本記事では、BSサミット事業協同組合・業界問題委員会を中心に収集している他社工場での粗悪修理の事例を紹介していく。
目の届かない部分における手抜き処置や、質の低い作業など、粗悪修理の行われた車両は、命の危険も伴う。今後このような不具合車両が無くなるよう、安全で適切な修理を行うことの重要性を呼びかけていきたい。
過去修理時のずさんな「下地処理」が原因で…
「自損事故を起こし、塗装が剥がれてしまった」との相談を受けた。事故後、カーオーナーは車を購入した中古車販売店に相談するも、誠意のない対応をされたため、修理工場に車を持ち込んだ。整備士が車体をチェックしたところ、過去修理での下地処理不良が判明。厚付けされたパテが事故の衝撃で割れ、塗装が剥がれてしまったものと思われる。
損傷個所が修理されていない!
カーオーナーから事故の状況を聞き、事故車から外装部品を取り外した。すると、過去の事故修理時の損傷個所が修理されていなかったことがわかった! 致命的な事故に繋がる損傷ではなかったのが不幸中の幸いだ。 (写真2-1、2-2)
バンパーで見えない骨格部位が未修理!
入庫された事故車を修理するためにバンパーを外したところ…。バンパーで見えない骨格部位が修理されていなかった! 過去に無理やり修理された形跡があり、リザーバータンクがしっかり固定されておらず、タイラップ(結束バンド)で留められていた。そのほかの部品の取り付けも仮付状態で、それらの部品が落下した場合、後続車を巻き込む大事故につながりかねない。 (写真3-1、3-2)