エーミング機器やスキャンツールを中心に「国際オートアフターマーケットEXPO 2024(IAAE 2024)」に出展したAUTEL(オーテル・インテリジェント・テクノロジー)。注目の新製品に迫った。
◆エーミングとホイールアライメントを1台で完結する「MaxiSys ADAS IA900WA」
ブース中央に展示されたのは新製品の「MaxiSys ADAS IA900WA」。実際の車両を使って利用方法を実演した際には、多くの来場者を集めていたのが印象的だった。
このモデルが画期的なのは、従来別々の機器の利用が必要だったホイールアライメントとエーミングを1台の機器で完結できる点だ。実演でもホイールアライメントを取った後に、そのままの状態からエーミング作業を実演して作業性の良さをアピールした。
アライメントテスターとして利用する際には、左右に伸びたクロスバーの先端部にカメラが設置されており車両を捉える仕組みだ。基本操作はモニター画面を見ながら行い、機器の水平出しなども同様に実施できるシステムとなっている。しかも車両をリフトで上げた場合でも追従してクロスバーも自動で移動する仕組みで、都度設定を変える必要がないのも使いやすい。
さらにアライメントを測定したあとは、調整箇所をシステム側が指示。さらに調整についての詳細なガイダンスが表示されるのも魅力。例えば「タイロッドを○○に回してください」という細かな表示(Androidのタブレットを利用)があり、その指示の通りに作業することでアライメントを適性に正すことができる。作業員のスキルに関係なく利用できるのも特徴だ。
上述の通りアライメントの調整作業が終わると、そのままエーミング作業に移れるのも優れた点だ。ADASのキャリブレーションの作業を開始する際には、必要なターゲットなどをセットするのもガイダンスによって指示され、それに従って作業を行えば正しくエーミング作業ができる点も簡単で手軽だ。
さらに画面を見ながら作業を進めることができるシステムで、作業手順はすべてガイダンスで指示されるため使い方が簡単なのも大きな特徴。仕様書をいちいち調べる手間もなく、作業がこのシステムとガイダンスだけで完結するのも作業効率が良い。整備工場で行う作業の一連の流れを踏まえたこの機器、作業の効率化やエーミングまでの作業を請け負うことができる点でメリットも大きい新製品となった。
◆必要十分な機能が備わったスキャンツール「MaxiDAS DS900」
さらにスキャンツールの新製品も展示。すでに複数のスキャンツールをラインアップするAUTELだが、新しく登場した「MaxiDAS DS900」と呼ばれるモデルの特徴は従来モデルに比べて低価格なコスパ重視である点だ。
スキャンツールとして基本的な機能は上位モデルと同等、一般的に良く用いるOBD診断やDTC(故障コード)の消去などを手軽に行えるスキャンツールとなった。対応車種は60メーカー以上と幅広い。ただしコーディングやカスタマイズの機能は含まないことでコストを抑えたのが特徴。整備工場で手軽に使うスキャンツールを求めているユーザーにはぴったりの仕様だ。
整備の現場を考えて使いやすさや作業効率を考えた機器をリリースするAUTEL。アライメントテスター+スキャンツールという新しい機器の提案や、手軽で使い勝手の良いスキャンツールのリリースなど、プロの目線から見て実作業の中での利用を想定し、その魅力がダイレクトに伝わる展示となった。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。