ソフトトップ、タイヤ、トランスミッションのギヤ始め、Vスペに標準装着だった“ナルディウッド”も! NA型初代ロードスターのレストアサービスでは、単品の購入も可能という復刻パーツおよそ150品目も用意されているという。何て愛されているクルマだろう、と思う。先日も某国産ミニバンに乗る、とある家族思いのパパさんと話をしていたら「本当は運転が楽しめるクルマに乗りたいけれど、今はそういう国産車がほとんどない」とポツリ。だから『ロードスター』は貴重な存在ですよね…の結論に至った。試乗車はND型最新『ロードスター』に、先代に続き設定されたリトラクタブルハードトップ付きのRF。個体は昨年末の商品改良で設定された新色の「エターナルブルーマイカ」を纏っていた。ブルー系はこれまでもやや冷めたブルー(ブルーリフレックスマイカ)があったが、今回の新色は、静かなブルーだが光の加減で深みのある色が映える…そんな表情の変化が楽しめる、大人の味わいがある色だと感じた。一方で走りだが、ソフトトップが足回り、ステアリングに手が入れられたというのに対し、RFはそうしたアナウンスはない。なので登場時とは単純に試乗車の個体の違い…だが、改めて乗ると、登場時以来の、このクルマの大人びたスポーティな走りが実感できた。“大人びた”と書いた根拠は、ワインディングのしなやかな身のこなし、高速走行時の安定性の高さ、静粛性/快適性の高さなど。1100kgに留められた車重なので、操舵に対する挙動変化が素直なのもよい。もちろん158ps/20.4kgmを発揮する2リットルエンジンは幅広い領域で柔軟でスムースなパフォーマンスを引き出して走ることができ、シフト/クラッチペダルの洗練されたタッチもあり、神経を逆撫でされることなく、常に気持ちよく走らせていられる。リトラクタブルハードトップは凝った構造にもかかわらず走行中に異音を発することは皆無だし、開閉時の作動音は小さく、閉じる直前に作動スピードが加減されるなど、折り折りの所作も上品なもの。内装の造り、仕上げも上質感がある。輸入車から戻ってきても満足できる1台かもしれない。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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