自動車大国ドイツでは、クラシックカーを工業的な遺産として大切に扱う文化が古くから根付いている。多くの先進技術を搭載したクルマが登場するなか、過去の遺産を大切に後世に残す「レストアの文化」も進んでいるドイツ。日本でも近年、投資という観点からだけではなく、お気に入りのクルマに末永く大切に乗ったり、古きものへのこだわりなどクラシックカーの人気が高まっている。世界初の「クラシックカーガレージ認証」を取得したマツダの工場は、マツダが開始するレストアサービスのレストア作業を行う工場。マツダのレストアサービスは、永く大切にマツダ車を乗り続けられる環境作りを目的とした、「レストア事業」と「パーツ再供給」の二つからなるサービスだ。これらのマツダの新事業は、メーカーであるマツダがオーナーと直接面談し、個々のクルマの状態や要望に合わせたサービスが実施され、レストアしたロードスターを高い品質でオーナーに戻すことができ、2018年1月よりサービスを開始したばかり。東京オートサロン2018のマツダブースにも、レストア途中のNAロードスターのホワイトボディーが展示され注目を集めた。パーツ再供給は、初代ロードスターの一部パーツを復刻するもので、パーツはオリジナル状態にこだわり、初代NAロードスター発表当時を彷彿とさせるビニール生地のソフトトップやデザインを再現。乗り味にこだわったブリヂストン製タイヤ「SF325(185/60R14)」、NARDI製ウッドステアリング/シフトノブを現在の技術で復刻する。その他の部品供給についても、オーナーとの対話を通じて取り組んでいくという。マツダは、初代ロードスターのレストア事業やパーツの再供給を通して、オーナーのカーライフを豊かにするとともに、オーナーとの間に特別な絆を持ったブランドになることを目指していく。◆中立的な第三者認証機関による信頼の証「クラシックカーガレージ認証」「クラシックカーガレージ認証」とは、クラシックカーのレストア・修理・整備などを行う工場に対する認証。クラシックカーを購入したり、保険契約をする際に、所有した車が安全にレストア・修理・整備されているかは重要な要素。お気に入りのクラシックカーをレストア・修理・整備に出す工場が、中立的な第三者認証機関であるテュフラインランドジャパンによって監査・認証を受けた信頼のおけるクラシックカーガレージであることは、カーオーナーにとって、大きな安心に繋がる。具体的には、レストア・修理・整備の技術、品質、機器・設備に加え、工場の運営・管理、法令遵守、顧客対応など、11カテゴリー150項目以上の基準に基づき、テュフラインランドジャパンが監査を実施。クラシックカーとして市場価値の維持、高いレベルで修理やレストアがされているかを中立的に評価される。テュフラインランドジャパンは、このクラシックカーガレージ認証取得により、「確かなプロセス・環境で、高い品質レベルのレストア作業が実施できることが証明される」としている。テュフラインランドジャパンでは、今後レストア事業を展開する自動車メーカーや修理・整備工場にもクラシックカーガレージ認証取得を促すことで、レストア文化の普及・拡大とクラシックカーの修理や整備の品質向上を図っていく方針だ。末永くクルマとつきあえる文化が、この日本にも広がっていく。
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