クルマの中で音楽を楽しもうとするときの、“音楽再生機器”について研究している当短期集中特集。その連載3回目となる当回では、『ディスプレイ搭載型メインユニット』について考察していく。ここ数年、にわかに注目度が高まっているこれの、トレンドと利点とは…。■「AV一体型ナビは要らない」と考えるドライバーにとって、画期的な製品。まずは、『ディスプレイ搭載型メインユニット』とは何なのかを解説していこう。ひと言で言うならば、「AV一体型ナビ」からナビ機能を外したもの」である。中には地デジチューナーを搭載していないモデルもあり、ナビ機能以外の部分も合理化されている機種もあるが、ざっくり「ナビなしナビ」とイメージすると、分かりやすい。ところで、このタイプが世に出てきたのはここ数年。もっと前からあっても良かったようにも思えるが、意外と初登場は最近なのだ。しかし、登場するなり注目され、以後コンスタントに新機種がリリースされてきた。なお、注目された理由は、「AV一体型ナビは要らない」と考える層に対して的を射た製品だったから、である。これが出る以前は、「AV一体型ナビは要らない」と考えた時点でそのドライバーは、センタークラスターパネルからディスプレイも失うこととなっていた。となると、地デジが観られなくなりその他映像系のソースも楽しめなくなる。さらにはリアモニターも使えない。AV一体型ナビを選ばないことで、車内のエンタメ能力がワンランク低下し、ドライブサポート機能も見劣りすることとなっていたのだ。しかしながら『ディスプレイ搭載型メインユニット』が登場したことで、状況がガラリと変わった。AV一体型ナビを選ばなくてもエンタメ能力とドライブサポート機能が割引きされない、という選択肢が出現したのだ。ディスプレイが搭載されている分、『スタンダードメインユニット』よりも価格は高くなるが、予算の折り合いさえつけば、利便性を縮小させずにすむようになったのだ。■スマホを“ソースユニット”としたいドライバーにとっての頼れる“メインユニット”。続いては、『ディスプレイ搭載型メインユニット』の“ソースユニット”としてのポテンシャルについて考察していこう。利点として挙げるべき1つ目は、対応メディアが幅広いことである。一部、地デジチューナーを内蔵していないモデルもあるが、それ以外はAV一体型ナビと同等のメディア対応力を有している。映像系ソースから音楽系ソースまでを幅広く楽しめる。なお、『スタンダードメインユニット』でそうであったように、『ディスプレイ搭載型メインユニット』でも、AUX端子とUSB端子は基本的に標準装備となっている。であるので、『ディスプレイ搭載型メインユニット』を使う場合でも、スマホやDAP(デジタルオーディオプレーヤー)を“ソースユニット”として問題なく使用できる。Bluetoothレシーバーを備えたモデルも多いので、ワイヤレスでスマホの音楽を聴くことも可能だ。さらには最新のモデルでは、“Apple CarPlay”と“Android Auto”に対応した機種も登場している。スマホを“ソースユニット”として使うときの利便性が、ますます高まっているのだ。ちなみに、これらに対応したAV一体型ナビも増えつつあるが、これらに対応する意味が大きいのはむしろ『ディスプレイ搭載型メインユニット』のほうだ。これらに対応していると、スマホのナビアプリを画面に映し出し、画面上でのアプリの操作も可能となる。スマホさえあれば、『ディスプレイ搭載型メインユニット』がナビとしても使えるようになるわけだ。その上で、電話をかけたり、メッセージを送受信したり、そしてスマホの中の音楽を聴くときでも、『ディスプレイ搭載型メインユニット』の画面で操作を完了できるようになるのだ。つまり“Apple CarPlay”と“Android Auto”に対応した『ディスプレイ搭載型メインユニット』は、スマホを“ソースユニット”として活用したい人にとって、もっとも親和性の高い“カーオーディオ・メインユニット”となっているのだ。■人気を背景に高機能化が進み、高音質モデルも続々登場!また、『ディスプレイ搭載型メインユニット』は誕生して間もない新ジャンルユニットであるのだが、いざ登場すると人気を博し、さらに魅力を増すべく高機能化が進んできた。“Apple CarPlay”と“Android Auto”への対応も、その結果の1つだ。そしてその他では、より本格化が進み、システム発展性と音質性能が高まってきた。ハイエンドカーオーディオユニットと渡り合えるほどの高音質モデルはないが、『スタンダードメインユニット』の中のトップグレード機と同等、あるいはそれ以上のポテンシャルを携えたモデルも出てきている。どのような製品があるのかを、具体的に紹介してみよう。『ディスプレイ搭載型メインユニット』を積極的にリリースしているのは、カロッツェリアとケンウッドなのだが、まずはカロッツェリアから。同社のラインナップ中のトップエンドモデルでは、“Apple CarPlay”と“Android Auto”に対応し、また、高い音質調整機能やシステム発展性も装備している。さらには、高音質パーツをふんだんに採用するなどして、ハイエンドメインユニットに迫る高音質性能が実現されている。ケンウッドのトップエンドモデルもなかなかに強力だ。“Apple CarPlay”と“Android Auto”に対応していることも含め、同社のAV一体型ナビ『彩速ナビ』のトップエンドモデルとほぼ同等の機能が搭載されているのだ。ハイレゾ音源の再生にもばっちり対応している。これを“ソースユニット”として活用すれば、DAPを用いずとも、車載機だけでハイレゾ音源を再生する環境を構築できる。いかがだったろうか。『ディスプレイ搭載型メインユニット』は、“ソースユニット”としても“メインユニット”としても機能・性能が成熟してきた。AV一体型ナビは必要ない、という方は、これを『オーディオメインユニット』としてチョイスすると、車内のエンタメ力を充実させることが可能となる。要注目!
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