ジヤトコは10月31日、CVTで使用される潤滑油(CVT油)の性能を回復させる添加剤を新たに開発した、と発表した。この添加剤は、現在使用中のCVTやハイブリッド車のCVT油に追加して使用することができる。
開発された添加剤は、湿式クラッチの締結・解放時のショックを改善する。湿式クラッチの耐久性をCVT油全交換時と同等レベルまで回復させる。繰り返し使用が可能という特徴がある。
ジヤトコのCVT油は通常ライフで保証されており、交換の必要はない。そのため、この添加剤の対象は従来CVT油の交換を希望していた顧客となる。
この添加剤の使用により、低コストかつ短時間でCVT油の性能をCVT油全交換時と同等レベルまで回復できるだけでなく、CVT油全交換時と比べて廃油量を約90%低減できる。
ジヤトコは、この技術が低炭素・循環型社会の実現に向けて有効な手段であり、持続可能な社会の実現にも貢献すると強調している。同社は1970年の創業以来、自動車用トランスミッション(CVTおよびAT)を自動車メーカーに製造・販売してきた。その実績はグローバルで約1億3000万台に上る。
今後、自動車の電動化に伴い、e-Axleなどの電動パワートレインを市場に供給する計画も明らかにしている。
この添加剤の開発は、自動車産業における環境負荷低減とコスト削減の両立を目指す取り組みの一環となる。