【カーオーディオ・マニア】愛車の中でどうやって音楽を聴く? 高性能な『DAP』で “ ハイレゾ音源 ” をハイ・クオリティに! | CAR CARE PLUS

【カーオーディオ・マニア】愛車の中でどうやって音楽を聴く? 高性能な『DAP』で “ ハイレゾ音源 ” をハイ・クオリティに!

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カーオーディオにおいての『DAP』の使用例(製作ショップ:サウンドクオリティー)。
  • カーオーディオにおいての『DAP』の使用例(製作ショップ:サウンドクオリティー)。
クルマの中で音楽を楽しもうとするとき、“ソースユニット”には何をお使いだろうか。最近はとみに選択肢が増えている。その1つ1つについて、特長や楽しみ方のコツを考察する短期集中連載をお届けしている。今回はその第6回目として、『DAP』について考えていく。


■ハイエンド・カーオーディオの世界では、高性能な『DAP』の使用が一般的に…。

『DAP』とは、“デジタル・オーディオ・プレーヤー”のことである。広義では『スマートフォン』もこれに含まれるが、今回はそれは切り離し、音楽再生に特化した『DAP』だけについて考えていく。

ところで、ハイエンド・カーオーディオの世界では今や、『DAP』は相当にメジャーな“ソースユニット”となっている。ハイレベルなカーオーディオ・サウンドコンテストに足を運ぶと、これを“ソースユニット”としてシステムに組み込んでいるエントラントを非常に多く見かける。

ここまでメジャーな存在となった理由は、“ハイレゾ音源”が普及したからだ。そして、『DAP』の中にはハイエンドなモデルがさまざまあり、「『ハイエンドDAP』を用いることが、“ハイレゾ音源”をもっともハイ・クオリティに再生できる手段」となったのだ。

実際、『DAP』はエントリー機から超ハイエンド機までのグレード差が大きい。比例して、性能差も現れる。

ちなみに2017年には、“ハイレゾ音源”の再生が可能な『AV一体型ナビ』が次々にリリースされた。今後は、車内で“ハイレゾ音源”を楽しもうとするときのスタンダードな“ソースユニット”は、『AV一体型ナビ』へとシフトしていくことが予想される。

しかしながらハイエンド・カーオーディオ愛好家の間では、当分、『ハイエンドDAP』の使用率は落ちないものと思われる。それほど『ハイエンドDAP』の高音質化は極まっている、というわけなのだ。


■『ハイエンドDAP』を用いて高音質をとことん追求していくと、システムは大がかりになっていく…。

さて、『ハイエンドDAP』を愛好家たちは、どのようにしてシステムに組み込んでいるのだろうか。ちなみに『ハイエンドDAP』は、ヘッドフォン端子から出力されるアナログ信号のクオリティがすこぶる高い。であるので、それとカーオーディオメインユニットの“AUX端子”(外部音声入力端子)とをピンケーブルで繋げる、というスタイルが、シンプルかつ高音質に“ハイレゾ音源”を楽しめる方法となる。のだが、実際はそれとは異なった手段が講じられている。

ハイエンド・カーオーディオの世界では、“DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)”を用いてサウンドチューニングを行うのが一般的だ。車内は狭く、そしてガラスやパネルに囲まれているので、音が反射し、そしてシート等では音が吸収される。この反射と吸収の影響で周波数特性が乱れがちとなる。

また、リスニングポジションが左右のどちらかに偏らざるを得ない。これもステレオ再生を楽しもうとするときの弊害となる。それらのオーディオ的な不利を解消させるためには、デジタルチューニングが不可欠なのだ。となると、『ハイエンドDAP』から音声を取り込もうとするときにも、その信号を“DSP”に送り込みたい。というわけで、「『DAP』からの音楽信号は、デジタルのままハイクオリティな“DSP”に送り込む」という方式が、総合的にみてもっとも高音質に“ハイレゾ音源”と楽しむ方法となっているのだ。

なお、“DSP”を用いて信号を緻密に制御しようと思ったときには、システムレイアウトは“マルチアンプシステム”という形式が取られることとなる。“マルチアンプシステム”というのは、スピーカーユニットの数と同数の“パワーアンプ”のch数を確保して、1つずつのスピーカーユニットをパワーアンプの1chずつを使ってドライブする、という方式だ。

結果、システムは巨大化する。ハイエンド・カーオーディオの愛好家の間では、フロント3ウェイ+サブウーファーというスピーカーレイアウトが採用されるケースが多い。となると“パワーアンプ”のch数は最低でも7chが必要となる。『ハイエンドDAP』を使ってとことん高音質を追求していくというのも、大変な作業なのだ。しかしながら、それで得られるサウンドは、さすがに高音質、なのである。


■『DAP』をシステムに取り込もうとするときには、実はもうひと手間が必要となる…。

ところで、『ハイエンドDAP』の音声信号をデジタルのまま取り込もうとするとき実は、もうひと手間が必要となるケースが結構多い。というのも、デジタル伝送にはさまざまな規格が存在している。オプティカル、コアキシャル、USB、しかもUSBにはタイプA、タイプB等々がある。『DAP』ごとでデジタル出力端子のタイプがさまざまで、かつ、“DSP”側の入力端子もさまざまだ。すんなりとダイレクトで接続できないケースがなかなかに多いのだ。

なので多くの場合、“D/Dコンバーター”が用意され、それを介して『ハイエンドDAP』と“DSP”が連結されることとなる

なお当然ながら、『ハイエンドDAP』が使われるケースにおいては、パワーアンプにもスピーカーにも、上級機が用いられる場合が非常に多い。さらには、ケーブルにも贅が尽くされる。パワーケーブル、RCAケーブル、スピーカーケーブルそれぞれにハイエンドモデルをおごる愛好家は多い。

そして、『ハイエンドDAP』と“DSP”間においても、高級ケーブルが使われることが多くなってきた。ここにきて、ハイエンドなデジタルケーブルが続々とリリースされていて、選択肢も増えてきた。実際、高級品となればなるとサウンドクオリティは確かに向上する。とにもかくにも、ハイエンドを追求していこうとすると、やるべきことがいろいろと出てくる。そして、それらを1つ1つ乗り越えていくことでも、ハイエンドを追求する醍醐味が味わえるのだ。カーオーディオは奥深い…。

今回は以上とさせていただく。次週からは、スペシャリティの高い“ソースユニット”をピンポイントで紹介していこうと思う。お楽しみに。

音楽は何で聴く? “ソースユニット”大研究! 第6回『DAP』編

《太田祥三》

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