今日から90年前となる1930年代に開発され、軽さが魅力の戦車として大日本帝国陸軍を支えた「九五式軽戦車」。約2380両が製造されたが、第二次世界大戦では、他国の戦車よりも火力や装甲が劣ったことで、壊滅的な状況に陥ってしまう。苦戦を強いられたものの、その存在感は現代でも薄れない。日本の戦車として、映画『硫黄島からの手紙』や、海外テレビドラマ『ザ・パシフィック』、アニメ映画『ガールズ&パンツァー 劇場版』などで登場。問題は、世界で残存している数がわずか数十車両で、走行可能なものは2、3両といわれ、日本の戦車でありながら国内には1両も残っていないことだ。こういった背景の中、戦車など “ 日本の貴重な機械技術遺産 ” を後世に残すべく、日本初の「防衛技術博物館」設立を目指して奮闘している挑戦者たちがいる。彼らは2011年12月20日に「NPO法人 防衛技術博物館を創る会」を設立し、クラウドファンディングなどで資金を集めながら、博物館設立と展示車両収集のために、さまざまな活動を展開。その活動のひとつとして、九五式軽戦車を走行できる状態にレストアし、日本に里帰りさせるプロジェクトが進行中。現在は、イギリスに保管されている車両を日本に輸送する費用の支援募集をはじめ、防衛技術博物館設立予定地の確保や展示車両の収集活動が進んでおり、当編集部は以前からその動向を追いかけている。◆『九五式軽戦車 レストアディテール写真集』そんな中、2020年4月上旬に『九五式軽戦車 レストアディテール写真集』と題された大判本の情報を入手。前述した、NPO法人 防衛技術博物館を創る会の小林雅彦代表理事(御殿場市 自動車整備・販売会社「カマド」代表取締役)のインタビューも掲載されているとわかり、急ぎ発行元のイカロス出版へ問い合わせた結果、今回の記事化が実現した。書名に「写真集」とあり、すべて写真で構成されているのかと思いきや、前半は九五式軽戦車の開発経緯や技術の特徴が記され、貴重な過去写真が満載。現在進行中の里帰りプロジェクトの主役を「流浪の軽戦車」と呼び、世界を旅した課程も綴られていた。さらに「カラープロファイル」も必見。九五式軽戦車が投入された戦地ごとに細部や塗装が違っていたようで、その詳細がイラスト化されているのは本書ならではだろう。メインとなる九五式軽戦車の写真は、そのダイナミックさに圧倒される。目次の項目を見てわかる通り、限りなく細部(ディテール)まで撮影。レストア前のサビくれた様子もしっかり掲載され、この状態から走行可能な車体に仕上げるには、失われた部品探しを含め、相当な時間と費用を要したことが伝わってくる。そして最後には、九五式軽戦車のプラモデルの作り方を掲載。読者の遊び心をくすぐる構成となっている。<書籍情報>書名:九五式軽戦車 レストアディテール写真集執筆:竹内 規矩夫氏 プシェミスワフ・スクルスキ氏(Przemyslaw Skulski) 吉川和篤氏 発行:イカロス出版株式会社頁数:112ページ判型:A4判(大型本)価格:2600円+税発売:2020年4月1日ISBN:978-4-8022-0848-2
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