法規や技術の進化で今は見られなくなったリトラクタブルヘッドランプ。日本車での採用例は……と調べると、意外と多い。何か失念しているかも知れないが、今回は後編として18車種をお届けしたい。◆マツダ・サバンナRX-7&RX-7(初代・1978年/2代目・1985年/3代目・1991年)『サバンナRX-7(RX-7)』は、3世代に渡ってロータリーエンジンを搭載し、リトラクタブルヘッドランプを採用した。初代は丸型、2代目は規格モノの角型、3代目はよく見ると2代目とは形状が異なり、このモデルは国産車では最後のリトラクタブルライト車とされている。◆マツダ・コスモ(3代目・1981年)カタログを眺めて「こんなコスモあったあった、ロータリーターボの加速が凄まじかった」と思い出させられる。『ルーチェ』と兄弟車の『コスモ』には2ドアと4ドア(呼称は“ハードトップ”)があり、いすれも角型4灯のリトラクタブルヘッドランプを採用。◆マツダ・ファミリア・アスティナ/ユーノス100(1989年)写真は当時の『ファミリア』をまとめたカタログで、シリーズでは5ドアハッチバックの位置づけだった『アスティナ』。ボブスレーをイメージしたというデザインで、リトラクタブルヘッドランプが奢られていた。前輪キャンバーコントロール付きストラットマウントなど、走りの機能にもこだわりが。◆ユーノス・ロードスター(1989年)今では意外にも思えるが『ロードスター』では初代のみヘッドランプがリトラクタブル式だった。2代目以降は固定式となったが、手元の2代目の取材メモによれば「軽量化と“スポーツカーにはやはり目が要る”の判断があった」とのこと。◆ホンダ・プレリュード(2代目・1982年/3代目・1987年)スタイリッシュなデートカーとして一世を風靡した2代目と後継の3代目。デザイン的には樹脂のガーニッシュ類がややビジーだった2代目より、フェラーリよりも低いと言われたフロントにすっきりとランプを収めた3代目のほうがスマートだった。◆ホンダ・クイント・インテグラ(初代・1985年)発売年次としての並びは順不同だが、『クイント・インテグラ』名義の初代モデルは、『シビック』の発展モデルながら『プレリュード』と肩を並べるリトラクタブルライトでスタイリッシュさをアピールした。◆ホンダ・バラード・スポーツCR-X/バラード(1983年)あの“ワンダー・シビック”のシリーズのひとつとして登場した初代『バラードスポーツCR-X』は、まぶたが少し開く形式。当時のセダンにも採用されていたのを今、カタログで見て思い出したが、筆者は当時、実車を見た記憶はない。◆ホンダ・アコード/アコード・エアロデッキ/ビガー(3代目・1985年)歴代『アコード』の中で、今でも格別な存在感を放った3代目。2600mmのロングホイールベースによる後席の広さやフラットな乗り味、個性的なエアロデッキなど魅力たっぷりだったが、セダンとリトラクタブルヘッドライトの組み合わせも特徴だった。後にカナダなどの法規に合致させた」固定式ヘッドライトの「CA」も登場。◆ホンダNSX(1990年)当然ながらというべきだったが、『NSX』の初代モデルにはリトラクタブル式が採用された。カタログの記述によればそれはプロジェクター式4灯で、空気抵抗を考え低くデザインされたものだった。後期型では固定式に。◆いすゞ・ピアッツァ(初代・1981年/2代目・1991年/PAネロ・1990年)カタログには「電動リトラクタブルのクオーター(1/4)カバー付き」とある。それは「セミリトラクタブル式」と表現を変え、2代目と「PAネロ」でも踏襲。◆三菱・スタリオン(1982年)、GTO(1990年)、エクリプス(初代・1990年)三菱車のうちの高性能スペシャルティモデル、クーペのリトラクタブルヘッドライト採用例はこの3車。『GTO』は後期型では固定式に。◆スバル・アルシオーネ(1985年)先鋭的なデザインで登場した『アルシオーネ』。エアロダイナミクスを前提にリトラクタブル式のヘッドランプが採用されたようで、カタログにも「リトラクタブルヘッドライトの採用とあいまって、バンパーから空気がスムースに駆け上がる理想的なフード面が実現された」とある。
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