カーラッピングのパイオニア・YMG1山家社長が語る“日本初”カーラッピングセンター開設への思い | CAR CARE PLUS

カーラッピングのパイオニア・YMG1山家社長が語る“日本初”カーラッピングセンター開設への思い

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カーラッピングのパイオニア・YMG1山家社長が語る“日本初”カーラッピングセンター開設への思い
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半導体不足による新車の納期遅延やクルマの長期保有化が進む中で、愛車を長く綺麗に保つ様々なサービスの価値が上がっている。例えば、自動車の表面にフィルム加工を施し、既存の塗装とはまったく異なる色やデザインで車体を彩ることが可能なほか、飛び石や軽い接触などから塗装面を保護することができ、愛車の資産価値を落とさず、自由かつ気軽に自己表現する手段として人気の「カーラッピング」もその1つである。

そんなカーラッピングの日本における先駆者と言えるのが、株式会社ワイエムジーワン(以下、YMG1/東京都墨田区横川1-1-10すみだパークプレイスII)の山家一繁社長だ。今回編集部では、10月3日(月)に日本初となるカーラッピングセンターを開設したYMG1の山家社長に、同センター開設の思いや業界の現状、課題などについてお話を伺った。

YMG1とカーラッピング

今回のカーラッピングセンター開設について触れる前に、YMG1のカーラッピングビジネスの歴史について簡単に触れておきたい。YMG1は、2000年に日本で最初に東京都交通局の路線バスラッピング広告を手掛けた企業であり、以降、累計4,000台以上のバスラッピングのフィルム印刷・施工などの実績を持つ。またスリーエムジャパン株式会社より日本第1号の「4Starカーラッピング施工技術者認定システム」トレーニング会社に指定されており、トレーニングを受けた1,000名を超える認定トレーナーが、日本全国でラッピング施工に携わっている。

また、2011年には車両専用ラッピングフィルムで、車の外装をすべて包み込んでカラーリングを変えるラッピングサービスを普及させることを目的に、YMG1のサービスブランドとして「LAPPS(ラップス)」を立ち上げ、スリーエムジャパン株式会社のフィルムを用いた施工車両数は、日本でトップシェアを維持している。

なお同社は「人材教育」と「技術の継承」にも注力しており、毎月数回、カーラッピングビジネス者養成講座も実施。さらに2022年7月からはカーラッピングビジネス内製化支援講座「CIPS」(Car wrapping Inhouse Production Support)も開講し、カーラッピング施工ビジネス支援のカリキュラムを、オンラインとリアルの両方で提供。カーラッピング業界全体の活性化に向けて現在も様々な取り組みを行っている。

日本初となるカーラッピングセンター

そんなYMG1が2022年10月3日(月)に開設したのが、日本初となる「カーラッピングセンター」だ。緑を基調とし、洗練されたデザインの同センターは、200坪の広大な敷地にカーラッピングビジネスに特化したインクジェット印刷機が5台設置され、印刷、加工から施工まで全天候型の施設で24時間稼働できる体制が確保されている。さらに速乾性の高い「紫外線硬化型UVプリンター」も新規導入し、新技術にいち早く対応することで、ラッピング事業とは異なる分野を含む多彩なビジネスナレッジの提供と、人材育成事業へのさらなる拡張が可能となったという。

カーラッピングビジネスをトータルサポート

山家社長は、取材の中でカーラッピングセンター開設の経緯やその思いを業界の現状とともに話してくれた。

「現在、企業系のラッピングを手掛ける企業は大都市にしかありません。地方での案件の場合は、その地方の施工業者にお願いするのですが、その際に個人向けのラッピングをしている施工者では企業系のラッピングはできないことが多いのです。

つまり、企業系のラッピングをできる人がいないということです。そこで考えたのが、今、個人向けのラッピングをしている人に対して講習を受けてもらい、企業系のラッピングもできるようになってもらうということです。

講習を受けに来てくれる人は、カーラッピングビジネスが流行っているのが分かっているから、ビジネスとしてやりたいと思っているのですが、施工の技術を覚えても集客の媒体を持っていないので、集客ができません。故に、施工技術を持っている人がどのように仕事を取るかというと、近くのカスタム屋などへ出向き、営業します。そうすると金額で叩かれる。このビジネスの最大のウィークポイントはこの部分でした。

仕事が取れないことではありません。フィルムがあって施工技術があればビジネスとして成り立つのですが、今は地方でビジネスが成り立っていないのです」と特に地方での厳しい状況について言及された。

業界の現状について話す山家社長

そこで山家社長が考えたのが、地方にカーラッピングをビジネスとして成り立たせる拠点を増やすことだったという。

「個人向けも企業系も両方です。現在、オンラインで講座を開設して、弊社の営業・制作・デザインのスタッフを全員付けて、トータルサポートをしています。ただ、そのトータルサポートをするためには、出力機、デザイン機能、営業機能があり、かつ施工機能がある拠点を作る必要がありました。

要するにトータルでカーラッピングビジネスを支援する拠点が無いと、私が考えるトータルサポートが成り立たないのです。これまで私の頭の中では繋がっていましたが、それを形として具現化し、集約したのが今回のカーラッピングセンターです」と話した山家社長。

つまり、同センターは、同社が40年に渡り、培ったノウハウを一拠点に集約し、今後、カーラッピングビジネスを起業する企業を含めた全ての顧客に、より充実したノウハウとサービスを提供・育成する施設だということだ。また今回の開設により、カーラッピングフィルムの印刷・加工・施工のみならず、フィルムや施工ツールの販売、施工技術講習、ビジネスノウハウ支援などがワンストップで提供できるようになり、さらなるビジネス領域拡大にも繋がるという。

長年の構想を具現化したカーラッピングセンターについて話す山家社長

フィルムの奥深さを知ってほしい

2020年4月の特定整備認証制度の創設により、整備が再定義される中、電子制御装置整備対象車両においては、バンパーやグリルの脱着作業が特定整備に該当するため、特定整備認証を持たないとこれらの作業が行えなくなっている。ラッピングの施工においては、これらの脱着作業が全てにおいて該当する訳ではないものの、認証未取得の事業者が多いことは業界全体の課題であるとも言える。

また山家社長は、特にカーラッピングでフィルムを貼っている人がフィルムを知らなすぎることを課題として挙げ、

「カーラッピングの最大の特徴はきれいに剥がせることです。フィルムの表面上の綺麗さも大事ですが、そこを勘違いしている人がとても多いのが気になります。フィルムの知識が無いが故に、綺麗なフィルムを選びがちですが、剥がす時に大量に糊が残ってしまうなどとんでもないことになります。

我々はバスのラッピングを始め、貼る以上に剥がしてきましたが、貼ったら貼りっぱなしで売ってしまうことで、実際にカーラッピングをした中古車の価格が下がっているという事態も起きています。正しい知識を身につけてほしいですね」と話す。

また一般ユーザーに対しては「もっと多くの人に気軽に車をカスタマイズし、楽しんでもらいたいですね。カーディテイリングは“機能”、カーラッピングは“エモーショナルなもの”です。やらなくても車は走りますが、やりたくなったら止まらない、そんなフィルムの価値をもっと伝えていけたらと思います」と話した山家社長の目は既に次を見据えているようだった。これからのYMG1と山家社長がどんな展開を見せてくれるのか、今後に期待せずにはいられない取材となった。

《カーケアプラス編集部@松岡大輔》

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