大量飛散の花粉に黄砂…“愛車が汚れる春”にプロが教える洗車の基本 | CAR CARE PLUS

大量飛散の花粉に黄砂…“愛車が汚れる春”にプロが教える洗車の基本

特集記事 コラム
大量飛散の花粉に黄砂…“愛車が汚れる春”にプロが教える洗車の基本
  • 大量飛散の花粉に黄砂…“愛車が汚れる春”にプロが教える洗車の基本
  • 大量飛散の花粉に黄砂…“愛車が汚れる春”にプロが教える洗車の基本
  • 大量飛散の花粉に黄砂…“愛車が汚れる春”にプロが教える洗車の基本
  • 大量飛散の花粉に黄砂…“愛車が汚れる春”にプロが教える洗車の基本
  • 大量飛散の花粉に黄砂…“愛車が汚れる春”にプロが教える洗車の基本

平均車齢が伸び続けている中で、愛車を綺麗に長く保つ方法は、ユーザーにとっていつの時代もニーズは高い。特に日本人は美意識が高く、例えば綺麗な愛車で新たな年を迎えたいという気持ちから、年末のガソリンスタンドや洗車場に行列ができるという光景は日本ならではと言える。

そこで今回は、愛車のお手入れの中でも比較的手軽な「洗車」にフォーカス。意外と知られていない洗車の基本や自分で出来る正しい洗車の仕方、特に今年は飛散量が多いと言われる花粉や黄砂などの対策まで、その道のプロにお話を伺った。

意外と知らない洗車のキホン

今回、洗車について教えてくれたのは株式会社アペックス郡司公生社長。栃木県宇都宮市にある株式会社アペックスは、自動車のコーティングにおいて、全国的に有名なディテイリングショップとして知られ「クルマのキレイを通して感動をお届けしたい」「クルマを心で磨き、お客さまにご満足いただく」という強い信念のもと事業を拡大。洗車で使用する水1つを取っても、半導体の洗浄などにも使われる純水を使用するなど、その徹底したクルマの磨きへのこだわりにユーザーからの支持は厚い。

栃木県宇都宮市にある株式会社アペックス
洗車のポイントについて教えてくれた郡司社長

▼快晴の日は洗車日和…ではない??

いわば“洗車のプロ“と言える郡司社長に、まずはユーザーが意外に知らないという洗車の基本について伺った。まず郡司社長が話してくれたのは洗車をする際の『天気』について。

「直射日光が当たり、気温が上がるとボディの表面温度も上がり、水を拭き取りきる前にすぐに乾いてしまうため、水シミが残りやすくなります。そのため、季節を問わず、あまりにも天気が良すぎる日は注意が必要です」と郡司社長。つまり快晴の日は“洗車日和”ではないのだ。

▼雨は汚いものではない!

また、洗車の天敵と思われがちな『雨』についても聞いてみると「雨=汚れるというイメージがありますが、雨は空気中の水分が蒸発した蒸留水なので、本来はきれいなものであり、クルマを汚す原因にはなりません。ただし、降り始めの雨は、空気中のホコリなどを振り落とし、その汚れがクルマに付くので、雨は汚いというイメージがあるのかもしれません。大雨が長く続いた際、降り始めと長時間降り続いた後の雨の場合、後者の雨は空気中の汚れを落とし切っています。そのため、雨の日に洗車をした場合、降り続いた雨であれば、拭き取らなくてもシミにはなりにくいのです」と意外な回答をしてくれた。

▼ウォッシャー液は使わない方が良い?

フロントガラスが汚れ、視界が悪い時に使うことが多いウォッシャー液については「ウォッシャー液の成分は洗剤なので、ガラス自体には問題ありませんが、ボディに飛び散ったものをそのままにすると、洗剤によるボディシミ(“洗剤クレーター”と呼ばれるそう)の原因になるので、晴れた日に走りながらのウォッシャー液の噴霧はあまりやらない方が良いでしょう」と教えてくれた。

▼洗いすぎは逆効果になることも…

愛車を綺麗にしようと、天気の良い日に頻繁に洗車をする人の方が、逆にうろこ状の水シミができていることが多かったりするという。これは洗車後の拭き取りがしっかりできていないためで、洗車は“回数”ではなく“正しいやり方”が重要と郡司社長は話す。「洗車の大原則は“拭き取り”にあります。よくセルフ洗車機で洗車をして、そのまま拭き取りをせずに、走って行くクルマを見掛けますが、自然乾燥は絶対NGです。拭き取りをしないなら、むしろ洗わない方が良いくらいです」と拭き取りの重要性についてを強く訴えて頂いた。

プロが教える正しい洗車の手順

郡司社長には今回、ユーザーが自宅のガレージや駐車場などで出来る手洗い洗車について、アペックスのスタッフの皆様の協力により、その基本の手順を下記の流れで教えて頂いた。シャンプーの作り方や洗い方の順番、そして重要な拭き取りまでの基本の流れを押さえることで、汚れはもちろん、水シミなども残らなくなるという。

また郡司社長は「カーオーナーの方は洗車をすることで、クルマが完全にキレイになったと思い、ワックスで艶を出したり、コーティング剤を塗布したりという部分に一気にジャンプしがちですが、本来は洗車後に下地を整えるという、いわば“ホップ・ステップ”の過程が重要です。そのため洗車と下地処理はセットであると言えます。一般的な下地処理の方法としては、水垢取りクリーナーの使用や粘土クリーナー(鉄粉除去)などが該当します」と美観の維持についても教えてくれた。

飛散量が例年以上の花粉と黄砂の対策

今年は花粉の飛散が多い。ウェザーニューズが発表した2023年3月末までの全国の花粉飛散量は、昨年の約2.6倍だという。なお、西日本の一部では飛散量が昨年の7倍前後に増えているエリアもあるそうだ。また本稿執筆時(2013年4月13日)は、中国大陸から黄砂が大量に飛散し、街を走るクルマの黄ばんだ汚れが一層目立っていた。

筆者のクルマのフロントガラスも花粉と黄砂がびっしり

カーオーナーにとって頭の痛いこの時期の花粉と黄砂の対策。郡司社長は「春は飛散物が多いので、早めの対策が必要です。可能であれば高圧洗浄機などを使って、一旦花粉や黄砂を洗い流し、その後でやわらかいスポンジを使って泡のシャンプーで洗うのがおススメです。シャンプーはスポンジなどとのクッションの役割にもなりまますし、花粉や黄砂は粘度がありますので、シャンプーを使うことで成分が溶解されます。また特に黄砂ですが、タオルなどで直接拭くと、ボディに傷が付いてしまうので、水で落としてからシャンプーで洗うことが鉄則です」と基本的な対策を教えてくれた。

その上で「飛散物の多い春は、なるべく早く汚れを洗い落とすことが肝心ですが、毎回が難しい場合は、少なくとも 1ヶ月に1回は水洗いの洗車をして頂きたいです。汚れは時間が経てば経つだけ落ちにくくなります。その上で今回のやり方などを実践して頂ければ、愛車を綺麗に保ちながら、快適に乗って頂けるかと思います」とカーオーナーに対してコメントを頂いた。

昨今の高度化したクルマにおいて「洗車」は、美観の維持だけで無く、最新のADAS機器を正常に動作させるためにも重要となっている。まずは自分の愛車を眺め、ガラスやボディが黄ばんでいたら、その汚れを洗い落とすことから始めてみよう。

《CAR LIFE編集部》

関連ニュース

特集

page top