2025年10月24日(金)から26日(日)の三日間、クアラルンプールの国際展示場 MIECCにて、マレーシアを中心とした東南アジアの自動車部品・用品の展示会『MIAPEX25(Malaysia International Automotive & Parts EXPO)』が開催された。
マレーシアは日本と同様の右ハンドル市場のため日本車の人気が高く、展示されたカスタムカーのベース車両は圧倒的に日本車が多かった。日本では殆ど見られなくなった古いモデルをカスタムした車両が多数あり、来場者たちの注目を集めていた。また展示会場の至る所で、日本を彷彿させるようなブランド名のサインも見られた。


一方で、行政が進めるBEVの普及に呼応した展示も目を引いた。最新の整備や修理のスキルを習得できる研修機関のプレゼンテーションやバッテリー関連製品・機器のほか、3Dスキャンに関わるブースもあった。



このほか、カーディテイリング関連も出展。プロテクションフィルムやウインドウフィルムなどもあり、一定の需要があることが伺えた。


MIAPEX25と同時開催されたアジア国際商用車博覧会『AICOVE 2025(Asia International Commercial Vehicle Expo)』では、大型車が多数展示。商用車の補修部品やタイヤなどがアピールされていた。




展示会を主催したMOTONATION社のJet Ong氏によると、MIAPEXはB to B to Cをコンセプトにしており、若年層に人気のカスタムカー展示ゾーンを設けて専門ショップの出展を促すことで、自動車アフターマーケット関連部品・機器などを販売する企業の出展と、出展者のターゲット層の来場につなげる。また自動車関連の職業研修機関に出展してもらうことで、卒業生をターゲットにしているカスタム専門ショップの参加意欲を高める狙いもあるなど、主催者の工夫や戦略があるという。



このほか、動画配信による訴求も目立った。展示会場から配信される動画を視聴して専用アプリから商品を購入する一般ユーザーが多いため、出展ブース内に動画配信スペースを用意して出展製品の特徴や魅力を伝える出展者が見られた。

人口が緩やかに増加し、自動車の保有台数も堅調なマレーシアでは、パワートレインの電動化などをきっかけに市場の変容がはじまっている。日本から輸入した中古車を「リコンディション」と称して販売し、5年程度の型落ち車種が人気だという。カスタマイズ関連市場が形成されつつあるマレーシアで、自動車アフターマーケットが今後どのように変化していくのか注目される。

