カーオーナーが整備工場やディーラーに訪れるタイミングといえば、愛車のメンテナンスや車検、キズヘコミ修理の相談などが一般的だと思う。だがなかには、地元で暮らす人々が楽しく集える「お祭り」の開催や、「学びの場」として、様々な取り組みを行っている自動車プロショップが少しずつつ増えている。そのひとつとして、1月26日(日)に行われた催しを紹介したい。2020年9月に創業50周年を迎える「ガラージュモリ(奈良市東九条町・奥谷丈輝代表取締役)」では、4歳から10歳のお子さんとその家族を対象に『キッズマネースクール』を先着10組限定で開催した。◆学校では教えてくれない「お金」について学ぶこの催しは、子どもたちが「おみせやさんごっこ」を楽しむ中で、お金の大切さや親族(父・母・祖父・祖母など)への感謝の気持ちを感じてもらうことを目的としたもので、イベント当日は11名のキッズたちが参加。普段はお客様待合いスペースとなっている店内に、11名の子どもたちとその家族が揃う中で、声高らかに「おはようございます!」と挨拶した、森田講師(一般社団法人 日本こどもの生き抜く力育成協会)の第一声からセミナーが始まった。森田講師は、優しくわかりやすい言葉を使いながら、通貨がなかった頃の物々交換や、時代や国家によって紙幣価値(50年前と現代とでは1万円の価値が違う)やデザインが変わる(2024年に日本の紙幣が刷新)ことなどを紹介。子どもたちは、日本や海外の紙幣を興味深く眺めながら森田講師の話に耳を傾けていた。その後は「おみせやさんごっこ」のルールが伝えられ、子どもたちは自分がなりたい職業(パン屋、おもちゃ屋、花屋など)を選び、商品として販売するイラストを塗り絵で仕上げる流れとなった。◆大人向けに「資金運用のヒント」紹介塗り絵タイムの傍らで、大人向けの講義がスタート。森田講師は、子どもたちの金銭感覚を養うために「お小遣いの取り決め」や「お小遣い契約書」などを提案。さらに、年金2000万円問題について触れ、末永く家族の生活を守るための資金運用のヒントとして、個人年金をはじめ、投資信託のメリットやリスクを説明し、大人たちは、みな真剣な表情で講師の話に聞き入っている様子だった。子どもたちの商品(塗り絵)が完成すると、森田講師は、子ども店長となったキッズたちに、商品を少しでも早く売り切る工夫をして、資金を増やすことを「大切なお願い事」として伝え、運営資金となる「おもちゃのお金」を渡す。子ども店長たちが商品を陳列し終えたら、いよいよ開店。お客さん役として、子どもたちの家族とガラージュモリのスタッフたちも参加。「いらっしゃいませ!」「ありがとうございました!」と、子どもたちの元気な声が響き、あっという間に商品は完売に。その後は、子どもたち各自で売上を数え、森田講師に報告。しばらくして、子どもたち一人ひとりに森田講師から「給料袋」が手渡された。それを受け取った子どもたちは、満面の笑みで「ありがとうございます!」と感謝の想いを元気よく伝え、その表情が、実に誇らしげで凛としていた。◆クルマ屋さんならではの「自動ブレーキ」体験会など今回の催しでは、スタンプラリー形式で様々な体験(タイヤ無料点検、自動ブレーキ体験会、お金の健康診断保険簿、健康年齢測定、お口の健康測定)を楽しめた。無料の昼食(カレー&ナンのキッチンカー)や、嬉しい景品がもらえる抽選会もあり、参加者たちは今後の暮らしに役立つ、学びある有意義な時間を満喫しているようだった。ガラージュモリが行った取り組みは、『町のクルマ屋さん(自動車修理・整備工場)』が、地域の人たちの暮らしに必要な情報や楽しみを提供できる「コミュニティ・スペース」となった事例といえるのではないだろうか。過疎化が深刻化している今日だからこそ、ガラージュモリのような催しを実行する、本当に信頼できる自動車プロショップが日本各地に増えていくことを願う。▼店舗情報株式会社 ガラージュモリ〒630-8144 奈良県奈良市東九条町打田25番地TEL:0742-62-4226https://www.garam.co.jp
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