気象庁が2月25日に発表した見通しによると、今夏(6~8月)の気温は「平年並か高い」とのこと。北日本、東日本、西日本、沖縄・奄美の全地域で同様の見込みで、実は2010年から19年までの10年間、2014、15年の西日本以外は全地域で平均気温以上の夏となっている。今年もそんな暑さが見越される夏。ドライブへの対策としてお勧めなのがカーフィルムだ。昔の目隠し用途だった頃とは変わってフィルムは進化し、遮熱やUVカットという機能面で頼もしいアイテムとなっている。◆強まる紫外線と混雑する専門店とはいえ、フィルムをまだ施工していないユーザーは、夏本番を待つよりも早くから動き出した方が得策だ。その理由の1つが、すでに3月から強まり始めている紫外線。気温的に体感では分かりづらいが、気象庁が公表する日最大UVインデックス(観測値)の月平均値の年間推移グラフを参照すると、すでに3月からは「中程度」の紫外線が降り注いでいる。この中程度とは、「日中はできるだけ日陰を利用しよう。できるだけ長袖シャツ、日焼け止め、帽子を利用しよう」とされている強さで、以降、ピークを迎える5~8月に向けて一気に紫外線は強くなっていく。一般的に夏の到来は梅雨明けとセットで語られることもあるが、例年梅雨前から紫外線は強まっているのだ。カーフィルムは、こうしたUVを強力にカットしてくれる。品質に定評のある大手ブランドの定番商品が99%カットの性能を発揮するほか、近年では100%カットを謳うフィルムまで登場しているので、どのフィルムを施工するかを吟味してみても良いかもしれない。一方で、その梅雨時期の前後、つまり夏直前になると、フィルム専門店には施工予約が殺到する。これが早めの準備を勧める2つ目の理由だ。福岡県でカーフィルム専門店「貼りアップ」を営む濱田代表によると、「例年5月のGW明け頃から予約や問い合わせが増え始め、7・8月は週末が予約でいっぱいになる」とのこと。フィルム施工のハイシーズンに入ってしまうと、施工納期に通常よりも時間を要したり、入庫中の代車が不足したりと、不便を強いられる可能性も。技術に定評のある専門店では、近隣の大手カー用品店や新車ディーラーからのヘルプ要請でますます忙しくなるケースもあるので、もちろん店舗によって事情は異なるが、じっくり相談したい場合などはユーザー側も4、5月頃など早めに動く方が良さそうだ。◆フィルムの濃さも入念にチェックをフィルムをいざ施工する際、特に高年式車オーナーは、フィルムの濃度選びにも気をつけたい。フロントガラスと運転席、助手席のフロント3面は可視光線透過率70%以上が規定されているため、実質的には高い透過率を誇る透明フィルム一択となるが、規定のないリアは透明から真っ暗に近い濃さまで自由に選べる。ただ、近年のクルマでは純正で着色されたプライバシーガラスが設定されていることも少なくない。こうしたプライバシーガラスの上に濃色フィルムを施工することで、フィルム単体よりも低い透過率となってしまい、最近では「思ったより濃く、車内からの視認性が悪くなってしまった」「車内に装着しているバックカメラが見えづらくなってしまった」といったケースもあるそうだ。そんな事態を防ぐべく、事前に「フィルム単体」ではなく、「施工した際のガラス面」の見え方は確認しておきたいもの。前述の貼りアップでは、事前確認のためのツールとして「カラーチェックウィンドウ」を開発。同店のほか福岡近隣の新車ディーラーや大手カー用品店にも導入されており、店側も「ユーザーの施工前の懸念を払拭できるツールとして重宝している」(福岡市内トヨタ系ディーラー店長)と話す。肌にダメージを与える紫外線や熱を感じる赤外線をカットするとともに、プライバシー保護の面からも活躍するカーフィルム。近年はこうした機能に期待し、同乗者のために施工するファミリー層も少なくなく、実は万が一の事故の際には飛散防止というお守り的機能も発揮する。ぜひ早めに信頼できる専門店を探し、今夏こそ快適・安心なカーライフを過ごしてもらいたい。
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