カーオーディオユニットの取り付け作業を自分で行いたいと考えるドライバーが増えている。当連載は、そういった方々に向けてDIY作業の勘どころを解説している。今回は、「スピーカー交換」の配線作業のコツを説明していく。
実は、「スピーカー交換」における配線作業の難易度は結構高い。その理由は、車種によって純正配線の仕様が結構異なっているからだ。なのでシンプルにマニュアル化しきれない部分が多々ある。状況によっては創意工夫を発揮して、臨機応変に作業を進めなければならないことも少なくないのだ。
なお、もっともやりやすいのは以下のようなケースだ。純正のドアスピーカーがフルレンジタイプ(これだけで低音から高音までの全帯域を再生するスピーカー)で、交換するスピーカーもフルレンジタイプ(コアキシャルスピーカー)の場合だ。そうであると、純正のスピーカーケーブルをほぼそのまま使える。交換するスピーカーに変換カプラーが付属されていればそれを使って純正のスピーカーケーブルを交換するスピーカーへと接続すれば、配線作業を完了できる。
また交換するスピーカーが「セパレート2ウェイ」の場合でも、純正スピーカーが「フルレンジタイプ」であれば比較的に配線作業はやりやすい。
ところで、交換するスピーカーが「セパレート2ウェイ」の場合には、そのスピーカーに必ず「パッシブクロスオーバーネットワーク(以下、パッシブ)」と呼ばれるパーツが付属している。これはつまり、音楽信号をツイーター用の高音信号とミッドウーファー用の中低音信号とに分割するためのパーツだ。
かくして、当パーツの入力端子側にはフルレンジの信号を接続する必要がある。で、純正スピーカーがフルレンジタイプなら、ドアのスピーカーのところまでフルレンジの信号が来ているわけなので、「パッシブ」はドア内部に設定すれば良い。ドア内部にてフルレンジの信号を「パッシブ」にて受け、そこからミッドウーファーとツイーターのそれぞれへとケーブルを配線すれば配線が終了了する。
ただし、「パッシブ」からツイーターまでは新規にケーブルを引き直すこととなる。そもそも純正スピーカーではツイーターが存在していなかったわけだから、ツイーターを鳴らすための純正配線は存在していない。なので市販のスピーカーケーブルを購入し、ドア内部の「パッシブ」からダッシュボードの上に取り付けるツイーターのところまでスピーカーケーブルを通線する作業が必要となる。
今回はここまでとさせていただく。次回も「スピーカー交換」における配線作業のコツを解説していく。乞うご期待。