積水化学は7月22日、タイのラヨン県にある合わせガラス用中間膜の生産拠点に新たな製膜ラインを増設すると発表した。
今回の生産能力増強にかかる投資額は約80億円。新製膜ラインは2026年度下期の稼動を予定している。
新製膜ラインでは、ヘッドアップディスプレイ(HUD)用くさび形中間膜を中心とした高機能製品群(N-HPP)を生産する計画。N-HPPとは、従来の高機能膜から遮音膜を除き、HUD用、遮熱、カラー/デザイン膜を総称するものを指す。
積水化学の中間膜事業部は、自動車や建築物で使用される合わせガラス用中間膜の製造・販売をグローバルに展開しており、自動車向けの中間膜市場では世界トップシェアを誇る。世界の自動車生産台数は今後、年率1~2%程度で成長し、2030年には9800万台に達すると予想されている。また、新エネルギー車(EVなど)へのシフトが加速しており、合わせガラス用中間膜の需要も拡大している。
タイ工場の生産品目は、合わせガラス用中間膜(通常膜、遮音膜、遮熱膜、カラー/デザイン膜、HUD用くさび形膜)。今回の増強により自動車700万台分/年の生産能力が増強される。
積水化学は今後も成長を続ける自動車産業と社会課題解決に貢献する高機能で高付加価値な製品の開発・提供を通じて、サステナブルな社会の実現に向けて取り組んでいく。