11月25日、門司港駅(福岡県北九州市)をスタート、11月28日に神戸にゴールするクラシックカーラリー、「クラシックジャパンラリー2021 MOJI - KOBE」が始まった。
鉄道駅舎としては初めて国の重要文化財に指定された門司港駅。木造二階建てのネオルネサンス様式の駅舎は、左右対称の造りが特徴的で「門」を表現しているとも伝えられている。いまも利用されている駅舎内には九州鉄道の起点を表す「0哩(ゼロマイル)標」がある、非常に由緒ある駅だ。
主催者である社団法人クラシックジャパンラリーは、主に関東近郊でクラシックカーラリーを開催しているが、2018年とその翌年には九州で2回開催しており、今回で3回目となる。これまでは、九州を中心にルートが組まれていたが、今回は九州から四国を巡り、そして神戸まで、およそ1200kmにも及ぶラリーである。
初日となる25日は門司港駅をスタート、日産九州工場や青の洞門などのルートが組まれ、その日のゴールは大分別府温泉であった。
朝の集合場所である旧大連航路上屋にて、ドライバーやナビゲーターなどの健康管理チェック等をしっかりと行った後、約40台の参加車たちは今回の起点となる門司港駅へ移動。その区間だけでも注目の的だ。門司港駅周辺は景観地区となっていることから、観光客も多く、また周辺の欧州のような古い街並みにクラシックカーが溶け込んでいるのも魅力的に映ったようだ。
門司港駅前に整列したクラシックカーで注目を集めたのは6台のグランプリブガッティたちだろう。それらを一堂に見られただけでもこの会場に来た甲斐がある。さらにそれらが門司港駅前に置かれているからなおさらだ。それら以外にも、シムカ『8スポールバルケッタ』やブリストル『400』などの非常に珍しいクルマも参加しており、参加車両のレベルの高さも感じられた。
主催者の一人である岡野正道氏は、「以前は門司港駅をゴールに設定していたが、九州鉄道の起点であることから、ここからスタートしたかった」と今回の思いを語る。そして、多くの自治体の協力を得て、2年間の準備期間を経て今回の開催にこぎつけた。「とにかくルート設定に苦労した」と岡野さん。しかし、「その分、毎日美しい景色と食事を楽しんでもらえるようになっている」とのことだった。
また、「自治体の協力がないと我々のようなクラシックカーラリーは出来ないが、今回は2年かけて、多くの自治体に丁寧に説明をした結果、非常に強い連携のもとで開催できた」とし、門司港駅のスタートでも、自治体の多大なる協力で地元警察による適切な誘導などが行われていた。
2日目以降のスケジュールは、
26日:別府市→杵築市→大分市→伊方町→松前町→松山市
27日:松山市→尾道市→今治市→いの町→日高村→高知市
28日:高知市→三好市→美馬市→南あわじ市→神戸市(ゴール)
という予定である。
また主催者によると来年も開催を予定しており、「その際は門司港駅をスタートし再び戻ってくるルートを考えたい」とコメントしていた。