“RE車”が集結したブースの盛り上がりとマツダから感じたロータリーエンジン完全復活への期待…東京オートサロン2024 | CAR CARE PLUS

“RE車”が集結したブースの盛り上がりとマツダから感じたロータリーエンジン完全復活への期待…東京オートサロン2024

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“RE車”が集結したブースの盛り上がりとマツダから感じたロータリーエンジン完全復活への期待…東京オートサロン2024
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1月12日(金)から14日(日)までの3日間、千葉県の幕張メッセで開催された世界最大級のカスタムカーの祭典「東京オートサロン2024」。幕張メッセをカスタマイズされたクルマが華やかに埋め尽くす光景は圧巻であると共に、近年では多くの自動車メーカーが新車発表を行う場としてオートサロンを位置付けており、その注目度は年々上がっている。

そんなオートサロンには、今年も“日本のチューニング界の神”こと雨宮勇美氏の【RE雨宮】ブースに隣接する形で【ロータリーエキシビジョン】ブースが出展。個性的にカスタマイズされた8台のRE車が展示されていたのでご紹介したい。

出展の前提はロータリーエンジン搭載(予定含む)かどうか

【ロータリーエキシビジョン】は、世界のロータリーチューニング業界の活性化を目的に、2020年の東京オートサロンで発足。出展スペースを使い、世界に向けた発信を行っている。発起人は前述したRE雨宮の雨宮氏で、運営はトータルロータリープロデューサーの伊藤笑会が行っており、ブースとしての出展は今回で4回目となる。

ロータリーエキシビジョンブースの様子。左後方に見えるのはRE雨宮ブース

ちなみに、同ブースに出展されていたクルマは、オートサロンだけあって個性的なカスタムが施されているものばかりなのだが、カスタムに厳密な決まりは無いそう。ただし、唯一“ロータリーエンジンを搭載している(もしくは搭載予定)”という点において共通項を持っている。ブース内の出展にあたっても、基本的にはロータリーエンジンを積んでいることが前提なのだという。

RE雨宮 X-RESPONSE 8 2024
昭和の雨宮 ファミリアバンロータリー
伊藤笑会13号機 with RE雨宮
オートレスキュー伊豆 with RE雨宮 95GTレプリカ
GReddy8 Re:design by cafeAiR
Garage-I&RE雨宮ギャルズロードスター13BロータリーVer.
LOOKING 枝豆 with ガレージヤマグチ

なお、編集部ではロータリーエキシビジョン出展者の中に、一昨年はサバンナのスポーツワゴン、通称“サバゴン”を、昨年はロータリーシャンテを出展した長野県岡谷市の株式会社郷田鈑金の駒場豊社長の姿を今年も発見。

今回、駒場社長が出展していたのは昨年と同様の「ロータリーシャンテ」…に見えたのだが、昨年8月に車検を通し、ナンバープレートがしっかり取り付けられていた。またタイヤのインチ数はサーキットでの走行イベントにも対応できるよう13インチ→15インチに変更され、車高なども細かくアップデートされており、駒場社長のこだわりが随所に感じられるシャンテに進化していた点も見逃せない。

郷田鈑金ロータリーシャンテ with RE雨宮& team絆

マツダの至宝「ロータリーエンジン」完全復活へ機運高まる

ロータリーエキシビジョン出展者は皆、ロータリー愛をカスタムという形で表現しているが、ロータリーエンジンそのものは、排ガス規制への対応や燃費の悪さなどを理由に、2012年を最後に量産を終了している。ファンは復活への思いを口にするものの、製造元のマツダはこれまで具体的な言及をしてこなかった。しかし、クルマにも電動化の波が押し寄せる昨今において、ロータリーエンジンが、新たな可能性を示し、その価値が改めて注目されている。

その役割とは「発電機」である。

小型ながら馬力のあるロータリーエンジンは、その形状や機能が実は電動車と好相性という点にマツダは着目。昨年11月に発売されたPHEV「MX-30 Rotary-EV」では、ロータリーエンジンが生み出す力をクルマの動力源として用いるのではなく、発電機として駆動させることで、そこで得た電力をモーターに供給するという仕組みで、ロータリーエンジンの搭載を復活させた。愛好家が多く、マツダのアイデンティティーとも言えるロータリーエンジン復活はブランド力の向上だけでなく、環境対応におけるエンジンの可能性も示せる。逆説的に言えば“エンジンの進化でEV時代に対応”しようとしたのだ。

おむすび型のローターが回転することによって動力を生む独自の構造を持つロータリーエンジン。マツダの至宝とも言えるエンジンだ※画像出典:マツダ株式会社ニュースリリースより

その一方で同じく昨年11月に開催された「ジャパンモビリティショー2023」において大きな話題となったスポーツカーのコンセプトモデル「ICONIC SP」では、2ローターエンジンを採用したプラグインハイブリットシステム搭載を発表し、前述したような発電機を主な役割としながらも、将来的に環境に対応した動力源としてのロータリーエンジンの完全復活をイメージさせる戦略も垣間見せた。

そして…今回の東京オートサロン2024のプレスカンファレンスにおける、マツダ・毛籠社長のサプライズ発表へと繋がる。毛籠社長は、ロータリーエンジンの開発を専門とする組織を2月1日付で復活させると述べ「ICONIC SPへ大変多くの反響を頂いた。皆さんの思いと激励に背中を押され、夢を実現させるべく、開発グループを立ちあげる。技術課題は多く、ハードルが高いが、 鍛錬を積んだエンジニアが再結集する」と、マツダの至宝とも言えるロータリーエンジンの完全復活へ向け、始動したことを公の場で初めて明らかにした。

昨年の東京オートサロン2023でのロータリーエキシビジョン取材時には、電動化が進む中で、ロータリーエンジンが果たす役割がどのように進化していくのか、そのポテンシャルに期待せずにはいられないと記したが、わずか1年で大きく状況は動いた。ロータリーの灯を消さず、走る歓びを追求し続けるというマツダの強い思いとその姿勢を応援しつつ、次なる嬉しい発表を待ちたいところだ。

《カーケアプラス編集部@松岡大輔》

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