ポルシェ伝説の「フラットノーズ」1台限りで復活…『911 GT2 RS』をベースに約3年かけて製作 | CAR CARE PLUS

ポルシェ伝説の「フラットノーズ」1台限りで復活…『911 GT2 RS』をベースに約3年かけて製作

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ポルシェ『フラッハバウRS』
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ポルシェは、ゾンダーヴンシュ(特別注文)プログラムの最新作として、世界に1台だけの『フラッハバウRS』を発表した。

ベース車両は2018年製『911 GT2 RS』(タイプ991.2)ヴァイザッハパッケージ。ゾンダーヴンシュ部門、スタイル・ポルシェ、ヴァイザッハの開発エンジニア、ポルシェ・モータースポーツ、そしてマンタイのエキスパートで構成された多分野横断チームが約3年をかけて製作した。

ポルシェ『フラッハバウRS』

「フラッハバウ(Flachbau)」は「フラットノーズ」の意味。1980年代に『911 ターボ』(タイプ930)に設定された特別仕様で、フロントフェンダーを低く寝かせ、ポップアップ式ヘッドライトを採用したスタイルだ。デザインのモチーフは、長年にわたって耐久レースを席巻した伝説のポルシェ『935』である。1982年から1989年にかけて948台が販売されたが、後の改造車を含めても現在の911の中で最も希少なモデルのひとつとされる。

2025年5月にポルシェが欧州特許庁に「フラッハバウ」および「フラッハバウRS」の名称を登録したことが明らかになり、スポーツカー界とメディアの間で大きな注目を集めていた。今回、その理由がこの1台限定車の製作であったことが明かされた。

■デザイン:935「モビー・ディック」を現代に再解釈

デザインを担当したのは、すでに退職したグラント・ラーソン氏。同氏は2018年にポルシェ創立70周年記念として発表された現代版935のデザインも手がけた人物だ。

「新しいフラッハバウRSは、伝説の935モビー・ディックのデザインを現代的かつ忠実に再解釈したものだ」とラーソン氏は語る。「低く寝かせたフロントフェンダーに加え、非常に細いLEDユニットを段違いに配置したヘッドライトが重要な特徴だ」。

カラーリングも伝統と現代の融合を体現している。グランプリホワイトにマットブラックのセクション、そしてカーボンファイバーの素地を組み合わせた。フロントのU字型コントラスト要素は、マルティーニカラーの935/78「モビー・ディック」のデザインを踏襲する。ホワイトのトーンはこの1台のために特別開発され、ポルシェAGコレクションが所蔵する歴史的な911のグランプリホワイトを参考にした。

■エクステリア:空力性能を徹底追求

ポルシェ『フラッハバウRS』
ポルシェ『フラッハバウRS』

フロントフェンダーはより低く寝かせられ、空気圧を逃がすスラット状のエアアウトレットを備える。フェンダー形状の変更に伴い、燃料フィラーキャップとその機構、フロントバンパーも改修された。マンタイ製フラップが前端の空力性能をさらに高める。

標準の丸型ヘッドライトに代わり、ハイビーム・ロービーム・デイタイムランニングライトを3段に配置した非常に細いLED素子を採用する新照明システムを搭載する。

リアウイングは『911 GT3 R レンシュポルト』にインスパイアされたS字マウントを採用し、ベース車より約5cm高く、3段階に固定可能だ。340km/hのハイダウンフォース設定時、フラッハバウRSはリアアクスルで554kgのダウンフォースを発生する。

■軽量化:31.6kgの削減を達成

「ドライブトレインは顧客との合意のもと変更しないままとし、スラントノーズへの改造は非常に困難な作業だった。安全性・技術・公道走行認可を損なうことなく935のアイコニックなルックスを再解釈することが目標だった」と、ポルシェのアレクサンダー・ファービッヒ副社長(プロダクトオファリング&インディビジュアリゼーション担当)は説明する。

徹底した軽量化措置により、この1台はベース車比31.6kgの軽量化を達成した。ポルシェ・コミュニケーション・マネジメント(PCM)システム、オーディオ部品、多くの断熱材やクラッディングを取り除いたインテリアも軽量化に貢献している。

■テスト:約15万km相当の検証を実施

改修部品の製造用ツールを作成する前に、ポルシェはデジタルで設計を検証。簡易クラッシュシミュレーション、大型リアウイングへの荷重に関する構造解析、CFD(数値流体力学)による空力計算を実施した。

その後、ハイドロパルサー試験台や静的荷重試験による部品単体テスト、照明・風洞テスト、走行テストを実施。メンディッヒ飛行場でのテスト走行、ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェでの50周走行、ヴァイザッハでの耐久テストを合わせ、主にリアウイングを対象に約15万kmのユーザー使用を模擬した。

ポルシェのテストドライバー、ラース・カーン氏は、「ノルトシュライフェを走ると、この空力コンセプトがいかに効果的かが即座に分かる。フラッハバウRSは非常に高速域でも極めて安定かつ正確だ」と語っている。

ポルシェ伝説の「フラットノーズ」、1台限りで復活…『911 GT2 RS』をベースに約3年かけて製作

《森脇稔》

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