「直噴エンジン」におけるチューニング技術の進化 | CAR CARE PLUS

「直噴エンジン」におけるチューニング技術の進化

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挑戦と革新!? 直噴エンジンにおけるチューニング技術の進化~カスタムHOW TO~
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チューニングの醍醐味といえばパワーアップチューン。いくつかの種類があるが大まかに分かればECUチューン/補機類チューン/エンジン本体チューンの3つに分かれる。

◆クルマをパワーアップさせるための方法とは

ECUチューンとはエンジンを制御しているコンピュータであるECU(Engine Control Unit)の内部データを書き換えるチューニングのこと。

80年代、90年代車であれば安全マージンをたっぷり取ってあるため、そのマージンを詰めることや、燃料の濃さや点火時期を最適化することでパワーアップができた。最近のクルマであれば燃費や排ガス規制によって意図的に封じられているパワーを開放するイメージで、ECUを書き換えることで出力アップが可能。NAエンジンならノーマルの5~10%くらい。ターボ車であればそれ以上の効果が得られた。

もっとパワーを求めるならエアクリーナーやエキゾーストマニホールド、触媒や、マフラーなどのエンジンの前後のパーツをチューニングパーツに交換するのが効果的。より、吸気と排気効率を高めることでECUチューンと合わせればさらなるパワーアップが可能。ターボ車であれば、ターボチャージャー自体を交換する「タービン交換」チューニングが定番。より大きなターボチャージャーにすることで、エンジンにたくさんの空気を送り込む。それに合わせてたくさんガソリンを噴射すれば、モアパワーが可能。

それ以上を求めるならエンジン本体のチューニングになる。ボアアップやストロークアップで排気量自体をアップすればそもそもたくさんの酸素がエンジンに入り、それに合わせてガソリンを噴射して爆発させるので大幅にパワーもトルクも高めることができる。吸気や排気ポートを削って滑らかな形状にしたり、カムシャフトを交換することで効率よく燃焼室に空気を送り込むチューニングも定番だ。

◆パワーアップのキモは空気!? 増やすためにはどうするのか

とにかくパワーアップの基本はいかにたくさんの空気(酸素)を取り込み、そこに合わせたガソリンの量を噴射して爆発させるかに掛かっている。そこでカギとなるのがインジェクターだ。ガソリンを噴射するインジェクターはECUからの指令に従ってガソリンを噴いている。ECUチューンによってそのガソリンの噴射量やタイミングを合わせ込むわけだが、大幅なパワーアップとなるとインジェクターの容量が足りなくなることがある。

ターボ車ではタービン交換をするとインジェクター容量が足りなくなることがあり、大容量インジェクターに交換するチューニングが一般的。「シルビアに660ccインジェクターを装着」などというのは定番だった。

そこで問題になるのが直噴エンジンのクルマだ。直噴エンジンとはガソリンをポートではなく、燃焼室に直接噴射する方式のエンジン。近年増えていて燃焼室に直接ガソリンを噴射できるので、燃焼室の温度を下げやすい。また、圧縮行程の間は空気だけを圧縮して、そこにガソリンを噴くことができるので、高圧縮比にしてもノッキングなどの異常燃焼がしにくく、これまで以上に効率よくパワーを出しやすい。

だが、この直噴のインジェクターは、これまでのようにポートに噴射して霧化させるのと違って、ピストン形状と相まって狙った場所にガソリンを噴射。そこにピンポイントで着火させる必要がある。要するに直噴インジェクターは現在のところ大容量のチューニング品がないのである。容量の大きい車種の直噴インジェクターを使うこともできなくはないが、燃焼室内の設計などが異なるので一発でエンジンが壊れる可能性も高く、現在のところは交換は難しい。

なので、ECUチューンを行っても直噴インジェクターの容量が限界になればそれ以上にガソリンを噴くことができず、パワーアップに上限が生まれてしまうのだ。そのため各チューナーはECUチューンで燃料ポンプの圧力を上げたりして、少しでもガソリンの噴射量が増えるように調整しているが、これまでのような大幅な増量は難しい。直噴エンジンチューンはある程度までのパワーアップしかできないのだ。

とはいえ、ノーマル比で2倍や3倍のパワーアップチューンができないというだけで、一般的なパワーアップチューンは十分できる。むしろ大容量インジェクターが必要になるレベルとなると、ピストンやコンロッドの強化まで視野に入れなければならないようなハードなチューンとも言える。ストリートチューンでは直噴エンジンも十分パワーアップチューンをして楽しめるのだ。

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《加茂新》

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