サハラ以南のアフリカ地域を対象とした自動車アフターマーケット展示会「Automechanika Johannesburg 2026」が、南アフリカ・ヨハネスブルグ近郊のミッドランドにある Gallagher Convention Centreで10月27日に開幕した。
今回で11回目を迎え、10月29日までの3日間開催される同展示会では、自動車部品、コンポーネント、タイヤ、バッテリー、油脂類、整備機器、塗料、ケミカル、カーディテイリング関連なども展示。現地会場の様子をレポートする。


中国メーカーの出展が多数
全体の展示面積に対して、中国からの出展が多くを占めており、「WORLD of CHINA」とデザインされたブースが連なり、中国企業の勢いを感じさせた。


一方で、これまでアフターパーツの主要供給元であった台湾からの出展企業が見当たらなかった。
訴求されていた展示品は、日本国内では流通していないブランドの補修塗料や、バッテリー、オイル、カーエアコンガス関連機器のほか、ペイントプロテクションフィルムなどもあった。





また、中国の大手自動車ガラスメーカーの信義ガラス(Xinyi Glass)が「EURO GLASS」ブランドで出展しており、現地の流通市場に合わせた展開が見られた。

ガソリン価格が高い南アフリカの市場
南アフリカでは、中東情勢による原油高などの影響を受け、ガソリン価格が非常に高い状態にあるため、電気自動車やハイブリッド車への移行が加速するという見方があり、伝統的に日本車のシェアが高い地域でありながら、近年は中国メーカーによる電気自動車の参入が進んでいるようだ。
しかし、現地取材の印象としては、EV普及はごく一部に限られているように感じた。その背景には、南アフリカ特有の電力供給制限や送配電設備の老朽化などがあり、電力供給網への信頼性や安全性に対する不安が、EV普及の鈍化につながっているものと思われる。
こうしたガソリン高騰と電力インフラの不安定さを受けてか、会場内にはガソリン車をLPG(液化石油ガス)仕様へ変更する「LPGコンバージョンシステム」を提案するブースが展示されていたのが印象的だった。


旧車関連パーツと補修塗料の展示
また、今回の展示会では旧車向けパーツや補修用塗料の出展が多かった。
南アフリカでは年1回の車両更新手続きはあるものの、日本の車検に相当する定期的な車両検査制度が存在しない。そのため、月間60台規模の整備入庫がある現地のトヨタディーラー工場であっても、先進運転支援システム(ADAS)のカメラやレーダーを調整するキャリブレーション(エーミング)スペースは設置されていなかった。
このような市場環境のためか、展示会場全体を見てもエーミング関連機器の出展はごくわずかで、旧車向けパーツや補修用塗料の出展が目立っていた。



旧車が多く、修理して長く乗り続ける
また、低所得層を含めて自動車が生活の足となっている南アフリカ地域において、故障や破損が生じても修理を重ねて長期間乗り続ける傾向がある。
車検がないため旧車の稼働期間が長く、それに伴う補修部品、補修塗料、汎用ガラスといった維持管理用資材の需要が定着していることが展示構成にも表れていた。



かつて日本車が市場の大半を占めていた南アフリカ地域においても、中国製EVなどの新しい選択肢が入り始めているようだが、インフラの制約や車両の長期利用という現地の利用環境の違いにより、アフターマーケットへの影響の現れ方は地域ごとに異なる。電動化や電子制御化といった新技術への対応が進む一方で、走行距離の伸びた旧車を維持・修理するための手堅い補修需要が、南アフリカのアフターマーケット市場を支えていることが今回の取材で確認できた。

