IAAE 2018、EXEDYブースの注目は、この夏発売予定の静粛性にすぐれたカーボンクラッチと、販売未定の低踏力クラッチだろう。クラッチは、通常であれば5万km、10万kmといった単位での交換が目安(車種、グレードによる)とされている部品で。頻繁に交換しない。が、競技利用やサーキット走行をするとなると話は変わる。クラッチを酷使することにもなり、通常走行では問題にならない摩耗もタイムロスやパワーロスにつながる。そこで、クラッチの圧着力を強化したクラッチ、カーボン製クラッチディスク、さらにデュアル化といったアフター製品が登場する。ただし、強化クラッチは伝達ロスを抑えるため高い圧力でクラッチ板をつなぐため、半クラッチや接続時の摩耗はノーマルより激しい。強化クラッチの交換寿命は短い。EXEDYはチューニング用のクラッチ製品で定評があるメーカー。IAAEでもチューニングパーツの展示がメインとなっている。そのひとつが86用のカーボン製クラッチだが、特徴はクラッチをつなぐときのショックをやわらげるスプリングが工夫され、振動や音が静かになるというもの。カーボン製クラッチや強化クラッチは、通常軽さや伝達効率を優先させるため、クラッチをつなぐときの大きな力に耐える太いスプリングが利用される。しかし、これだと細かい振動や音が抑えられない。通常のクルマや高級車はスプリングが二重になっていたり、細いスプリングを混在させたりしている。展示されていた製品は、カーボンに強化クラッチらしい太いスプリングも持っているが、内側に細いスプリングが内蔵されている。さらに細いスプリングも細かい振動を吸収するために追加されている。カーボンクラッチに変えたいが、騒音や振動は避けたいというニーズに対応する。製品の発売日時は未定だが夏には販売開始となる予定だ。もうひとつは、カーボンクラッチやメタルとの複合素材の強化クラッチにありがちな高い踏力への対策だ。もちろん、踏力が高いほど(クラッチを切るのが大変)、クラッチ版の圧着力は強いことになるが、競技用のクラッチで街中の走行、渋滞走行はかなりきついのも確かだ。EXEDYでは、市場のニーズなどを確かめたいとし、今回は参考出品とする。そのため、どの程度低踏力なのか、素材はメタルかカーボンか、といったスペックも確定させていない。実験や市場調査のうえ検討していくとした。
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