下廻り塩害コート「ラスブロッカー水性」…安全性と防錆力を重視して開発 | CAR CARE PLUS

下廻り塩害コート「ラスブロッカー水性」…安全性と防錆力を重視して開発

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下廻り塩害コート「ラスブロッカー水性」…安全性と防錆力を重視して開発
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半導体不足による新車の納期遅延などを背景にクルマの長期保有化が進んでいる。平均車齢は8.84年となり、1台のクルマに長く乗り続けるユーザーが増えている今だからこそ、愛車の長期保有に有効でリセールバリューにも関わる「下廻り防錆(ぼうせい)」に着目したい。

クルマがサビる主な原因は、飛び石による小キズや酸性化した雨水、海水や潮風、糞害の放置などが一般的といえるだろう。積雪エリアにおいては、雪を溶かすために大量に散布される凍結防止剤(塩化ナトリウム)や融雪剤(塩化カルシウム)といった “ 塩 ” がサビの原因となり「クルマの塩害」として以前から問題視されている。

凍結防止剤や融雪剤が散布された道路を走行すると、車の下廻り(マフラー、サスペンションアーム、ショックアブソーバーなど)はもちろん、ドア下部、サイドシル、フェンダー、バンパーなどが塩まみれになり、そのまま放置するとサビを誘発してしまう。こういった状況があるため、塩害地域のカーオーナーは、サビ防止対策として新車購入時や車検のタイミングに、自動車ディーラーや整備工場などで「下廻り防錆」サービスを検討することになる。クルマのサビ防止対策ニーズは以前からあり、複数のメーカーが様々なタイプの車体防錆剤を開発しているが、それぞれに異なった特長を持っている。

ラスブロッカー水性

車体の下廻り塩害コート「ラスブロッカー水性」を提供している化学メーカーの横浜油脂工業株式会社 環境化学品事業部 市場開発部 企画グループ 課長の村本耕三氏から同製品の特長などについて話を聞いた。

同製品は、油性塗料が台頭していた時期に、施工スタッフの健康面や自然環境に配慮した防錆塗料を提供すべく開発され、自動車ディーラーや整備工場、ガソリンスタンド向けに2011年から提供されている。消防法非危険物で有機則(有機溶剤中毒予防規則)やPRTR法に該当しない水性タイプでありながら、優れた防錆力がある点が特長となっている。

塩水噴霧試験において、500時間以上サビが発生しない防錆力を実現。密着性もあり、下廻りに塗布することで200μm(0.20mm)以上の防錆皮膜を形成してサビの発生や進行を抑制するという。

また、施工を行うにあたり、下廻りにサビが発生している場合はワイヤーブラシなどでサビを除去。泥や凍結防止剤も十分に洗い流し、下廻りをしっかり乾燥させるのが重要とのこと。マフラーやエンジン、ドライブシャフト、ブレーキディスクなどに防錆剤が付着しないようにマスキングを施す必要がある。

製品タイプとして、缶(1kg)と一斗缶(15kg)に加え、スプレー缶(480ml)を用意。1缶で普通乗用車2、3台の施工が可能とのこと。缶をよく振って撹拌させたのちラスブロッカー専用の水性ガンを装着し、エアー圧を0.3~0.5MPaに調整したうえで下廻りの塗装面から30cmほど離して適量を塗布。スプレー缶タイプは細部の作業がしやすく、塗り残し・塗りムラの仕上げや再施工時の部分補修時に使いやすい。塗布後は、水分がかからない屋内で保管し、6~24時間ほど乾燥する必要があるという。

横浜油脂工業の村本氏は「北海道や東北など、豪雪地帯のカーオーナー様が新車購入時や車検時に施工されるケースが多いのですが、スタッドレスタイヤ交換時に下廻りの状態を目にして“冬場の備え”として、防錆塗装のニーズが高まる傾向があります」と話していた。

寒冷地におけるクルマの塩害対策は重要で、愛車の長期保有に有効でリセールバリューを下げない選択肢のひとつとして「下廻り防錆」を覚えておいて損はないだろう。

《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

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