旧車という言葉から、戦前や1970代頃のとても旧いヴィンテージカーやクラシックカーを連想する人もいると思うが、近年、特に人気があるのは1980~90年代頃に登場した“ちょっと旧い車”たち。その年代のクルマは「ヤングタイマー」や「ネオクラシック」と呼ばれており、いまから30~20年ほど前に製造された中古車でありながら、状態が良い人気車種は国産車・輸入車を問わず、高値で取引されているケースも少なくない。
旧車に特化した買取サービス「旧車王」を運営するカレント自動車は、2010年式以前の車を旧車と定義し、旧車に興味のある121人を対象に「旧車の所有期間と所有する理由」についてアンケート調査を実施。この結果によれば、あえて旧車を選ぶユーザーが重要視しているのは「デザイン」で、所有したら「長期間乗り続ける」傾向があることがわかった。
◆旧車を所有する理由
旧車を所有する理由としてトップだったのは「デザインが好きだから」で32.2%。現代の新型車とは違う、旧車ならではのデザインに魅力を感じて所有するユーザーが多いのは想像に難しくない。また「手放すと二度と手にはいらないと思うから」と回答した人が20.7%いた。売却後、海外へ渡ってしまったり、買い手がつかず廃車になるケースも十分ありえるため、手放したくないユーザーがいるのもうなずける。時代とともにクルマのデザインは、外装も内装も変化していくものだが、最近のクルマよりも旧車に魅力を感じ、大切な愛車として所有したいニーズがあることが調査結果からうかがえる。
◆旧車の所有期間は?
旧車の所有期間として、最も多かったのは「11年~20年」で27.3%だった。次いで「2年~5年」が26.4%、「21年以上」は25.6%という結果に。「11年~20年」「21年以上」と回答した人が全体の半数以上(52.9%)となり、旧車を選ぶ人は長期間乗り続ける傾向があるようだ。
とはいえ、所有期間が「2年~5年」というユーザーが26.4%いる点は見逃せない。旧車ゆえ、故障しやすかったり、交換部品(補修部品)の入手の難しさや、旧車だと整備や修理を断られる場合もある。最適な自動車保険や車両保険がなく、13年経過した旧いガソリン車は自動車税・重量税が割増になるため維持費が高額になってしまう。そういった理由から、2年から5年ほどで手放してしまうユーザーがいることが予想できる。
◆旧車好きは、長期保有を望んでいる
今後も旧車を所有し続けたい(所有したい)と思いますか? という質問に6割強のユーザーが「はい」と回答。故障の心配が絶えず維持費が高額になりがちでも、人生の楽しみとして、あえて旧車を選ぶユーザーが一定数いることは確かで、そういったクルマ好きが「旧車を守っている」といえるのではないだろうか。