18日、日本ミシュランタイヤは、快適性・高速安定性を追求したコンフォートタイヤ、『プライマシー3』の後継となる、プレミアムコンフォートタイヤ『プライマシー4』を発表した。最大の特徴は、プライマシー3の基本性能を維持しつつ、摩耗時のウェット性能を向上させたことだ。プライマシー4は、国内外の自動車業界トレンド、消費者のタイヤニーズ調査のもとに開発された。その背景として、衝突被害軽減ブレーキの装着率のアップ(国内メーカーの販売全体では60%)、ハイブリッド車・電気自動車の普及(2016年現在、HV/PHV/EV/FCVの販売比率は31.3%:自工会調べ)があると、日本ミシュランタイヤ 代表取締役社長ポール・ペリニオ氏はいう。衝突被害軽減ブレーキを筆頭とするADAS技術の普及は、ユーザーの安全意識の高まりを表すものだ。自動ブレーキなどをギミックではなく、安全のため必要な装備だと考えており、新車では当たり前の装備となりつつある。また、PHVやEVの普及は、車内の静粛性を高める半面、いままでエンジン音で意識することのなかったロードノイズなど、外部からの音が気になるようにもなる。タイヤに求められる静粛性はさらに高いものとなってきている。このような傾向は、消費者アンケートなどからも確認できるという。ペリニオ氏は、ミシュラングループが行ったグローバルなアンケートでも、タイヤに求める性能に安全面の占める割合が高まり、とくに新車時、交換時、ともに消費者のニーズが高いのがウェット時のブレーキング性能やハンドリング性能だという。日本は、ゲリラ豪雨のような気候条件もあり、ウェット時のブレーキ性能は重要だろう。プライマシー4は、これらのニーズに基づいて、新車時から交換直前(摩耗時)まで、安定したウェットブレーキング性能、ハンドリング性能にこだわり開発されたという。加えて、コンフォートタイヤとしての静粛性、環境性能(PHV、EVユーザーは燃費・電費にもこだわる)、耐摩耗性(ライフ)、高速安定性、乗り心地を損なうことがないよう、すべての性能において同等かそれ以上のパフォーマンス、指標値を目指した(日本ミシュランタイヤ 乗用車・商用車タイヤ事業部 ブランド戦略マネージャー 大河内昌紀氏)。まずウェット性能だが、主溝の広さ・深さ・形状を最適化し、排水性を高めている。溝とトレッド面の比率は、数%だがプライマシー3より溝面積が拡大された。また、溝の断面を台形から矩形に近づけ、摩耗時も変わらない溝面積を維持できるようにした。残溝2ミリの状態で、従来品の溝体積から22%アップする。溝の体積が増えればそれだけ排水量も増えるため、ウェットでの性能が向上する。しかし、溝のエッジが垂直になると、一般にはブロック剛性が低くなる。ハンドリングや騒音、摩耗性に悪影響がでる。その対策として、溝の深さを少し浅くしつつ、コンパウンドの最適化を行った。エッジが立った排水性が高い溝ながらブロック剛性を落とさないという。静粛性については、トレッド面の両サイドエッジのコンパウンドと形状、そして、ブロックパターンを特定の周波数ノイズを吸収するように(見た目)ランダムに配置する。通常トレッド面の横溝のパターンは幾何学的に同じ形状を繰り返すが、プライマシー4のトレッド面の横溝は等間隔、同じカーブではない。これらの工夫により、ウェットブレーキ性能は、新品タイヤの対プライマシー3比で4.5%向上した。プライマシー3のウェット時の制動距離を100とすると、プライマシー4は95.5で停止できる。摩耗時(残溝2mm)での比較では、13.3%制動距離が短くなっている。この違いがどれくらいかというと、ヘビーウェットの舗装路でも、残溝2mmのプライマシー4は、ABSを効かせたパニックブレーキが踏めるくらいだ(テストコースの試乗実験での感想)。なお耐摩耗性については、UTQGという北米の品質表示基準で、プライマシー3と同じ300(耐摩耗性が100のタイヤに対して3倍長持ちするということ)を維持しているという。プライマシー4は、国内では7月より発売開始となる初年度に設定されるタイヤは36サイズ。16インチから19インチまでがラインナップされる。ミシュランというと輸入車向けというイメージがあるが、国内のコンパクトカーからSUV、高級セダンまで幅広くカバーしていく(ペリニオ氏)という。OEM装着ではボルボXC40での採用が決定しており、国内外で22の採用プロジェクトが進んでいる。開発中のOEMプロジェクトは90ほどだという。
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