自動車用や室内用の芳香剤などの企画開発及び製造・販売を手掛ける晴香堂株式会社(本社:奈良県磯城郡/岡本光晴代表取締役)は、セラミックナノ粒子を用いた同社の独自技術により高硬度被膜を実現した超耐久コーティング剤「GEO CERAMIC(ジオセラミック)」を2023年3月に発売した。
同社の歴史は1954年に種苗生産業の岡本農園として創業したのが始まり。当初は自動車とは全くの異業種からのスタートであったと言う点がユニークだ。その後、樹脂製ボタンの製造やプラスチックの日用品、化粧品容器及び電気器具の組立など様々な商品の製造などを経て、1984年から自動車用としては初の自社開発製品「ゲル缶詰芳香剤カーオールコンパス」を発売し、自動車業界へ参入。以降、自動車アフターマーケットには「CAR ALL」ブランドで商品を展開しており、こちらのブランド名に馴染みのある人も多いのではないだろうか。
また2012年からは、ドイツのカーケアブランドでヨーロッパはもちろん、世界100ヶ国以上で販売されている「SONAX社」の日本総代理店として同社製品の輸入販売も行っている。
そんな同社が、今回発売したのが、前述した「GEO CERAMIC(ジオセラミック)」である。なお同製品は、年明けの東京オートサロン2023で先行展示をしており、自動車アフターマーケットへのPRと浸透を図っていた。
“セラミック”と言うと、陶磁器などの焼き物を思い浮かべがちだが、広義では、金属やプラスチックなどの有機物を除いた無機固体材料の総称として用いられている。化学的安定性に優れ、紫外線に強く、高硬度、耐熱性、耐蝕性、絶縁性、耐摩耗性などの特性を持つことから、電子部品や医療用製品、調理器具、時計、宝飾品、窓ガラスなど、幅広い分野に使用されている。
今回、同社から発売されたのはボディコートとタイヤコートの2種類。ボディコートは、硬質シリコーンレジン、セラミックナノ粒子、特殊バインダーで構成された高密度で強固な被膜を形成し、従来のコーティングに比べ、耐久性が大幅に向上。強力な撥水効果と美しい艶が約6ヶ月持続するという。
一方のタイヤコートは、強撥水シリコーンレジン、高重合シリコーン、特殊バインダーで構成された高密着で艶のある柔軟な被膜を硬質セラミックナノ粒子が補強することで強固な被膜を形成。黒艶と保護効果が約3ヶ月持続するという。また水性の塗り込みタイプのため、タイヤに優しく、ホイールやボディに飛び散ることはないそうだ。
コーティングは、ユーザーのニーズに合わせ、多種多様な製品が存在する。そんな中で同社が発表したセラミックコーティングも、コーティングの新たな可能性として注目すべき商材ではないだろうか。