好きなクルマに「補助装置を後付け」して福祉車両化、坪井自動車鈑金の取り組みとは?…ARCネットワークサービス勉強会 | CAR CARE PLUS

好きなクルマに「補助装置を後付け」して福祉車両化、坪井自動車鈑金の取り組みとは?…ARCネットワークサービス勉強会

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好きなクルマに「補助装置を後付け」して福祉車両化、坪井自動車鈑金の取り組みとは?…ARCネットワークサービス勉強会
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車椅子のまま乗り降りできる福祉車両やUDタクシーといった「バリアフリー車両」は、高齢化社会において欠かせない存在といえる。福祉車両の普及や認知度は高いが、好きなクルマに “ 補助装置を後付け ” して福祉車両に改造する選択肢があることは、意外と知られていないかもしれない。

「後付け福祉車両改造ビジネス」に着目

全国の幅広い自動車アフターマーケット事業者に向けて、事業者独自の強みを活かした地域連携や新規ビジネスにつながる情報提供などを行う「ARCネットワークサービス(ARC)」は、車の長期保有化が進む中で、高齢ドライバーや介護者が増えていく社会状況を踏まえ、ユーザーの所有車に補助装置を後付けして福祉車両化するビジネスに着目。以前から同事業に取り組む、岐阜県大垣市の坪井自動車鈑金有限会社の坪井英倖代表取締役社長に講師を依頼し、2月4日に同社にて「後付け福祉車両改造ビジネス」勉強会が開催された。

坪井自動車鈑金が、同ビジネスに取り組んだ背景やキッカケ、提供中のサービス内容や課題、今後の展望などが語られた勉強会には、ARCを利用する自動車整備・修理事業者が、北海道や新潟、富山から参加。勉強会の終盤には、後付け福祉車両のデモカー見学会もあり、講師を務めた坪井社長が各装置の動作説明を行い、参加者から様々な質問が飛び交う場となった。

“強み”を活かしてユーザーの希望を叶える

勉強会で語られた大きなポイントとして、坪井自動車鈑金が減収減益の状況で新規ビジネスを模索した際に、自社の “ 強み ” を活かした点があった。実は同社は、自動車整備・修理事業とは別に、薄板加工やエレベーター制作といった鉄工事業も行っている他に類をみない稀な事業者で、この2つの事業の特色を合わせて“ 強み ” とし、独創的な新規ビジネスを展開したい考えが、坪井社長にあったという。

そんな折、車椅子ユーザーからマイカーを福祉車両に改造したいと相談があった。聞けば、車を購入したディーラーをはじめ数社から断られ続け、心底困り果てて坪井自動車鈑金に相談したとのこと。このとき同社では補助装置の後付け改造実績はなかったが、どうすれば車椅子ユーザーの希望を叶えられるのか、その方法を探すことに坪井社長は注力。これが「後付け福祉車両改造ビジネス」に取り組むきっかけとなり、自社の強みである自動車整備・修理事業と鉄工事業の技術を融合させながら、後付け福祉車両改造事業の開始に至ったという。

現在、坪井自動車鈑金では、ヨーロッパ社製の改造装置を輸入して福祉車両改造を行う株式会社オフィス清水の認定取扱店として、幅広い補助装置の後付け改造を行える専門知識と技術を有している。また福祉用具総合メーカーの株式会社ミクニライフ&オート(旧ニッシン自動車工業)の製品も取り扱っており、国産車から輸入車まで幅広い対応が可能だ。

坪井自動車鈑金は、国際的な第三者認証機関テュフラインランドジャパンが自動車修理事業者を対象に設ける厳しい監査をクリアし、岐阜県で初めてプラチナ認証も取得。さらにBMW Japanの独自基準監査も受けたBMW認定鈑金塗装工場でもあり、国産・輸入車を問わず車検から車両販売、ロードサービス、自動車保険に至るまで幅広く展開。近年普及が進むASV(先進安全自動車)の修理や整備にも対応すべく特定整備認証も取得し、設備や技術、専門知識が豊富なため安心感がある。

デモカーにて様々な補助装置を見学

勉強会の終盤に行われたデモカー見学会では、様々な補助装置が後付けされた5台の車両が用意されていた。手動サイドサポートシート、電動補助ステップ、手動運転装置、回転シート、車椅子電動吊り上げリフト、後付けスライドドア改造、車椅子電動昇降リフトといった各種補助装置についてその場で坪井社長が操作しながら詳しい説明が行われた。

また勉強会では、後付けの補助装置によっては地方公共団体(地方自治体)の補助金・助成金対象として申請可能なケースがあることも話題にあがった。地域によって助成内容が異なり、さまざまな条件があるため、詳細は各市町村の福祉課に問い合わせが必須とのこと。福祉車両関連ビジネスを行う自動車アフターマーケット事業者は、福祉介護施設とのつながりが多い傾向があるようだが、リハビリテーションを行う作業療法士などに、ユーザーのマイカーに補助装置を後付けして福祉車両化する選択肢があることを伝えることで認知拡大に繋がる可能性があるのではないだろうか。

「ARCネットワークサービス」とは

今回、勉強会を実施した「ARCネットワークサービス」は日本各地540拠点(2022年2月時点)におよぶ、幅広い自動車アフターマーケット事業者が有料登録制で利用。全国のオートバックスグループをはじめ、ガソリンスタンド事業を行う宇佐美グループや自動車整備・修理事業者のほか、地域部品商に至るまで多岐にわたる業態の事業者が利用している。今回のような勉強会は基本的にARC利用事業者が対象だが、利用者以外の参加(有料)も受け付けている。定期的に開催している研修として、自動ブレーキなどが搭載されたASV(先進安全自動車)の電子制御装置に関わる整備・修理作業の必要性などを、自動車ユーザーに正しく説明することを目的とした「特定整備入庫対応研修(ARCオリジナルテキストあり)」がある。同研修は既に300名におよぶ事業者が受講しており、ARC利用者専用サイトでは、過去の研修会レポート動画などの閲覧も可能。今後も継続的に各種研修会や情報提供が行われる予定とのこと。

《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

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