【自動車豆知識】覚えておきたい! 愛車の「ベルト交換」の目安 | CAR CARE PLUS

【自動車豆知識】覚えておきたい! 愛車の「ベルト交換」の目安

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【自動車豆知識】覚えておきたい! 愛車の「ベルト交換」の目安
  • 【自動車豆知識】覚えておきたい! 愛車の「ベルト交換」の目安
  • 「補機ベルト」はエンジンの力を利用してエアコンや発電機などを駆動させるためのベルト
  • 摩耗したベルトは山が細くなりとがってくる。EPDM製はクラックが入りづらい
  • ベルトメーカーでも、チラシや測定ツールを使い「正しい知識」を広げる活動を行っている
クルマ好きの読者にとって、「消耗品」というとどんな部品を想像するでしょう?オイル、タイヤ、バッテリーなどなど様々ですが、中には「ベルト」をあげる人もいるかもしれません。

◆クルマの消耗品であるベルト

クルマに関わるベルト類は、大きく「タイミングベルト」と「補機ベルト」の2つに分けられます。消耗品といって思いつくのは、おそらく後者の方になると思いますが、補機ベルトとは、エンジンが回転する力を利用して、エアコンや発電機などを駆動させるためのベルトのことを言います。ゴム素材でできているため、使用しているうちに劣化や摩耗が進むので、当然交換が必要になります。

「補機ベルト」はエンジンの力を利用してエアコンや発電機などを駆動させるためのベルト
◆最近、“ベルト交換”しましたか?

少し前だと、ベルトがキュルキュル鳴ったり、クルマを点検に出した時など、“ヒビ”が入っているからと交換をススメられたりして、何年かに一回は交換していた記憶があると思います。さて、ここで思い起こして欲しいのが「最近ベルトの交換をしましたか?」ということです。「そういえばした記憶が無い」という人、意外と多いのではないでしょうか?交換の必要がなければいいのですが、交換の必要があるのに気づいてない場合が恐ろしいのです。ここ最近、交換しなければならないほど劣化や摩耗が進んでいるのに、気付かずに乗り続けて走行中にベルトが切れてしまうということが増えているのだといいます。では何故そんなことが起こるのでしょう?実は、原因はベルトに使われるゴムの素材が変わったことにあります。

◆素材が変わって「交換目安」に変化

ここ10年ほどで、従来使われていたCRという素材から、EPDMという熱に強いゴムを使用するようになりました。このことで、「交換の目安」に変化が起きたのです。ご存じの方も多いと思いますが、見た目にヒビが入っている(クラック)ことを頼りに交換するというのが、ベルト交換の常道だったのですが、素材の変化によって、ほとんどクラックが発生しなくなったのです。つまり、今までのような目視の点検、“見た目”だけでは寿命を察知できにくくなったわけです。そのためベルトが摩耗してすり減っていても気づかずに乗り続けてしまい、ベルトが切れるというトラブルが起こるのです。

摩耗したベルトは山が細くなりとがってくる。EPDM製はクラックが入りづらい
◆3年3万キロが交換目安

ちなみに、ベルトメーカーのバンドー化学によると、ベルトの交換目安は“予防整備”という観点から3年または走行距離30,000キロを推奨しています。予防整備とは、部品が摩耗や経年劣化などで正常な機能や性能を発揮できなくなり重大なトラブルにつながる前に、走行距離や年数に応じて予め交換や整備を行うことを言います。また、ベルトの摩耗状態をチェックして、目安に達していなくても摩耗が進んでいれば交換することが大切なのだとか。これは、使用状況によって一概に言い切れないケースがあるからなのだそうです(例えば、距離は少なくてもアイドリングの時間が長いなどといったことが考えられます)。最近のベルトは品質が良くなり、以前のように“キュルキュル”音がすることもなくなり、一般のユーザーは自分で異変に気がつくことが難しくなっています。つまり、ベルト交換の必要性について、“プロ”の判断を頼りにするしかないのです。

ベルトメーカーでも、チラシや測定ツールを使い「正しい知識」を広げる活動を行っている
◆信頼できる整備工場に預けることが大切

本来、ベルト交換の目安が変化したことなど、一般ユーザーは知る必要のないことです。しかし、こうした知識の無い整備工場が意外にも多いというのが残念な実情です。愛車を長く安全に乗り続けるためにも、預ける先が信頼できる整備工場なのかどうかをしっかりと見極めることが大切ですし、自己防衛のためにも「3年、30,000キロ」という言葉を頭の片隅にでも置いておくと安心かもしれません。
《カーケアプラス編集部》

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