洗車用「純水器」はますます需要拡大、プロ向けの高圧洗浄機一体型が新登場…AA九州2025 | CAR CARE PLUS

洗車用「純水器」はますます需要拡大、プロ向けの高圧洗浄機一体型が新登場…AA九州2025

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純水高圧洗浄機「MWG-ZERO」(株式会社マツキ)
  • 純水高圧洗浄機「MWG-ZERO」(株式会社マツキ)
  • 洗車用「純水器」はますます需要拡大、プロ向けの高圧洗浄機一体型が新登場…AA九州2025
  • イオン交換樹脂式純水器「ピュアニッシュ プロ JU-03」(株式会社グリーンライフ)
  • イオン交換樹脂式純水器「プロ ピュア ウォーター」5Lタイプ(株式会社カービューティープロ)
  • イオン交換樹脂式純水器「ハイドロクリーンプロ」(株式会社アザレア)
  • 純水高圧洗浄機 「PLW-1」(安全自動車株式会社)

洗車用の「純水」活用は、作業効率化や品質向上、付加価値として、自動車アフターマーケット業界で注目を集めている。2025年10月4日・5日に福岡市博多区で開催された自動車アフターマーケット事業者向けのビジネス展示会『オートアフターマーケット九州 2025(AA九州2025)』では、従来型の純水器(イオン交換樹脂式)に加え、純水器と高圧洗浄機を一体型にした可搬タイプの新商材が披露され、関心を寄せる来場者たちの姿を多く目にした。

純水洗車のメリット

通常、洗車で使用される「水道水」には、消毒用塩素の残留物や、ナトリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル分やカルキなどが溶け込んでいる。これら不純物が含まれた水道水で洗車すると乾いた時に水ジミ(ウォータースポット)が現れ、放置すると “ウロコ汚れ” となりフロントガラスの視界不良やボディの美観を損なう。

水道水に含まれる不純物を、ろ過装置やフィルターなどで取り除いた水が「純水」であり、純水からさらに不純物を限りなくゼロにした水は「超純水」と呼ばれる。不純物が含まれる量の比較例として、50メートルプールの水量で例えると、水道水はドラム缶数本分、純水はコップ1杯分、超純水は耳かき1さじ分の不純物が含まれているという。

洗車時に純水や超純水を使うと、カーシャンプーの泡立ちが良くなり、自然乾燥しても水ジミ(ウォータースポット)が残らないため拭き上げ時間が短縮される。また水道水に比べて溶かす力が強いため、軽い力でも汚れが落ちやすくなる点もメリットだ。

従来型の純水器も多数あり

AA九州2025では、ボンベや筒形の本体にイオン交換樹脂を投入して純水を生成する従来型の純水器を3種類見つけた。純水器本体とイオン交換樹脂、TDSメーター(水質測定器)などがセットになっており、本体定価は2~4万円ほど。本体購入後、継続利用に必要となるイオン交換樹脂の売り上げが伸びているようだ。整備工場やガソリンスタンドなどで導入が増えているようで、2024年から2025年にかけて300台の販売実績があると話す出展者もいた。またカーディテイリングショップでは顧客向けに家庭用純水器を販売する動きも出てきている。

イオン交換樹脂式純水器「ピュアニッシュ プロ JU-03」(株式会社グリーンライフ)
イオン交換樹脂式純水器「プロ ピュア ウォーター」5Lタイプ(株式会社カービューティープロ)
イオン交換樹脂式純水器「ハイドロクリーンプロ」(株式会社アザレア)

純水器と高圧洗浄機の一体型が登場

AA九州2025で目新しかったのは、純水器と高圧洗浄機を一体型にした可搬タイプ。2025年6月に登場した新製品で、イオン交換樹脂式で高圧洗浄ガンや洗浄ノズルが付属。車輪付きのため女性でも移動がラクで、AC100V/1.4Kwの電源で使用できるほか、電源コードは約2.5メートルで給水ホースは約3メートルある。本体定価は20~30万円ほどだが展示会特別価格で提供されていた。出展者に反響を聞くと、純水器と高圧洗浄機の一体型はこれまでなかったためディーラーを中心に好評で売り上げを伸ばしていると話していた。

純水高圧洗浄機「MWG-ZERO」(株式会社マツキ)
純水高圧洗浄機 「PLW-1」(安全自動車株式会社)

純水の活用は、時間と労力がかかる洗車作業の効率化につながるため、人材不足が課題の自動車アフターマーケット事業者の間で導入が増え続けているのも頷ける。近年では、純水洗車を強みとする洗車場を新規オープンする事業者も増えている。洗車での汚れ落としは、ADAS搭載車のシステム誤作動予防対策にもなり、自動車の進化でますます洗車の必要性が増していると言えるだろう。本記事では純水にフォーカスしたが、AA九州2025では幅広い商材の展示や実演、今注目のテーマでセミナーも実施。九州エリアの市場動向や新規ビジネスの可能性を探れる絶好の機会とあって、多くの来場者で賑わっていた。

《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

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