『自動車×旅行』を通じて地域の活性化をサポ-トする団体「カーたび機構(自動車旅行推進機構)」と、東京都の創業支援施設である「Startup Hub Tokyo」は『自動車×旅行』で未来のサービスを考えるアイデアソンを9月9日に開催した。近年、様々な自動運転技術の目覚ましい進歩、SNSの広まりとともに加速する、カーシェアリングといった新しいサービスの普及によって、自動車を所有しない人でも公共交通機関のない場所へ自由に、気軽な旅ができる時代へと変化しつつある。また、観光分野でも従来のようなスポットをめぐるだけでなく、その土地の暮らしを実際に体験できたり、旅先での出会いによって、 旅行者のみならず、旅行者を迎え入れる側にもバリューがもたらされる、インタラクティンブな形へと進化しつつある。そして実際に観光し、そこから生まれた出会いや感動を誰でも気軽に情報発信できるようになってきた。こうしたことが共感を産み、さらなる旅行者の誘致に結びつくことも今では決して珍しいことではない。一方で地方の魅力に対しても、そういう中で再評価されるようになってきている。そして「大都市か地方か」という二元論の中で地方の良さ、田舎の魅力のみならず、そこに行かなければ知ることのできないこと、体験することのできないことへの興味にこそ価値が見出されてくるよになった。個人がいろんな形で利用することができ、個人のペースで旅行することができるクルマはもはや移動手段ではなく、日常と非日常を結び、感動体験を得るためのメディアであると言っても過言ではないのだ。このような状況で「クルマで行ける面白い旅を体験したい! つくりたい!」「地域の魅力を伝えたい! 体験したい!」「クルマや観光で新しいビジネスを考えたい! アイデアがある!」という思いを持った人たちが集まって開催されたのがこの「カーたびアイデアソン」である。午前中にキーノートで、様々な関連事項に関する課題や、状況が紹介され、そのあとのアイデアソンでは、10チームに分かれてチームごとに熱い議論が展開されていた。そして夕方、各チームから発表されたアイデアの数々はユニークなものが多く、審査員を大いに悩ませることになる。「目的地ではなく、やりたいことで迷いながらクルマで出かけるミステリーツアー」は自動運転が実用化されれば運転できない人でも楽しめるもの。また全国に896ある消滅危惧都市に実際にクルマ出向く「リアル課題解決ゲーム」、国内だけではなくもはや世界中の憧れ「日本のアニメの聖地を痛車でめぐる聖地巡礼サービス」、日本の良さは実は外国人の方が知っている?「留学生と日本の学生が共同で運営する、クルマのある民宿で、日本人、外国人を問わず日本の魅力をアピール」など、いずれ劣らぬ興味深いプランが次々と発表された。結局「聖地巡礼サービス」がこの日の最優秀賞とオーディエンス賞に選ばれた。選考委員の講評では、「国内でもアニメ以外の聖地は多く、そういうものへの発展性や、この仕組みを使えば、世界中の様々なジャンルにおける聖地巡礼のサービスに展開できる発展性の大きさも含んでいる」と評されていた。通常アイデアソンというと、あくまでも業界活性化のためのアイデアに終始するようなことも少なくないなかで、現実味のあるものが少なくないそんなアイデアが多数発表されたアイデアソンであった。また、来るべき観光立国としてのさらなる成長を強いられようとしている日本にとって、この日出てきた案の数々は、もちろん力強いヒントを多く含んでいたが、これからさらに進行する高齢化社会における地方問題などでも、活用できるアイデアが多かったのが印象的だ。そして閉会式は「そしてこの国を、私たちで率先して走っていきましょう。」という言葉で締めくくられる。確かに、この国の魅力を知るの一番の近道は走ることなのかもしれない。もちろんこの日のアイデアを通して企業を見据えてという人も多いだろうし、どのような形で世の中に出るのかも楽しみだが、クルマを介してこの国を盛り上げていこうという、力強く前向きな気持ちになるような発表が多く発表された、そんなアイデアソンだった。
車をテーマとした映像作品を募集…日本発「第3回 国際自動車映画祭2025」開催 2024.11.24 Sun 17:00 International Auto Film Festa実行委員会は11月19日、第3回目…