NEXCO中日本は5月24日、交通事故防止に向けた取り組みとして、トンネル内走行中の車両へ音声で注意喚起するシステムを小田原厚木道路に導入したと発表した。音声による注意喚起は高速道路会社では初めての取り組みとなる。NEXCO中日本が管理する高速道路では、昨年1年間に40件の交通死亡事故が発生し、そのうち7件は渋滞末尾への追突事故。工事規制や渋滞については、情報板や標識、標識車などで注意喚起しているが、ドライバーに認知されない場合も多いという。そこで、より効果的に注意喚起を行うため、視覚情報に加え、音声によるシステムを導入することを決定した。新システムは、音の拡散が少ないトンネル内に4台のスピーカーを約50m間隔に設置して、4秒以内の音声を最低2回伝える仕組み。「この先 工事走行注意」「この先 渋滞走行注意」など、警告音に比べてより詳細な注意喚起が可能で、ドライバーはハイウエイラジオのような操作も必要なく音声を聞くことができる。なお、スピーカーからの音声を車内で聞くと、ドップラー効果によって音高が変化し、聞き取りにくくなってしまうため、スピーカーから発する音声は各々の場所で時間差をつけて放送。同技術は、東京芸術大学の亀川徹教授、早稲田大学の山崎芳男名誉教授および中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京と共同で研究開発した。NEXCO中日本では、居眠り運転による追突事故防止や工事規制・渋滞情報などの効率的な提供などが期待できるとし、新システムを将来的には、トンネル以外の区間でも導入できるように技術開発を進めていく計画だ。
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