富士スピードウェイで9月24日に「FUJI 86/BRZ STYLE 2023」が開催された。今年はトヨタ『スプリンタートレノ(AE86)』が誕生40年という節目を迎え、会場に多くのAE86が訪れた。さらに恒例のトークショーや愛車自慢の他に、AE86のガソリンエンジンとEVの0-100m対決が行われた。
2009年から開催されているFUJI86/BRZ STYLE。当初は86 STYLE with BRZだったが、FUJI 86/BRZ STYLEに名称を変更して今年で15回目の開催だ。
快晴に恵まれた富士スピードウェイには、『スプリンタートレノ・カローラレビン(AE86)』が多く集まった。これはAE86が誕生して40年という節目を迎えたことで、FUJI 86/BRZ STYLEのスーパーバイザーであり、AE86をこよなく愛する土屋圭市氏の計らいで、AE86での入場に関しては入場料を無料となったことと、メイン会場の駐車スペースに優先的にAE86が駐車されたことも大きい。
富士スピードウェイによると会場には6,800人が来場し、TOYOTA86&GR86が1,578台、SUBARU BRZが382台、AE86が368台の計2,328台が集結した。
会場にはトヨタ自動車社長の佐藤 恒治氏個人で所有し現在レストア中のAE86や、土屋圭市氏、佐々木雅弘選手、織戸学選手、谷口信輝選手、飯田章選手というAE86を愛するドライバー達の所有車両も展示された。
◆MT車に『アイサイト』が初搭載!GR86の40周年特別記念車も実車展示
メインステージではGR86とBRZの新型車の発表も行われた。両車にとって最大のトピックはMT車にアイサイトが初めて装着された。アダプティブクルーズコントロールなどのADAS系はMTに装着するのが難しいとされているなかでの装着となった。
GR86はAE86の40年を記念した『GR86 特別仕様車 RZ“40th Anniversary Limited”』を期間限定かつ台数限定で発売される実車を展示した。
AE86の白×黒、赤×黒を想起させるカラーと、40周年サイドデカールを装備し、クリスタルブラックシリカのGRトランクスポイラー、ダークグレーメタリック塗装が施されたアルミホイールの中には、真っ赤なブレンボ製ブレーキキャリパーやSACHS(ZF)製ショックアブソーバーが装着されている。
インテリアはドアトリムに40周年記念の刺繍がほどこされ、インストルメントパネルモールがキャストブラックに塗装される。
◆待望のSTIモデル登場!減衰が自動調整されるSFRD搭載のBRZ「STI Sport」
一方のBRZは「STI Sport」が新たに追加された。スバルの他の車種にも展開されているSTI Sportは、上質とさらなるスポーティー差を付加しており、BRZへの追加も期待されていた。
GR86同様にブレンボ製ブレーキキャリパーが装着されたが、BRZはゴールドに塗装されており、今までスバル車に採用されてきたゴールドブレンンボキャリパーを継承している。
走りの面でもSTIチューニングの日立Astemo製SFRDフロントダンパーを装備している。SFRDとはSensitive Frequency Response Damper(周波数応答型ダンパー)と言われ、減衰力を路面からの入力や車速変化をダンパーの作動周波数にあわせ自動的に減衰力を自動的に変化させる機能を持つ。フォレスターSTI SportやインプレッサSTI Sportにに採用されたことがある。
フルLEDヘッドランプにBRZのチェリーレッドレターマークをつけるなど外観面でも差別化が図られている。 GR86 特別仕様車 RZ“40th Anniversary Limited”は期間限定かつ台数限定で発売されるが、BRZ STI Sportはグレードとして追加するためカタログモデルとして販売される。
◆土屋圭市 vs 佐藤恒治社長のAE86対決!ガソリンとEVどっちが速い…?
さらに特別イベントして、土屋圭市AE86対佐藤恒治AE86EVの対決が行われた。きっかけは佐藤社長が出演するYouTubeやSNSで、土屋圭市氏が所有するAE86との出会いがありどちらが速いかという戦いが始まったこと。佐藤社長のAE86はレストア中のため動かせないが、オートサロンで発表されたAE86をベースにBEV化されたAE86EVと土屋選手の愛車“まめ号”と呼ばれるフルチューンのAE86による、0-100mの加速勝負だ。
今回佐藤社長は仕事の都合で来場できなくなってしまい、急遽佐々木雅弘選手が代役としてAE86EVをドライブし土屋圭市氏と0-100m対決を行うことになった。0-100m勝負の1本目は初速と初期駆動に勝るAE86EVが速さを見せ勝利した。0-100mのゴール地点にはなぜか豊田 章男会長の姿があり、その勝負の行方を楽しんで見ていた。
0-100mでの勝負に納得がいかない土屋氏は「後半に伸びるガソリン車なら0-400mなら負けない」ということで、急遽0-400mでの対決も行われることになった。初速はやはりAE86EVの方が速いが、後半速度を伸ばしたガソリンのAE86が今度は勝利を収めた。
スタート地点に帰ってきた土屋圭市は勝利に喜ぶと同時に、「40年経っても楽しいレースができるAE86という車を作ってくれたトヨタに感謝します」と豊田 章男会長に深々とお礼をした。しかし豊田 章男会長とドライブした佐々木雅弘は納得いかず、来年のリベンジを誓いさらなるパワーアップを施して0-400mで負けないと会場を盛り上げた。
最後には恒例のナイトパレードが実施され、富士スピードウェイのホームストレートを86とBRZが埋め尽くし、コースを1周してイベントは終了した。