“塗装をせずに”ヘコミを修理するペイントレス・デントリペアとは | CAR CARE PLUS

“塗装をせずに”ヘコミを修理するペイントレス・デントリペアとは

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“塗装をせずに”ヘコミを修理するペイントレス・デントリペアとは
  • “塗装をせずに”ヘコミを修理するペイントレス・デントリペアとは
  • 今年6月、雹害にあった車両には多数のヘコミが見受けられた
  • ラインボードで確認するとヘコミが一目瞭然
  • きちんと修理をすればキレイに修復可能
  • 株式会社トラストデント 押味謙治氏
  • Vale PDR 国際ライセンス認証テストでは公平性を保つため表面不規則性測定スキャナーを用いて合否判定を行う
  • 米国に本部を置くVale Training Solution社が発行するペイントレス・デントリペアの国際基準ライセンス

突然だがデントリペアというクルマの修理方法をご存知だろうか? デントリペアとは、車にできた“キズのないヘコミ”を、従来の鈑金塗装のようにパテ付けや再塗装することなく修理する工法で、正式名称を“塗装をせずにヘコミを修理する”という意味で「ペイントレス・デントリペア」という。従来の鈑金塗装において不可欠な、パテ付け、再塗装、乾燥などの作業が不要なため、

  • 修理工程を最小限に抑えることで作業時間の短縮と低価格を実現

  • オリジナルの塗装のまま修理が可能

  • パテ付けがないので修理後にパテ痩せの心配が不要

  • 修理跡が残らないので査定減額を防げる

  • 雹害などでルーフ等に多くのヘコミができても交換を行わず修理が可能(事故歴・修復歴がつかない)

など、メリットが多数ある。

万能ではないため注意も必要

しかし一方で、塗膜にキズがある場合は残ってしまうことや、傷の場所や状態によっては修復不可な場合もあることなど、完璧な施工には一定の条件があることも事実である。また、デントリペアはその修理方法の特性上、一度失敗してしまうとやり直しが困難なため施工店(技術者)選びも重要である。

現在、デントリペア業界は資格が不要なこともあり、様々な技術レベルの施工店(技術者)が混在している。残念なことではあるが、中には“技術レベルの乏しい”施工店も存在し、前述のようにやり直しが効かないために鈑金塗装や交換せざるを得なくなったという話を聞くことも少なくない。

業界の健全な成長のために

このような状況に危機感を抱き、デントリペアに技術認証制度を広めていこうと働きかけているのが株式会社トラストデントの押味謙治氏だ。同氏は2011年に米国のVale Training社によるVale デントリペア技術者ライセンス認証試験において最上級レベル「Master Craftsman(匠レベル)」を取得、2013年からはアジア圏の同認証試験を委託されている。

同氏の考えは以下の通りだ、

「鈑金塗装にクイック鈑金があるようにデントリペアにも、“新車同様のクオリティ”で仕上げるペイントレス・デントリペアと、それを簡素化した“ヘコミが目立たない程度のクオリティ”で速く、安く仕上げるクイック・デントリペア、2つのメニューがあるべきだ。どちらが良い悪いではなく、用いる技術と掛かる手間の問題であり、当然それらが違えば仕上がりや商品価値などにも差が出る。この認知が進まない限り、しっかりと直して欲しいクルマがクイック・デントリペアを得意とする事業者に渡りクレームに繋がることは無くならず、これでは健全な業界の成長は望めない」

押味氏が運営するトラストデント・グループ施工代理店においては、試験的にペイントレス・デントリペアとクイック・デントリペアを、予算と求めるクオリティーによってメニューを分けて提案している。ユーザーから見ても、認証取得によって行える作業が分かりやすくなっており、今のところトラブルもなく好評だという。


確かに技術を要するサービスにおいては、ユーザーにとって分かりやすい指標があって然るべきだ。特に頻繁に利用する機会があるものでない自動車修理に関しては、ユーザーがその工場の善し悪しを判断できる材料がなく、広告が上手い工場が選ばれることが多い。修理を依頼するユーザーには、どこでも均一の修理ができると過信せずに、しっかりと目的に合った技術力を持った施工業者を選定する努力を惜しまないことをお勧めする。

《カーケアプラス編集部@市川直哉》

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