日に日に高性能になり、壊れにくくなっている自動車。それにも関わらず、増加傾向にあるのがタイヤトラブルだ。JAF(日本自動車連盟)によると、2017年度のロードサービスにおけるタイヤのパンクに関する出動件数は39万1799件で、28万6934件だった2007年と比べて約10万件、36.5%も増加している。資料出典:JAF(日本自動車連盟) ※2 バースト、エア圧不足含むパンクの大きな原因は、異物を踏みつけたり側面をこすったりといった外部損傷のほか、タイヤ自体の経年劣化・寿命、そして空気圧の低下など。その中でJAFが注視しているのが空気圧の低下だ。セルフ式ガソリンスタンドの普及などによりタイヤ点検の機会が減少したことが、パンク増加の要因の1つと見ている。同じくJAFが会員を対象に実施したアンケート(有効回答:4万6379人)によると、1ヶ月以内に空気圧の点検を行っているユーザーは回答者全体のわずか27.4%。さらに、JATMA(日本自動車タイヤ協会)が2018年に全国で実施したタイヤ点検でも、タイヤの整備不良率は前年比3.7ポイント増の23.4%となっており、そのうち空気圧不足による整備不良は同4.0ポイント増の18.6%で、項目別で1位。パンク増加の背景として、点検不良による空気圧低下は見逃せない実態のようだ。◆月に1度は給油のついでに点検をパンクに遭遇しても、JAFのロードサービスなど素早く対応してもらえるサービスもあるが、パンクしないに越したことはない。そのためには、やはりドライバー自身が意識的に日常的な点検を実施することが大切だ。点検自体は決して難しくなく、多くのガソリンスタンドで点検を受け付けているほか、セルフ式のガソリンスタンドでも空気充填機は設置してあり、ドライバー側で自由に充填機を使える店舗も少なくない。自分で空気圧チェックをする場合でも、バルブキャップを外して充填機のノズルを差し込むだけと簡単だ。タイヤの空気は、走らずとも自然に抜けていくもの。まずは自分のクルマのメーカー推奨空気圧を把握し、1ヶ月に一度、給油のついでに合わせて点検することを心がけよう。さらに、万が一に備えて積載しているスペアタイヤの点検も忘れないようにしたい。近年では、スペアタイヤの代わりに応急パンク修理キットを搭載するクルマも増えており、その修理剤には有効期限が設けられている。スペアタイヤ、修理キットいずれの場合でも、愛車の応急処置の方法を正しく把握・管理し、いざという時にも安心なカーライフを送りたい。
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