが一変したのが今回。『カスタム』というとディーラーは最も縁遠い存在のように思われるが、近年ではユーザーもディーラー側も変わりつつあるようで、新たな世代に“クルマを好きになってもらう”ためには既存の垣根にこだわっている場合ではない、という想いが今回のイベント実現に繋がった」と振り返る。近年では、世界最大級のカスタムカーの祭典「東京オートサロン」でもメーカー出展が増えているように、カスタムカーのジャンルやスタイルだけでなく、参画する事業者もボーダーレスになりつつある昨今。トレジャーマーケットがそうであるように、かつては“クルマ好き”のためだけに開催されていたイベントも、クルマ好きでなくても楽しめるように進化しているようだ。
スバル「レガシィ」36年の歴史に幕、アウトバックが2025年3月末で国内販売終了[新聞ウォッチ] 2024.10.25 Fri 10:46 これも時代の流れかもしれないといえば、それまでのことだが、3…
タスカン、ロータス・エスプリ、まさかのフォードGT40まで! クルマ好きが所有する名車たち80台…飯田丘フェス・南信州名車倶楽部 2024.11.8 Fri 20:08 長野県飯田市の恒例イベント『飯田丘のまちフェスティバル』が1…