【長野県飯田市】相互車体 クラシックカーの修理に絶対の自信! | CAR CARE PLUS

【長野県飯田市】相互車体 クラシックカーの修理に絶対の自信!

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相互車体の待合室兼事務所。映画の1シーンのような光景が目の前に広がる
  • 相互車体の待合室兼事務所。映画の1シーンのような光景が目の前に広がる
  • 長野市内のカフェ外観…ではなく、これも相互車体の写真です
  • どこを見ても、おしゃれ、おしゃれ、おしゃれ!
  • いい印象を持って帰って欲しいと、こだわり抜いた待合室
  • ここでお茶を出されたら、何時間でもくつろげます
  • 口コミで評判は広がり、多くのユーザーの心強い味方となっている
  • 置物や小物にも内山社長のセンスが光る
  • 相互車体の周辺にはのどかな光景が広がる

「ネットの地図サービスに掲載されていない場所」と聞いたら、皆さんはどんな所を想像するだろう。

人里離れた秘境…そういう場所を連想するかもしれない。今回紹介する相互車体(内山嘉彦社長、長野県飯田市中村75番)は、そんな地図サービスに載らない場所に店舗を構える整備・鈑金工場だ。

そこは、周囲を畑と住宅に囲まれ、同社の内山社長も「辺境の地」と認める入り組んだ場所に建ちながら、多くのユーザーが愛車を預けたくなる “強み”が打ち出されたスゴ腕ショップだった。キーワードは「居心地」と「クラシックカー」。ぜひ、その取り組みを紹介したい。

右往左往のすえに、ようやく到着

「この辺りのはずなんだけどな…」

そんなセリフを何度、車中で吐いただろうか。確かに、カーナビには相互車体の住所である『長野県飯田市中村75』という情報が入力されている。しかし、「左に曲がってください」と言われた場所には、一見するとクルマが入れそうな道はなく、ナビを無視して直進…ということが幾度も繰り返された。

交通の便は、決して悪いわけではない。なにせ、最寄りの飯田ICから約15分の位置にあるのだから。しかし、すぐそばまで来たあたりから、右に曲がったり、左に曲がったり…。文字通り右往左往する時間が、10分ほど続いていた。

ようやく「相互車体」への道を記した立看板を発見したのだったが、指示通りに曲がった場所は、両脇に住宅が並ぶ細い道だった。「ここで…いいんだよね?」。そんな不安を胸に、小道に入る。その道を少し走ると、目の前がパッと開け、“突然”自動車整備工場が姿を現した。川端康成の『雪国』ではないが、「隘路を抜けたら、そこは相互車体だった」という表現がふさわしい。

クルマから降りた著者を「遠くまで足を運んでいただき、ありがとうございます」と迎えてくれたのが、同社の内山社長だ。柔和な笑みをたたえながら「道、迷いませんでしたか?」と、動きを見透かしていたかのような質問が投げかけられる。後で聞いて分かったことなのだが、この辺りは「ネットの地図サービスにも詳細が載っていない」場所なのだそうだ。土地勘の無い者が迷うのも無理はない。

どなたでも大歓迎! 癒やしの待合室に込められた想い

ひとしきり挨拶などを済まし、内山社長の話を聞くために待合室兼事務所に案内されたのだが、その建物を見てまず驚かされた。

まるでおしゃれなカフェのような出で立ちで、周囲の風景も加味すると、“隠れ家的”という形容詞がしっくりとくる。この建物だけを見ると、ここが自動車整備工場と思う人は居ないのではないだろうか。店内もセンスの良さを感じる小物や雑誌などが並び、何時間でも居られるような空間だ。

それも、そのはず。この待合所こそ、相互車体がこだわるポイントの一つなのだ。同社の特徴を聞いた時に、内山社長の口から真っ先に出てきたのが、工場設備や技術ではなく、この空間に込めた想いだった。

「お客様にくつろいでもらうこと、それを意識して、この待合所を作りました。整備・鈑金工場に来るお客様というのは、ポジティブな感情を持って来る人は少ない。鈑金で言うと、ここに来る人は、事故などを起こして、落ち込んでいる方がほとんどです。でも、そういう人達が帰る時に、『相互車体に来て良かった』と思ってくれるような、お店を作りたかった」

そんな気持ちを具現化したのが、この待合室なのだ。

さらに、「うちは辺境の土地にある会社。ユーザーに知ってもらうには口コミしかないですからね。うちに来て良かったと思ってくれた人が、誰か別の人に伝えてくれたら嬉しいですね」というのも、こだわるもう1つの理由だ。お世辞にも好立地とは言えない場所だが、「立地が悪くても、本当においしいレストランとかは、口コミでお客様は集まるでしょ? うちも、そうやって知ってもらえたらいい」と不利な点を意に介す様子は一切、見受けられなかった。

その気持ちは徹底されていて、「うちのお客様じゃなくてもいい。待ち合わせの場所とかで使ってもらって構わないです」という言葉も。本当に待ち合わせ場所として使われる事もあるそうで、そういう時には「お茶も出して歓迎している」そうだ。『相互車体』という名前を知ってもらうことが第一。そのために、この“誰でも歓迎”という憩いのスペースは用意されている。

クラシックカーの修理に強み!「直せないクルマは無い」

作業に関する話を聞くと、内山社長はおもむろに立ち上がり、同社の会社案内を持ってきてくれた。それを眺めていると、ある事に気がつく。それが、掲載されている写真にクラシックカーが多いということ。実はこれこそが、相互車体の“最大の強み”とも言える部分だ。

「クラシックカーを喜んで受け入れているのは特徴の一つです。これがないと、“普通のクルマ屋さん”になってしまう。この場所で普通のことをやっていても、誰も気付いてくれない。私が、昔の小さいクルマが好きというのもあるけれど、直していて勉強にもなるし、何よりも楽しいですからね」

1988年に内山社長が設立した相互車体では、12~13年前からクラシックカーの修理・整備を積極的に行っている。構造などが現行のクルマとは異なることや、部品が入手しづらいなどの理由から、今のクルマに比べ手が焼ける修理なのは間違いがない。しかし、「修理し終わった後に達成感がある」という思いを胸に、日々の入庫を待っている。

「10年以上経って、ようやく(ユーザーにも)取り組みが認知されてきました。今は入庫の20%を(クラシックカーが)占めています」と、打ち出した特色が実を結んでいることも教えてくれた。スタッフ全員で昔のクルマを直す技術が共有され、また現在入手ができない部品に関しては近くの工場で作ってもらうという徹底ぶり。「直せないクルマは無いって書いておいてください」と笑いながら語る内山社長の言葉の裏には、根拠に溢れた自信が隠れている。

この日の取材中にも、1962年に発売されたイギリス車のMG-Bが入庫されてきた。工場を見ると、エンジンルームを全開にしたヨタハチが、整備されるのを待っている。多くの愛好家達に信頼を置かれているのは、この光景を見ただけでもはっきりと分かる。

古いクルマの修理料金が、今のクルマとあまり変わらない理由とは?

引き続き話を聞くと、思わず聞き返したくなる言葉が、内山社長の口から発された。

「古いクルマの修理も、今のクルマを直す時と、あまり変わらない料金でやっています」

先ほども言ったが、昔のクルマの修理は、手間がかかるし、今のクルマの修理では必要がない知識も持っていなくてはならない。著者は思わず「手間がかかるし、その分、料金を加算してもいいんじゃないですか?」と質問したのだが、内山社長からはこんな答えが返ってきた。

「確かに時間は倍くらいかかるけれど、今クラシックカーと呼ばれるものも、元々は大衆車ですからね。昔の整備工場にはこういったクルマが溢れていた。だから大衆車として、私たちは受け入れています」

そう聞くと、不思議と納得させられてしまう。そして、その言葉に続けて「“愛車”という言葉が失われつつある時代に、クルマが好きな人が集まるお店になってくれたら嬉しい」という想いも語られた。クルマを愛する社長が、長年をかけて作り上げた自社の伝統は、そのまま会社の魅力となっている。

「古いクルマの修理でお困りの方は、ぜひ来てください。頼まれればレストアも喜んでやりますよ」

クルマに関することを頼まれたら、何でもやってしまう。それが相互車体なのだ。

メニュー表には現れない魅力が満載

もちろん最新のクルマを整備・修理するための設備が整っているのは言うまでもない。フレーム修正機は「1mmの狂いも許されないですからね」と内山社長が信頼を置くスウェーデン製のカロライナー2機を設置。塗装ブースもイタリア製で水性塗料に対応するものが使用されている。この他にも同社が「世界トップレベルの安全性を確保する」と胸を張る設備で、お客様を迎える。

また整備を行う工場の外観も、オシャレ。これは、社長が昔見たフランスの納屋の写真を、自身でデッサンし、その絵をもとに設計されたそうだ。絵を嗜む社長。この話を聞いて、至る所に散りばめられた美的感覚が納得できた。

相互車体はロードサービスや車両販売、保険の加入など、ワンストップでクルマに関わるサービスのほとんどを受けることができる。その強みも、もちろん知ってもらいたい。しかし、箇条書きができない部分に、この工場の魅力が詰まっていることを感じてもらえたら嬉しい。

クルマが好きで、「憧れだったから」と自宅に“手作り”のガレージまで作ってしまう社長が居る工場は、入庫したクルマ1台1台を心から愛してくれそうな、そんな気がしてたまらない。

頼まれたら断れない社長が居る工場が醸し出す“温かみ”

この日、取材を通じて感じた魅力が、社長をはじめとした、ここで働く人達の「人柄」だ。

どんな質問にも物腰柔らかく真摯に答えてくれた内山社長。そんな社長の人柄が伝わる話を最後に一つ紹介したい。

昔の小さいクルマが好きという社長だが、実は「今はクルマを持っていない」のだ。そして、その理由が実に内山社長らしかった。

長年、イタリアのアウトビアンキに乗っていた内山社長が、数年前に友人達とドライブに出かけた時の話だ。その参加者の一人が、中学生の娘を連れてきたのだが、その子が内山社長のクルマに乗りたいと言っている。そこで社長は、その子を助手席に乗せ、ドライブを楽しんだそうだ。

そこから時が流れること、6年。ある日、一人の女性が、内山社長のもとを訪れ、突然アウトビアンキを売って欲しいと言ってきた。実は、この女性こそ、助手席に乗せた中学生の女の子だった。話を聞くと、あのドライブの日、女の子はアウトビアンキに一目惚れ。写真を携帯電話の待ち受け画像にするなど、その後も“恋い焦がれ”続けたそうだ。そして、免許を取得して、内山社長の元を訪れたというのだ。

その話を聞いた内山社長は、「そこまで言われたら、譲ってあげたくなるよね」と、長年乗っていたお気に入りの愛車を、あっさりと手放したのだ。「この街は、クルマが無いと不便なんだけどね」という言葉も、なぜか嬉しそうに話す内山社長の笑顔が、とても印象的だった。

数時間の取材だったが、この話以外にも人柄が分かる場面や言葉が随所に見受けられた。「面白いことは何でも好き」と、地域の人達と結成した部活が20個以上あること。たくさんの人と集まるのが好きで、お店でバーベーキューパーティーを開催してしまうこと。他にもまだまだ書きたい話はあるのだが、それは実際にお店を訪れた時に感じてもらいたいため、ここではあえて割愛させていただく。

相互車体を訪れると、この辺境の地で、30年近くも多くのユーザーに愛される理由が分かるだろう。「頼まれたら何でもしてしまう」という社長の想いが溢れた工場と、その想いに裏打ちされた技術と設備、そして人柄。その全てが、ここを訪れる人々を笑顔に変えていくのだ。愛着のあるクルマの調子が良くない時には、「相互車体」という“普通とは少し違う”クルマ屋さんを思い出していただきたい。

ただし、注意点も1つ…

訪れる際には、くれぐれも迷子にならないよう、ご用心を。

なお、相互車体はクルマの修理(車体整備・鈑金塗装)のプロショップネットワーク「BSサミット事業協同組合」に加盟。同組合は、中立的な第三者認証機関として世界的に知られている「テュフ ラインランド ジャパン(TUV)」に組合員工場の監査を委託しており、相互車体は、修理に必要な設備がありコンプライアンス面でも高い水準を満たしているプロショップとして「BSサミットエクセレント工場」の認定を取得しているので、本当に安心して愛車を預けられる。

ASVの整備・修理に必要な「特定整備」認証を取得!

2021年3月、相互車体は、国土交通省北陸信越運輸局より「特定整備」認証を取得。特定整備認証は、2020年4月に施行された自動車整備に関する新しい法律の一部で規定された認証で、自動ブレーキなどを備える車両(ASV)の安全性を確保するための重要な制度であり、将来的にはこの認証を持っていなければ国の定める特定整備に関する作業を行うことが出来なくなる。

相互車体は「特定整備」認証の取得で、ますます便利になる自動車の整備、修理に関する安全を確保できる自動車プロショップであることを、証明したといえる。


<店舗情報> 相互車体 www.sougo-bp.jp
〒395-0156 長野県飯田市中村75番地
0265-25-5151
営業時間:平日8:30~17:30/日・祝日8:30~17:30
定休日 :年中無休

《カーケアプラス編集部》

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