軽スーパーハイトワゴンというカテゴリーを切り開いたダイハツ『タント』が、大きな転換点を迎えようとしている。入手した情報によると、次期型タントは2026年12月頃の投入が有力視されている。
今回のフルモデルチェンジでは、ジャパンモビリティショー2025で公開された軽ハイブリッドコンセプト『K-VISION』のデザイン要素を取り入れるほか、シリーズ式ハイブリッド「e-SMART HYBRID」の搭載も期待されている。
しかし、次期型の最大の見どころは、ハイブリッド化だけではない。現在の軽スーパーハイトワゴン市場では、ホンダ『N-BOX』が高い販売台数を維持し、スズキ『スペーシア』も好調を続けている。いっぽう、タントは助手席側のセンターピラーをなくした「ミラクルオープンドア」という独自の特徴を持ちながら、販売面では苦戦が続いている。それだけに次期型では、燃費性能だけにとどまらない商品力の進化が期待される。

新たに採用されるとみられるシリーズ式ハイブリッドは、『ロッキー』にも採用されている「e-SMART HYBRID」を軽自動車向けに小型化して搭載する。発電専用の660ccエンジンと走行用モーターを組み合わせ、モーター主体の滑らかな走りや高い静粛性を実現するとみられる。
さらに外部給電機能に対応すれば、災害時やアウトドアでの利便性向上も期待できる。燃費性能の向上に加え、ライバルとの差別化という点でも、ハイブリッドの投入は重要なテーマになりそうだ。

いっぽう、デザインも大きく変わる可能性がある。タントらしい広い室内空間や良好な視界を維持しながら、より上質感を高めたスタイルへ進化する可能性がある。
予想CGでは、エクステリアデザインに『K-VISION』で提案された新たなテイストを取り入れ、リング状LEDを組み込んだハンマーヘッド風のフロントフェイスを採用した。水平基調のデザインでワイド感を強調するとともに、立体感のあるグリルやシャープなヘッドライトを組み合わせ、軽自動車の枠を超えた存在感を表現している。

インテリアについても、デジタルメーターや大型ディスプレイなど、最新世代の装備を採用することで商品力を高めることが予想される。
それでも、タント最大の武器は「ミラクルオープンドア」だ。助手席側のセンターピラーをドアに内蔵した大開口構造は、小さな子どもの乗り降りやチャイルドシートの利用、高齢者の乗降など、日常での使い勝手に優れる。この利便性は、現在でもタントならではの大きな魅力だ。

次期型では、この特徴をさらに磨き上げられるかどうかが、N-BOXやスペーシアとの差を縮める重要なポイントとなりそうだ。
軽スーパーハイトワゴンという市場を切り開いたタントは、いま大きな転換期を迎えようとしている。「e-SMART HYBRID」の採用が注目されるいっぽう、タントならではの使い勝手をどこまで進化させるのかも焦点だ。独自の利便性を磨き上げることができれば、軽スーパーハイトワゴン市場におけるタントの存在感を再び高めるだろう。


