トヨタ・モビリティ基金(TMF)は、沖縄県警察本部と連携し、警察の事故データと車両データの融合により事故の未然防止に取り組む手法を開発。本取り組みを含む産官学連携の活動を「沖縄ゆいまーるプロジェクト」と命名した。
TMFは昨年2月、沖縄県警察本部と連携協定を締結し、トヨタレンタリース沖縄、矢崎総業、JTB、トヨタ自動車、琉球大学、東京大学大学院工学系研究科と共に、警察の事故データや車両データ、レンタカーの車載アプリによる分析を行ってきた。これらのデータを活用し、危険地点の特定や事故原因の究明、対策の立案と効果検証を進めている。
この取り組みにより、危険箇所の特定や道路対策が進展しており、宜野湾市や西原町、那覇港管理組合と連携した交通事故との相関性の高い急ブレーキ情報を活用した道路対策が実施されている。また、名護市では通学路対策として速度超過の問題を解決している。
専用タブレットを搭載した車両では、外国人ドライバーで55%、日本人ドライバーで38%の事故件数が減少した。これは急加速や急ブレーキの改善によるもので、事故削減効果が認められている。現在、専用タブレット搭載車両は50台に拡充され、トヨタ自動車の開発した車載マルチメディアを活用した運転診断・注意喚起機能も追加されている。
観光面では、美ら海水族館へ向かうレンタカー観光客に対して、車載ナビとは異なるルートのおすすめ立ち寄りスポットを案内し、新たな観光地への訪問や渋滞緩和に貢献している。
今後、東京海上日動火災保険のデータも加え、2025年3月までの期間延長を決定。交通事故削減や渋滞解消といった社会課題の解決に加え、楽しい観光体験の提供を目指す「沖縄モデル」の確立に注力していく。