ポルシェは2月12日、3Dプリンターで製造した部品を、ポルシェのクラシックモデル向けに供給すると発表した。希少なクラシックカーの愛好家にとって、スペアパーツが入手不可になると、最悪の場合、車が動かなくなってしまう可能性がある。解決策となったのは、少量のみ必要とされる非常に希少なパーツについては、3Dプリンターを使って製造するという方法。ポルシェによると、3Dプリンターで生産されるパーツは、技術的にも外観的にも、全てオリジナルの仕様に対する完璧な忠実性という要件を満たしているという。たとえば、ポルシェ『959』(1986~1989年)のクラッチのリリースレバーは現在、入手不可能。このねずみ鋳鉄製のコンポーネントは、非常に高い品質要件を満たす必要がある。しかし、このスーパースポーツカーは、わずか292台しか生産されなかったため、需要は少ない。検討に値する唯一の製造方法として考えられたのは、レーザー溶融法。リリースレバーを製造するためには、まずコンピュータ処理によって厚さ0.1mm以下の粉末工具鋼の層で処理プレートを覆う。そして、不活性ガスの中で、高エネルギーのライトビームを用いて希望する場所で粉末を溶融させ、スチール層を作り出す。こうして、一層ずつ完全な3次元コンポーネントが製造される。こうしてプリントされたリリースレバーは、3トン近い負荷をかけた圧力試験と、その後の内部欠陥を調べる断層撮影法による検査にクリア。最後に、テスト車両に取り付けられたレバーを用いた実地試験と徹底的な走行試験により、コンポーネントの完璧な品質と機能が確認されたという。これまで一貫して肯定的な結果が得られてきたことを踏まえ、現在ポルシェでは3Dプリントを使って他に8つのパーツを製造中。具体的には、レーザー溶融法を用いて製造されるスチールおよび合金製のパーツと、SLSプリンターを用いて製造される樹脂製コンポーネント、としている。
NA/FDの復刻樹脂パーツや外板パネルに加え、AZ-1用ポリカーボネート製ガラスも!?“長野のレストア職人”駒場豊が描く新たな旧車パーツの未来…マツダファンフェスタ2024 2024.10.24 Thu 13:10